河井克行・案里が初公判で無罪主張もこれから120人が証人出廷! 安倍事務所の買収関与を物語る決定的証言が飛び出す可能性

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河井克行ブログより


 本日25日、前法相の衆院議員・河井克行被告と、妻で参院議員の案里被告の初公判が開かれたが、予想通り、起訴内容を否認した。

 夫妻は参院選公示日前後に地元議員らに現金を供与したことはおおむね認めたものの、その金は「統一地方選に立候補した人への陣中見舞いや当選祝い」だったとして、「投票の取りまとめなどの選挙運動を依頼する趣旨で供与したものはない」と主張した。

 大手マスコミはこういうときだけ「河井夫妻が検察と全面対決」などとバランスをとるような見出しを掲げていたが、そもそもこんな主張が通用するはずがない。

 克行被告が買収した相手は100人、渡した金は合計2901万円にのぼるが、それは統一地方選に立候補していた県議や市議だけではなく、後援会幹部や陣営スタッフにもばらまかれている。

 しかも、買収された100人の多くが「案里被告が出馬した参院選への協力」を求められたことを認め、県内の首長2人の辞職と地元の県議、市議ら37人がすでに辞職表明しているのだ。

 河井夫妻サイドは東京地検特捜部が買収を受けた100人を刑事訴追しなかったことから、その供述を「司法取引によるでっちあげ」と主張しているが、1人や2人ならともかく、こんな数の人間全員が罪を逃れるため嘘の供述をしたというのはありえないだろう。

 実際、20万円を受け取り、辞職する意向の地方議員が河井夫妻の無罪主張に対して、「受領が法に触れると思うから辞職するのに、無罪を主張する意味が分からない。夫妻も辞職すべきだ」とコメントしたことを、きょうの毎日新聞が報じている。

 しかも、これからの公判で河井夫妻の主張はどんどん崩れていくことになるだろう。というのも、この裁判は夫妻が全面的に争う姿勢のため、買収を受けた地方議員、後援会幹部らを中心に120人もの証人尋問が予定されているからだ。法廷で、報道されていない金銭授受の現場やその前後の生々しいやりとりが再現されるのは確実だろう。

 それはたんに、現金授受が案里被告の選挙目的だったことを証明するだけではない。この買収事件に安倍首相が深く関与していることを物語る決定的な証言が飛び出す可能性が高いのだ。

 周知のように、案里議員が出馬した昨年の参院選では、自民党が1億5000万円という巨額の選挙資金を提供しただけでなく、安倍首相の地元事務所の筆頭秘書をはじめベテラン秘書が投入され、指南役をしていたことがすでに明らかになっている。「週刊文春」(文藝春秋)はその人数を4人としていたが、のちの新聞報道などでは、安倍事務所の秘書は5人ともされている。

 毎日新聞によれば、2019年5月12日、案里議員の陣営が使っていたLINEで、克行前法相のアカウント名「あらいぐま」から、安倍首相の山口県事務所からベテラン秘書ら5人が応援に来る予定だとし、「全員表に出て拍手で迎えるように」「明日明後日から応援に来られるのは、「安倍晋三事務所の秘書さん」ではなく、「安倍総理大臣秘書」と、表現してくださいよ」という指示が出ていたという。

 また、「赤旗」では、安倍事務所の秘書と一緒に4日間かけて広島県内の企業40〜50社を名簿片手にアポなしで訪問したという案里氏陣営関係者の証言が報じられた。

安倍首相の地元事務所秘書が買収にも関与か?河井克行被告が現金を渡した後に安倍首相秘書が…

 そして、買収行為についても、この安倍事務所の秘書が関与していたのではないかという疑惑が浮上している。

 昨年5月、克行前法相が広島県議サイドに金を渡したあと、安倍首相の秘書がこの県議を訪ねて案里氏への支援を求めていたことを、共同通信が報じたのだ。しかも、この広島県議以外でもこうしたパターンが繰り返されていたという。

「克行前法相はLINEグループで、案内役のスタッフに安倍首相秘書のまわり先を細かく指示していた。つまり、克行氏がまずお金を配り、そのあとに、安倍首相の地元秘書がそのお金を渡した相手に会いに行くという流れだったようだ。検察では、この作戦を立てたのも、安倍首相の地元事務所の秘書ではないかと見ていた」(全国紙司法担当記者)

 さらに、安倍首相の秘書については、自民党から交付された1億5000万円をめぐっても疑惑がささやかれている。

 そもそもこの1億5千万円については、安倍首相のツルの一声で出た“安倍マネー”だったというのは既定の事実となっている。

 実際、自民党本部が、河井夫妻それぞれが代表を務める政党支部に選挙資金を振り込む前後に、安倍首相と河井克行容疑者が繰り返し官邸でふたりきりで面談していた事実も判明している。

 たとえば、自民党が案里容疑者を公認したのは3月13日のことだが、その前後の2月28日と3月20日に安倍首相は克行容疑者と単独で面会。このあと4月15日に自民党本部は案里容疑者が代表を務める政党支部に1500万円万円を振り込み、その2日後である4月17日にも、安倍首相は克行容疑者と単独で面会をおこなっている。
 
 さらに、その後、5月20日に自民党本部は案里容疑者の政党支部に3000万円を投じているが、その3日後の23日にもまた安倍首相は克行容疑者と単独で面会。6月10日には案里容疑者の政党支部に3000万円、克行容疑者の政党支部にも4500万円が、さらに同月27日には克行容疑者の政党支部に3000万円が振り込まれているが、その巨額の振り込みがなされた前後にあたる同月20日にも安倍首相は克行容疑者と単独で面会をおこなっていた。

 さらに、この金が出た時期に、安倍首相の地元事務所秘書2人が大きなキャリーケースを持って現れたという証言も浮上した。

1億5千万円が交付された時期に、2人の首相秘書が大きなキャリーケースをもって

 これは、安倍首相宅の火炎瓶事件の裏側など、地元・下関の安倍事務所をめぐる疑惑に食い込んでいる「アクセスジャーナル」が最初に書き、その後、「週刊朝日」(朝日新聞出版)のオンライン限定記事も事情聴取を受けた県議のこんなコメントを掲載した。

「案里容疑者の選挙に自民党本部から1億5千万円の資金が出た時でした。私がお連れした方ともう一人の総理秘書官が、キャリーケースを持参してきていた。宿泊もしなかったはずなのに、どうしてそんな荷物が必要なのかと不思議でした。検事から事情聴取を受けたとき、雑談で総理秘書官のキャリーケースのことを話したら『何が入っていたか見ていないか』『現金は見なかったか』と何度も聞かれました」

 このキャリーケースについては、安倍事務所が現金で活動資金を持ち込んだものという見方がある一方で、逆に、自民党から出た金の一部が安倍事務所に還流したのではないか、という噂も流れている。

 安倍首相の関与を物語る具体的な材料は他にもある。案里議員の後援会長を務めた繁政秀子・前広島県府中町議は、昨年5月に克行容疑者に白封筒に入った現金30万円を渡された際、克行容疑者から「安倍さんから」と言われたと証言したが、これはただの「うたい文句」ではなく、文字通り、安倍首相から出ていた可能性が濃厚なのだ。

 河井夫妻の公判では、メディアにこれらの事実を証言してきたこうした地方議員や後援会関係者も出廷するとみられている。公判の中で、安倍首相や安倍事務所の買収関与を証明するもっと衝撃的な証言が飛び出す可能性はおおいにあるだろう。

 しかし、問題は新聞やテレビの姿勢だ。残念ながら、東京地検特捜部は、自民党本部が河井被告に交付した1億5千万円が買収の原資になっていた問題、そして、安倍首相や安倍事務所の買収への関与を立件するつもりはないようだ。

 だが、新聞・テレビは「検察が動かないから取り上げない」ではなく、「検察が動かない」からこそ、これからの公判に飛び出す証言を注視し、改めて安倍首相と安倍事務所の関与を徹底追及する必要がある。

最終更新:2020.08.25 10:58

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