自民党・維新がコロナを口実に「改憲=緊急事態条項の創設」に動き始めた!自分たちの失政を憲法にスリカエ、火事場泥棒を許すな

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自民党HPより


 自民党がいよいよ火事場泥棒に乗り出そうとしている。そのことがよくあらわれているのが、岸田文雄首相が安倍晋三・元首相への忖度で甘利明氏の後任に据えたとされる自民党の茂木敏充幹事長の読売新聞のインタビューだった。

 茂木幹事長は「新型コロナウイルス禍を考えると、緊急事態に対する切迫感は高まっている。様々な政党と国会の場で議論を重ね、具体的な選択肢やスケジュール感につなげていきたい」と発言。自民党が提示している改憲4項目のなかでも「緊急事態条項の創設」を優先的に目指す方針を示した。

 安倍・菅政権で重要閣僚として政権中枢に鎮座していた人間がよくもまあ「コロナ禍で緊急事態に対する切迫感が高まっている」などと言えたものだ。この間、「GoToキャンペーン」や東京五輪の強行開催によって感染拡大を引き起こし、一方、病床確保も検査体制の拡充もおろそかにして医療崩壊を繰り返させてきたのは、憲法ではなく、お前たちの失策だろう。

 無論、自民党がこのような厚顔無恥を晒すのは、今回にはじまった話ではない。実際、コロナが流行し始めた2020年1月末の段階から当時の安倍自民党は「改憲議論が必要だ」「憲法改正の大きな一つの実験台」などと言い出し、同年の憲法記念日には安倍晋三・元首相が、日本会議が主体となった団体が開催した改憲集会に送ったビデオメッセージで「今回のような未曾有の危機を経験した今、緊急事態において国民の命や安全を何としても守るため、緊急事態に国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えていくべきか。そのことを憲法にどう位置付けるかは極めて重く大切な課題だ」と主張。

 これは菅義偉・前首相も同様で、今年の憲法記念日にも同じ憲法集会でのビデオメッセージのなかで「新型コロナへの対応を受けて、緊急事態への備えに対する関心が高まっている」と述べ、安倍元首相と同じ主張を繰り返した。

 ふざけるのもいい加減にしろ、と言うほかない。当然ながら、緊急事態条項がなくても医療や検査の強化・拡充はできるし、人流を抑えたいのならば十分な補償や給付金の支給によって国民の生活を支えればいい。つまり、この国がコロナ対応で失敗してきたのは、そうしたやるべきことをやらなかった政治の責任にほかならないのだ。それを「緊急事態条項がないからだ」などと憲法改正に話をすり替えるのは、はっきり言って犯罪的な悪質さだ。

 だが、事あるごとに自民党政権は、コロナ対策をやらないことの言い訳として憲法の問題を持ち出してきた。たとえば、デルタ株の水際対策の重要性が明らかになっていた局面でも、変異株の流行地域からの入国者に対する宿泊施設などでの待機期間の延長を国会で野党から要求されても、菅政権は「憲法の制約がある」「私権制限の法律がない」などと言い張って拒否。しかしその後、遅れに遅れるかたちで菅政権は待機期間の延長を決定。「憲法の制約」という主張が真っ赤な嘘だったことを自ら証明した。

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