本土メディアの沖縄県民投票無視がヒドい! 読売は1面トップから外し「広がり欠く」「影響は限定的」と無理やり矮小化

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
本土メディアの沖縄県民投票無視がヒドい! 読売は1面トップから外し「広がり欠く」「影響は限定的」と無理やり矮小化の画像1
県民投票翌日25日朝刊(左から読売新聞、産経新聞、朝日新聞)。読売新聞のトップはまさかの「健康記事」


 辺野古の新基地建設をめぐる県民投票から一夜明けた。驚いたのは“本土メディア”の報道姿勢だ。周知の通り投票者の7割以上、沖縄の全有権者でみても約4分の1が「反対」を投じ、明確に「辺野古に基地はいらない」と意思を示したにもかかわらず、“本土”のメディアはその民意を矮小化しまくっている。

 たとえば、本日の情報番組やワイドショーでは、テレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』こそスタジオトークを交えて報じたものの、『とくダネ!』(フジテレビ)、『ひるおび!』(TBS)はごくわずかストレートニュースで触れただけ。『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)や『直撃LIVE!グッディ』(フジテレビ)は一秒も沖縄県民投票の結果を報じなかった。ちなみに、『グッディ』に至っては、例の南青山の児童相談所問題で反対派・賛成派の番組独自討論会企画に長尺を使ったにもかかわらず、だ。

 別に児童相談所問題をやるなとはいわないが、明らかに明日以降でも問題ない企画を優先させ、昨日の沖縄県民投票を完全にネグったのは、ちょっとどうかしているとしか思えないだろう。

 しかも、“本土メディア”は報じたら報じたで、選挙結果を過小評価するミスリードとしか思えないやり方をしている。たとえば、NHKの『おはよう日本』では、投票結果について「多数となった『反対』の意見が有権者の4分の1にあたる28万8000票余りを超えたことから、条例の規定により、沖縄県の玉城デニー知事は総理大臣と米大統領に結果を通知することになりました」と説明しただけで、「反対」の票が得票率で72.15%におよんだという数字には一言もふれなかった。

 また、昨日放送の『Mr.サンデー』(日本テレビ)では、意味のわからない両論併記的な報じ方に終始した。たとえば、沖縄知事選のニュースを受けたMCの宮根誠司は、これだけ明確に「基地反対」の民意が示されたのに、唐突に沖縄経済を持ち出して、こんな話を始めていた。

「それからもう一個考えなければいけないのは沖縄振興、沖縄の経済ですよね。僕も沖縄へ取材に行ったんですけど、沖縄の基地で働くための専門学校っていっぱいあるんですよね。やっぱりお給料いいんですよ。そのあたりもあって複雑だなって思っちゃうんですけどね」

 いつもの「沖縄は経済的に基地へ依存している」とかいうペテンである。たしかに、基地関連施設で働いている沖縄の人は少なくないが、「だから基地をなくすのは無理」という主張はとっくのとうに否定されている話だ。

 実際、沖縄県自身がホームページで〈沖縄経済における基地関連収入(軍用地料、軍雇用者所得、米軍等への財・サービスの提供)の割合は、復帰直後である昭和47年の15.5%から平成27年度は、5.3%となり、その比重は大幅に低下しています〉と公表している。また〈過重な米軍基地の存在は、道路整備や計画的な都市づくり、産業用地の確保等、地域の振興開発を図る上で大きな制約となっており、今後、米軍再編による大幅な兵力削減や相当規模の基地返還が進めば、基地経済への依存度はさらに低下していくものと考えています〉としており、住民に対する危険性はもちろんのこと、むしろ基地の存在自体が沖縄県の振興の弊害となっているのだ。

読売新聞1面トップは沖縄県民投票でなく「適量ですか 高齢者の薬」

 まったく呆れてものも言えないとはこのことだが、ところが『Mr.サンデー』では、続いてコメンテーターの木村太郎氏がこんなトンチンカンな解説をする始末だった。

「今回ね、投票率だと思うんですよ。今回ね、50.51(注:パーセント、番組放送時点での速報値)でしょ。知事選が60パーセント超えるんですよ、ここは。だからそれと比べるとずいぶん低かったな、っていうのはやはり積極的な棄権じゃなくて、やはり決めかねるというそういう民意もあったのが反映してるのかな。僕はこれ、YESかNOかでやったら絶対的多数の、(有権者総数の)115万の半分いっちゃうと思ったんですよ。そこまでいかなかったっていうのは、やっぱりいろんな意味で沖縄の抱えている苦しい問題があるんだろうなっていうことを想像させますね」

 もうツッコミどころが多すぎて困ってしまう。そもそも、今回の県民投票での43万4273票という反対票は、昨年の知事選で玉城デニー氏が獲得した39万6632票を大幅に上回っている。しかも、「賛成」「反対」「どちらでもない」という3つの選択肢が設けられたにもかかわらずだ。木村氏は「YESかNOかでやったら115万の半分いっちゃうと思ったけどいかなかった」などと述べているが、そもそも3択だし、だいたいどれだけ高い投票率を想定しているのか、ちょっと意味がわからない。繰り返すが、有効投票総数の72・15%が「反対」というのは圧倒的比率であり、それは反対票の実数を見ても同じなのだ。これがはっきりと示された「民意」と呼ばずしてなんと呼ぶのか。

 だが、こんな体たらくや矮小化報道をやっている“本土メディア”はテレビだけではない。全国紙も相当にヤバいとしか言いようがなかった。

 実際に今朝の朝刊を見てみると、当然、1面トップは沖縄県民投票の結果報道だと思いきや、なんと、トップにしたのは朝日と毎日だけ。代わりに入っていたのが、日経は「見えざる資産 成長の源に」なる見出しの速報性がまったく感じられない経済特集記事、産経は「海自観艦式 韓国招待せず」という十八番の韓国批判ネタ、そして読売にいたっては、なんと、こんな見出しの記事をトップに持ってきていたのだ。

「適量ですか 高齢者の薬」

 そう、健康記事である。これが1面トップ? そんなの生活面でやれよ、と誰もが突っ込んだと思うが、しかも読売は全国5紙で唯一、1面における沖縄県民投票の記事を最も小さな扱いにしていたのだ(あの産経ですら、天皇在位30年式典記事よりも「辺野古反対7割超」を大きく扱っているにもかかわらずである)。

 前から安倍応援団新聞の読売だが、これはもう、露骨すぎると言うしかないだろう。内容も相当ひどいものだ。3面には「投票率52% 広がり欠く」「『反対』最多 影響は限定的」なる見出しが躍る。記事内では「移設容認派」の自民党県連幹部の「反対多数は想定の範囲内だ。盛り上がりに欠け、県民の総意とは呼べない」なるコメントを掲載するなど、モロに政権側のプロパガンダを垂れ流した。

産経は社説で県民投票は「民主主義を履き違えたもの」と負け惜しみ

 さらに驚くのはこの前のページ、2面の「沖縄米軍基地『役立つ』59%」なる見出しの記事だ。一瞬、なんの話をしているのかわからないと思うが、実はコレ、読売が今月22〜24日に実施した全国調査の数字だという。しかも、この読売全国調査でも辺野古埋め立て工事を進める政府の方針に「反対が47%で、「賛成」(36%)を10ポイント以上も上回っている。にもかかわらず、〈沖縄のアメリカ軍基地は、日本の安全保障に役立っていると思いますか〉との設問に「役立っている」の回答が59%(「そうは思わない」30%、「答えない」11%)だったほうを大見出しに掲げるそのセンス……。

 ようするに読売は、沖縄の県民投票で7割以上が「反対」したところに、わざわざ自社の全国世論調査の「(米軍基地は)役立っている」の数字を強調して持ってきているのである。言い換えれば、「沖縄県民はつべこべ言わずに我慢しろ」と書きなぐっているに等しいだろう。ちなみに、読売は社説で沖縄県民投票に一切触れなかった。どこまで公権力の犬であれば気がすむのか。絶句するしかない。

 いや、社説といえば、産経新聞の「主張」も相当イカれている。なにせ、他紙が「沖縄県民投票 結果に真摯に向きあえ」(朝日)、「『辺野古』反対が多数 もはや埋め立てはやめよ」(毎日)と、示された有権者の意識から論じたのに対し、産経は、実に「国は移設を粘り強く説け」だった。

 産経が重ねる言葉は〈投票結果は極めて残念である〉〈移設推進を堅持しなければならない〉。読者たる市民の側ではなく、あくまで安倍政権側に立っていることをこれでもかと物語っているが、挙句、こんなことまで恥ずかしげもなく述べている。

〈投票結果について、いろいろな分析が行われるだろうが、今回の県民投票はその内容にかかわらず、民主主義を履き違えたものであるというほかない〉

 何をかいわんや。どうも記憶力が悪いようなので、本サイトが親切に振り返っておいてあげるが、2016年の宜野湾市長選で自民公明が推薦した佐喜真淳氏が再選した翌日、産経の社説「主張」はどうだったか。ちなみに、佐喜真陣営はこの選挙で「辺野古移設の是非」について徹底して意見しないことで争点を隠す作戦にでていたのだが、ともあれ産経はこんな勝どきをあげていたのである。

〈米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市長選で、与党が支援する現職の佐喜真淳氏が再選を果たした。佐喜真氏が普天間の危険性除去を主張し、名護市辺野古への移設を否定しなかったのに対し、対立候補は移設に反対していた。危険性除去には、辺野古移設がより現実的だという判断が示された結果といえよう〉

 ようは、産経の頭のなかでは「安倍政権の意向にそう投票結果だけが民主主義」なのだろう。本当に、どうかしているとしか思えない。

 いずれにしても、“本土メディア”の体たらく、矮小化報道が眼に余る。以前から沖縄の基地問題については、全国紙や全国放送は明らかに軽視する傾向があったが、今回の県民投票では“唯一の争点である新基地建設の是非”に明確なNOがあらわれた。安倍政権と同様、これまで無視してきた沖縄の声に、これ以上耳をふさぐことは決して許されない。沖縄報道はよりいっそう“メディアはいったい誰のほうを向いているのか”を測る指針となるだろう。

最終更新:2019.02.25 11:59

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

本土メディアの沖縄県民投票無視がヒドい! 読売は1面トップから外し「広がり欠く」「影響は限定的」と無理やり矮小化のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。偏向報道安倍政権沖縄県民投票編集部辺野古の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 マンガ『スシローと不愉快な仲間たち』第1話
2 香港市民はデモの力示したが、日本は…
3 安倍政権が関東大震災・朝鮮人虐殺を
4 くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
5 F35捜索打ち切りと大量購入続行でNHKが「背景に政治性」と報道
6 田崎史郎「65歳から年金もらってます」
7 安倍イラン訪問でNHK岩田明子記者がまた安倍フェイクPR
8 秋篠宮家の料理番がブラック告発
9 『朝生』で百田尚樹が徹底論破され大恥
10 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
11 長谷川豊が部落差別発言「謝罪文は馬場幹事長が作った」
12 葵つかさが「松潤とは終わった」と
13 『クロ現』降板の国谷裕子が圧力を語る
14 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
15 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
16 維新応援団・野村弁護士が懲戒、橋下徹にも請求が
17 竹田恒泰が慰安婦像に「鼻クソの刑」ツイートの愚行
18 防衛省イージス・アショア失態 、玉川徹が原因を喝破!
19 産経新聞コラムが「引きこもりは自衛隊に入隊させて鍛え直せ」
20 読売が出会い系通い記事批判に失笑反論
1 国民健康保険料が大幅値上げ、年間10万円増額も
2 安倍首相と省庁幹部の面談記録ゼロ!安倍政権“公文書破壊”の実態
3 石野卓球がワイドショーに勝利した理由
4 忖度道路めぐり安倍の直接指示の新事実が
5 安倍首相が「桜を見る会」に『虎ノ門ニュース』一行を堂々招待
6 安倍が“忖度道路”の要望書を提出、山陰自動車道でも利益誘導
7 上野千鶴子「東大祝辞」へのワイドショーコメントが酷い!
8 塚田「忖度」発言は事実! 麻生利益誘導の疑惑
9 イチローに国民栄誉賞を断られ安倍政権が赤っ恥
10 野党議員をデマ攻撃「政治知新」の兄・自民党県議を直撃!
11 NHKで国谷裕子を降板に追い込んだ人物が専務理事に復帰
12 維新勝利で橋下徹が「反対した年配の人が死んじゃった」
13 中村文則が安倍政権批判に踏み込む理由
14 『あさイチ』の「中高生に韓国が人気」企画炎上の異常
15 安倍首相「桜を見る会」招待状が8万円で売買との報道!
16 菅官房長官「令和おじさん」人気の正体!
17 ゴーン逮捕“国策捜査説”を裏付ける経産省メール
18 「あつまれ!げんしりょくむら」以外も…原子力ムラの醜悪SNS戦略
19 衆院補選で安倍自民党が大惨敗の予想が!
20 ピエール瀧出演の『麻雀放浪記2020』に“安倍政権への皮肉”

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄