菅首相が「人流は間違いなく減少」と真っ赤な嘘! 東京駅前は昨年の1.8倍、大阪駅前も2.6倍、感染者減少も検査数が大幅に減っただけ

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菅首相が「人流は間違いなく減少」と真っ赤な嘘! 東京駅前は昨年の1.8倍、大阪駅前も2.6倍、感染者減少も検査数が大幅に減っただけの画像1
首相官邸HPより


 全国の重症患者が過去最多を更新しても、この男にはまるで危機感がないらしい。本日、菅義偉首相は、来週11日に解除期限を迎える緊急事態宣言の延長についてのぶら下がり取材に応じたが、そこでまたもデタラメな主張を口にしたからだ。

 記者から「今回の緊急事態宣言はゴールデンウィークの短期集中を掲げておこなわれましたが、その効果についてどのように分析していますか」と質問されると、菅首相はこんなことを言い出した。

「あのー、大きな流れのひとつでありました、人流については、間違いなく減少していると考えています」

 記者はさらに「感染者の数についてはどのように分析をしていますか」と質問を重ねたが、そこでもこう答えたのだ。

「あのー、きょうの数字はみなさんご承知だと思いますけども、人口……あの……人口が、あの、減少している、ま、そうした効果は出始めてきているのではないかなというふうに思っています」

「人口が減少している」ってどういう意味だよ、とツッコまざるを得ないが、こう述べると菅首相は足早に立ち去ってしまったのだ。

 この「人口」というのは「人流」の間違いだと思われるが、ようするに菅首相は「人流は間違いなく減少している」「人流が減少した効果が感染者数にも出始めてきている」と主張したのである。

 とにかく何から何まで滅茶苦茶だ。まず、「人流については間違いなく減少している」という発言だが、これについては、コロナ担当の西村康稔・経済再生担当相も2日の会見で「かなりの人流が減っている」と述べ、とくに夜間の人流が減っていると強調したが、コロナは夜行性でもなんでもない。

 しかも、行楽地や繁華街の人出は、昨年の緊急事態宣言下の同時期と比べ、大幅に増加している。実際、首都圏の行楽地の人出(昨年5月2~6日と今年5月1~4日の13時台の平均値)を比較すると、東京駅の人出は昨年より1.84倍、高尾山では4.74倍、神奈川の江の島では4.68倍、箱根湯本駅では3.82倍と大幅に増加(読売新聞5日付)。これは関西の繁華街も同様で、2日15時台の大阪駅前の人出は昨年より2.6倍、京都の河原町駅前で2.7倍、大阪のなんば駅前と神戸の三ノ宮駅前では2.0倍となっている。

菅首相「人流が減少した効果が感染者に」も嘘!東京の2〜4日の検査数は3000件未満 

 行楽地や繁華街では人出が増加しているのに、「人流については間違いなく減少している」と言い切るというのは、デタラメにも程があるではないか。

 しかも、菅首相は「きょうの数字はみなさんご承知だと思いますけども」などと新規感染者数に言及した上で「人流が減少した効果が(感染者数にも)出始めてきている」と口にしたのだ。

 たしかに本日の新規感染者数は東京都で621人、大阪府で668人だったが、東京の場合、本日公表された検査人数は5534件で、昨日4日はわずか2947件、3日2958件、2日2942件と3000件にも届かない数字で推移してきた。大阪も1〜3日は1万件を超えていたが、4日は7781件、本日5日も6465件と1万件を下回っている。ちなみに大阪府の検査数は、東京都では含んでいない高齢者施設などの集中的検査の数字も入れて公表されているというから注意が必要だ(「女性自身」ウェブ版4月15日付)。

 ゴールデンウィークの影響で検査数自体が減っているのだから、感染者数も低く出るのは当たり前で、実際、東京都の本日の陽性率は9.1%、大阪府も10.3%と高くなっている。

 しかし、菅首相は検査数が少ないために感染者数が少なくなっているだけなのに、「人流が減少した効果が出始めてきている」などと語ったのだ。

 こんなデタラメの分析しかできない総理が、コロナ対策の陣頭指揮をとっている……。あらためてその事実に背筋が凍るが、さらなる問題は「今週中に判断する」と菅首相が述べた緊急事態宣言の解除日についてだ。

 本日夜に配信された朝日新聞デジタルの記事によると、政府では11日までとしていた緊急事態宣言の期限について延長する方向で調整に入り、〈延長幅は、2週間から1カ月とする案が浮上している〉という。

緊急事態宣言〈延長幅は、2週間から1カ月とする案〉の裏 東京の宣言期間短縮で五輪開催強行か

 医療崩壊が起こっている大阪などで「延長2週間」というのはまったく現実的ではなく、それで「1カ月」という案が出ているのだろう。だが、問題は東京だ。菅首相は東京五輪開催を睨んで、東京の宣言延長を2週間にしたがっているのではないか。

 つまり、こういうことだ。当初、11日までと期限を切ったことに対しては「国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長が17日に来日することを考慮した“バッハ・シフト”だ」と猛批判を浴びたが、そのバッハ会長が来日する期日を超えた延長とすれば批判を封じ込めることができる。その一方で東京の宣言延長を短くし、東京五輪の開催につなげようとしているのではないか。

 だが、東京の医療提供体制も厳しさを増しており、このまま感染者数が増えればあっという間に大阪と同じような状況に陥るのは目に見えている。それでも衆院選と総裁選を控えた菅首相は支持率アップのために、何がなんでも東京五輪の強行開催を諦めないつもりなのだろう。だからこそ、「人流が減少した効果が(感染者数にも)出始めてきている」などというデタラメを平然と国民に垂れ流しているのである。

 冗談ではなく、この男を感染対策のトップに立たせつづければ、本当にこの国は滅びるのではないか。きょうの発言は、そんな危機感を高めるに十分すぎるものだ。

最終更新:2021.05.05 11:16

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