「医療逼迫していない」は嘘だった!「病院も軽症者用ホテルも逼迫」と都職員が証言 なのに安倍政権はGoToキャンペーン前倒し強行

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首相官邸HPより


 もはや常軌を逸しているとしか思えない。本日、東京都の新規感染者数は過去最高を記録した昨日の224人をさらに上回る243人にのぼると公表されたが、同時に、目を疑うようなニュースが飛び込んできた。なんと、「Go Toキャンペーン」を7月22日から開始すると政府が発表したのである。

 7月22日からスタートするのは「Go Toキャンペーン」の観光分野で、赤羽一嘉国交相によると宿泊代金の値引きからおこなうというが、これによって東京都を含む人の移動が促されることになる。ようするに、感染拡大を受けて人の移動を抑えるのではなく、むしろ活発化させようというのである。

  しかも、「Go Toキャンペーン」については、政府は7月1日に8月中の開始を目指すことを発表していた。このときも、東京都が感染拡大傾向にあるなかで8月中の開始を目指すというのは「正気の沙汰ではない」と本サイトでは批判。また、政府が「Go Toキャンペーン」に固執するのは、“経済最優先”で突き進む安倍首相の最側近・今井尚哉首相補佐官と、その子飼いである新原浩朗・経産省経済産業政策局長の肝いりだからだと伝えた(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2020/07/post-5509.html)。

 だが、まさか東京都で過去最高の新規感染者数を記録した翌日に、その上、開始時期を大幅に前倒しすると発表するとは──絶句するほかない。

 いま本当に必要なのは、感染拡大を抑え込むこと。そして大打撃を受けている観光業や外食産業、イベント業界などに対しては、キャンペーンで需要喚起することではなく、しっかりと追加補償をおこなうことだ。だが、感染拡大を封じ込めるための策もとらず、追加補償策を打ち出すこともなく、ただただ経済を最優先させよう、というのだ。

 しかも、だ。昨夜、安倍首相は「医療提供体制は逼迫した状況ではない」と明言し、西村康稔・コロナ担当相も菅義偉官房長官も同様の考えを示しているが、それはまったくのデタラメであることがわかったのだ。

 というのも、これまで政府は「医療体制に余裕がある」という立場を取りつづけているが、東京都が現在、確保しているベッド数は1000床。対して、7月9日時点で入院患者数は441人と、6月20日の204人から倍以上も増加している。昨日の東京都のモニタリング会議でも、坂本哲也・帝京大学医学部附属病院院長が「だいぶ逼迫してきている状態」と認めていた。

 さらに、昨夜放送の『news23』(TBS)によると、都の関係者は、入院患者数が増加しているのは「“夜の街”で感染が拡大している若者たちが病院に入院していることにある」と説明。東京都では無症状者や軽症者を受け入れるホテルの多くが6月末で契約が終了、今月末にも終了するホテルもあるとした。そのため無症状者や軽症者をホテルでなく、病院に入院させざるを得なくなっているのだ。実際、同番組の取材に対し、東京都の新型コロナ連絡調整担当の課長はカメラの前でこう語っている。

「すべてを受け入れるのが難しくなってきたなと。病院もたしかに逼迫していると思うんですけども、ホテルのほうも逼迫しているというのがいまの状況です」

 つまり、病院も、さらには軽症者を受け入れるホテルも、ともに余裕がない、というのだ。

 しかも、小池都知事や西村コロナ担当相は“感染者の多くは重症化リスクの低い若い人”などと強調するが、40〜50代の感染者も増えてきている。若い世代から高齢者にうつっていけば、医療体制が一気に逼迫することは間違いない。

コロナで医療機関の経営悪化するなか、政府の追加支援なしに病床確保は可能なのか

 その上、東京都は6月29日に1週間以内に最大3000床を確保すべく医療機関に準備を進めるよう通知をおこない、7月3日付の読売新聞でも都の担当者が「1週間あれば3000床まで増やせる」「医療体制は切迫している状況ではない」と説明していたのだが、6月29日の通知から1週間以上経っても、いまだに3000床を確保したという報告はない。これは、確保に難航しているということではないのか。

 そして、この背景には、新型コロナ患者の受け入れによって病院経営が悪化している点があるだろう。実際、新型コロナ患者を受け入れてきた東京女子医大では夏のボーナスがカットされ看護師約400人が退職を希望している状況となっているが、日本病院会と全日本病院協会、日本医療法人協会が6月5日に発表した「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査(追加報告)」によると、今年4月のコロナ患者を受け入れた病院の医業利益の赤字割合は全国で78.2%、東京ではこれをさらに上回り89.2%にものぼっている。この赤字割合は一時閉鎖した病院(84.2%)よりも高い数字だ。

 当然、ベッド確保のためにも、政府は早急に追加支援策として医療機関の赤字損失補填をおこなうべきであり、国会の閉会中審査でも野党が追及をおこなったが、しかし、加藤勝信厚労相はこれを拒否した。このような状況のなかで、はたしていつ3000床を確保できるのか。

 いや、それどころか、3000床でも足りなくなる事態も十分考えられる。厚労省は第2波に備えて各都道府県のピーク時の想定入院者数と確保見込みの病床数を推計しているのだが、東京都では確保見込みの病床数が4000床であるのに対し、最悪の場合の入院患者数は9058人となっているからだ。

 すでに東京都では再び医療崩壊を起こす危険がひたひたと迫っているというのに、過去最高の新規感染者数を記録しても何の手も打たず、医療を守るための赤字補填も拒否し、挙げ句、感染拡大に繋がりかねない需要喚起キャンペーンを前倒しさせる安倍政権──。このままでは、4月や5月の失敗以上の、さらに大きな被害が巻き起こることになるだろう。

最終更新:2020.07.10 06:34

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