沖縄県知事選で自民・佐喜真応援団が組織的なデマ攻撃! 選挙公約「携帯料金4割削減」もデタラメ!

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沖縄県公式ホームページより

 終盤戦に入った沖縄知事選(9月30日開票)。翁長雄志前知事の意思を継ぎ、辺野古新基地建設について「絶対に造らせない」と強い意思をみせている玉城デニー氏がリード、自民・公明などが推薦する佐喜真淳氏が続く構図だが、自公は菅義偉官房長官や小泉進次郎筆頭副幹事長などを投入、創価学会をフル動員するなどして猛烈な追い上げをみせていると言われる。予断は許さない。

 そんななか、沖縄での選挙戦以上に苛烈を極めているのが、ネット上のデマ攻撃、とくに玉城氏に対するネトウヨの攻撃だ。

 琉球新報がツイートやリツイートの一部(約20万件)を確認したところによれば、9月9日から告示日前日13日の間に一般の人々が投稿したツイートの大半が玉城氏へ攻撃や批判的な意見だったという。すでに玉城氏は10日の段階で、ネットを中心とする事実誤認のデマに対して名誉毀損で刑事告訴の手続きに入ったというが、琉球新報によればその翌日の11日から佐喜真氏の投稿のリツイートが増えたという。

 こうしたデマ攻撃が佐喜真支持者らによる玉城氏に対するネガティブキャンペーンであることは疑いないが、安倍応援団のネトウヨ文化人や与党の国会議員までもがその拡散に関与していた。たとえば経済評論家の上念司氏は、告示日以降、政治系のブログ記事などをリツイートしながら、こんな投稿を何度も繰り返している。

〈隠し子、政治資金問題に続きこれ?どれがデマなのか玉城さんに聞いてみよう!→【沖縄県知事選】玉城デニー候補が過去に大麻疑惑?〉
〈玉城さん大丈夫なの??あなたを応援している立憲民主党は疑われた人が潔白を証明しろって言ってますよ。応援してもらうなら隠し子、政治資金、大麻、、、ちゃんと疑惑を晴らしたほうがいいんじゃない?〉
〈玉城デニー氏は隠し子、政治資金、大麻、小沢別荘利殖疑惑について自ら潔白を証明すべきです。疑われた方が潔白証明せよって言うのが立憲民主党のロジックだろ?応援してもらってんだからそれに従った方がいいよ。今日も疑惑が深まっちゃっう!?〉(原文ママ)

 念のため言っておくが、上念氏が叫んでいる「隠し子」というのは、「週刊文春」(文藝春秋)9月13日号が掲載した「沖縄知事選与野党候補「隠し子疑惑」を連続直撃」という記事が元ネタだと思われるが、本サイトでも紹介したように、佐喜真氏は自身のフランス留学時代の隠し子を認めた一方で、玉城氏側は不倫疑惑なるものをはっきりと否定し、噂にのぼったという女性も「週刊文春」の直撃に対して一蹴している。普通ならボツになるレベルの、明らかに為にする記事だ。

「大麻」などと言っているのも同じだ。こちらは先週発売の「週刊新潮」(新潮社)9月27日号がトップ特集のなかで少し触れたものだが、なぜかネットでは針小棒大に語られている。

 一応確認しておくが、「週刊新潮」が報じたのは、9月頭に〈「デニーは昔、大麻を吸っていた」という黒い噂が広がり始めた〉と記された出所不明の怪文書が撒かれたという事実。そこで「週刊新潮」は、怪文書に記されていた情報を元に取材するのだが、怪文書に実名があった玉城氏が以前勤めていたとされる会社の関係者や社長は「従業員が大麻で逮捕されたことはあったけど、デニーは関係ない」「あの話は全くの嘘」と明言したという。結局、「週刊新潮」も「デニーは大麻を吸っていた」なる話の裏が取れなかったらしく〈単に玉城候補を貶めるために、佐喜眞シンパが出した悪質なデマ情報だろう〉と結論づけている。

 ようするに、これらはデニー氏が否定しているだけでなく、「週刊文春」や「週刊新潮」が取材してはみたものの、まったく根拠がなかった怪情報なのだ。にもかかわらず、上念氏やネトウヨたちは、まるで玉城氏には「隠し子」がいて「大麻を吸っていた」という偽情報をさも真実であるかのように拡散している。繰り返すが、記事を読めば誰でも偽情報であることがわかるはず。確信犯としか思えない。

佐喜真氏応援の公明党・遠山清彦議員がデマ動画拡散、デマツイートも

 また、「小沢一郎の別荘」に関するデマもTwitter上でかなり流通している。これは、9月7日にYouTubeに投稿されたある動画が元ネタ。映像では〈玉城デニー氏と超豪華別荘の関係は?〉なるテロップのもと、自由党の小沢一郎代表が宜野座村にもっている別荘が映し出されており、〈この別荘の建設工事 地元業者がみな嫌がったのを無理やり説得したのが玉城デニー氏だったという〉などと説明されている。これに対し玉城氏はTwitterで〈バカバカし過ぎて相手にしていませんでしたが完全なデマ!です〉と全面否定したのだが、この動画は公明党の遠山清彦衆院議員がツイートするなどして拡散。さも事実かのようにデマが一人歩きしている状態だ。

 しかも遠山議員は、玉城氏が14日にFacebookで〈「県や市町村の自由裁量度が高い予算=一括交付金(通称)の創設」を、政府与党(当時民主党)に玉城が直談判して実現にこぎつけた〉と投稿したことに対しても、〈玉城デニー氏の誇大宣伝がわかりました。彼は、一括交付金制度の中身を決めた平成24年3月13日から19日に4回開催された与野党PT交渉委員会議にいませんでした〉〈デニーさん、ゆくさー(嘘)です〉(15日Twitter)などと攻撃。自公の議員が民主党政権に飲ませて、一括交付金制度をつくったなどと主張した。

 しかし、実際には一括交付金は2011年12月24日に野田内閣が閣議決定して創設したもの。つまり、遠山議員が何やら言っている「平成24年3月13日から19日に4回開催された与野党PT交渉委員会議」のときにはすでに創設されていたのだ。しかも19日には、民主党政権で一括交付金を担当する総理補佐官を務めた立憲民主党・逢坂誠二衆議院議員が〈沖縄一括交付金は沖縄のみなさんから強い要望があった。副知事さんは何度も私のもとに。玉城デニーさんからも繰り返し要望を受けた。逆に自民、公明の皆さんは一括交付金に批判的だった〉と投稿。その、翌20日には沖縄関連法案に関する与野党PTに玉城氏が参加していたことを文書付きでツイートするなど、遠山議員の言っていることがデタラメであることが白日の下に晒されたわけである。

 もっとも、こうしたデマを使ったネガキャンはこれまでも行われてきた。しかし、それにしても今回は一種の社会現象と言えるほど異常。しかも、そのほとんどが玉城氏を攻撃する内容なのだから、佐喜真氏を応援する陣営が組織的に仕組んだものとみられても仕方がない。

「怪文書の類は選挙の常ですが、今回はデマの広がり方も含めて例がない。この間、沖縄でも永田町でもデニー氏に関する怪文書や怪情報が大量に出回っているのですが、明らかに根拠不明で眉唾物ばかり。文春や新潮もそういうネタが危ないとわかっていながら一応取材してみたはいいけど、やっぱり裏が取れず、逆に出てくるのは否定の証拠ばかりといった状況なんでしょう。こうしたデマが『疑惑』などといって取り上げられることで、ネットで一部だけが切り取られ、さも事実かのように流布されているわけですが、その規模からいっても、SNSを使った組織的なネガキャン運動が行われているんじゃないかと疑っている記者は少なくないです」(全国紙社会部記者)

 たしかに、自民党がJ-NSC(自民党ネットサポーターズクラブ)と謳ってネトウヨを組織化していることは有名だが、今回の沖縄知事選にあたっては従来よりもネガキャンが大掛かりだ。たとえば9月11日には「BuzzFeedNews」が沖縄知事選で玉城氏を攻撃する選挙公式サイト風のウェブサイトが設立されていたことを報じ、それらサイトの管理者住所などを調べたところ実態がなかったことを暴いている。背景は不明だが、玉城氏を落選させる目的で、デマを拡散する組織的な動きがある可能性は否めない。

ディズニー誘致は? 菅官房長官と佐喜真氏がいう「携帯電話料金4割削減」の罠

 だが、沖縄を巡って一番大きなウソをぶち上げてきたのは、ほかならぬ官邸かもしれない。佐喜真氏は、辺野古新基地建設の是非という最大の争点を隠しながら、選挙公約で携帯電話使用料の4割削減を掲げている。これは、菅義偉官房長官がゴリ押ししている明らかな人気取り政策だが、実は、3年前にもこれとよく似た構図があった。

 2015年12月、当時、宜野湾市長だった佐喜真氏は官邸の菅官房長官のもとを訪れ、「普天間基地の跡地にディズニーリゾートの施設を」なる要望を伝えた。菅官房長官は「政府として全力で誘致実現できるようにと誓いたい」と言って、前向きな姿勢を示したという。約1カ月後の宜野湾市長選では「ディズニーリゾート誘致」を公約に掲げて佐喜真氏が勝利したわけだが、しかし、あれから3年が経とうとしているなか、この話は、たち消えになったのかどうかもわからないほど音沙汰がない。

 実際、今回の知事選に向けた佐喜真氏の公式サイトのどこをみても「ディズニー」のデの字もなく、ディズニーリゾート誘致は絵に描いた餅どころか、有権者を“釣る”ための餌だったことがはっきりした。そう考えてみると、今回、佐喜真氏はまたぞろ菅官房長官と一緒になって「携帯料金4割削減」なる公約をぶちあげているが、これも同じようなことになるのではないか。

 だいたい、なぜ沖縄県知事が「携帯電話料金4割削減」を実現できると嘯くのか。事実、琉球新報の取材に対して総務省は「国の法で料金をこれにしようと言える権力はどこにもない」と回答しており、県知事にも国にも権限はないと説明。政府関係者も「(引き下げを求められても)事業者側がそれに従う法律などはない」と答えている。また、仮に全国的に値下げの余地があるならば、それは総務省や携帯キャリアを中心に調整されるもので、全国的な話題であって沖縄県の話ではない。逆に沖縄だけ携帯電話料金の大幅値下げを行おうというのであれば、なおさら意味がわからない。結局のところ、佐喜真氏と官邸が仕込んだあまりに露骨な“アメ”としか言いようがないだろう。

 昨日おこなわれた菅義官房長官の定例記者会見では、この携帯電話料金4割削減の選挙公約について、東京新聞の望月衣塑子記者が「これは県知事が決められるものではありませんが、もともと菅長官は知事選の結果に関係なく、全国で4割削減すべきというお考えなのでしょうか」と質問。すると、菅官房長官は「あなたのご要望にここはお応えする場ではありません」と回答を拒否。ようするに、選挙公約が「実現可能」だとは言えなかったのだ。

 いずれにしても、近年の選挙では稀に見るほどのデマと謀略の嵐となっている沖縄知事選。悪質なデマに踊らされてはならないのはもちろんだが、忘れてはならないのは、この選挙が沖縄の基地負担の将来を決めるだけでなく、沖縄が安倍政権に隷属させられるのかどうかを大きく左右する分水嶺になるということだ。有権者は、政治的思惑で飛び交うネガティブ情報よりも、候補者の政策の“本質”にこそ目を向けるべきなのは間違いない。

最終更新:2018.09.26 07:04

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