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これが一国の総理の言動か? 安倍首相がFacebookで朝日新聞を「哀れ」「惨め」と攻撃するコメント

自民党公式HPより
またも安倍首相が唖然とするような行動を起こした。森友問題に絡んで、朝日新聞をバッシングするコメントをおこなっていたというのだ。
事の発端は、極右政党である次世代の党(現・日本のこころ)を離党して昨年9月に自民党へ入党するや広報副本部長に就任した和田政宗議員のFacebookの記事だ。
和田議員は昨年から籠池泰典前理事長が財務省に提出した設置趣意書に「安倍晋三記念小学校」と記したと朝日新聞の取材に証言していたものの、財務省が開示した趣意書は「開成小学校」となっていたことを鬼の首を取ったかのように取り上げつづけ、安倍首相も国会で同様の答弁を展開。「朝日新聞は籠池容疑者が言ったことを鵜呑みにした」「ファクトが根本から違っている」「朝日新聞の報道は真っ赤な嘘」などとがなり立ててきた。
そして、こうした安倍首相の答弁に対し、6日付の朝日新聞は報道の経緯を伝えたのだが、これに和田議員が噛みつき、こう投稿した。
〈謝れない朝日新聞。
本日の7面。
ついに、朝日新聞はやるべき取材をしていなかったことを暗に認めた。だが謝罪はない〉
すると、この和田議員の記事に、なんと安倍首相が以下のようなコメントを付けていたのだ。
〈哀れですね。朝日らしい惨めな言い訳。予想通りでした〉
一国の首相ともあろう人物が、SNSでいちメディアを叩く……。まったく惨めなのはどっちだ、という話だ。自分の妻が関与しているという証拠が次々に出てきている疑惑について、「妻は私人」だの「妻は別人格」だのと昭恵夫人の国会招致を拒み、会計検査院による「根拠不十分」「不適切」という指摘に対する責任も取ろうともしていない。なのに、重箱の隅をつついて朝日のこの報道をもち出しては“誤報”と喧伝し、加計学園問題について追及を受けている最中にもこの問題を口にするようになっていた。そして、ついには「哀れ」「惨めな言い訳」などとわざわざSNS上でコメントまで寄せてみせるようになったのだ。
朝日に対する攻撃こそ「フェイク」だ! 安倍晋三記念小学校計画は事実
だが、この朝日攻撃こそがフェイク、明らかな詐術だ。本サイトでは何度も言及してきたが、財務省が開示した設置趣意書にはたしかに「開成小学校」と書かれているものの、設置趣意書は複数あるのではないかと見られている。実際、この趣意書の情報公開請求をおこなっていた上脇博之・神戸学院大学教授もツイッターで〈開示された文書は全部不開示に近かった文書と比べると微妙に異なっていました〉〈小学校設置趣意書は複数あるようなので再度情報公開請求しておきました〉と述べている。ようするに、「安倍晋三記念小学校」と書かれた設置趣意書が存在する可能性はまだあるのだ。
いや、もし「安倍晋三記念小学校」と書かれた設置趣旨書がなかったとしても、だから何だと言うのだ。事実、昭恵夫人は2015年9月におこなわれた塚本幼稚園での講演会のなかで、安倍首相が自分の名前を冠した小学校がつくられることにまんざらでもない様子だったことが明らかにしている。
つまり、安倍首相がどれだけ“朝日はフェイクニュースだ!”と攻撃したところで、安倍首相の疑惑が晴れるわけではまったくない。国民が「森友が贔屓された理由」として考えているのは、小学校名などではなく、名誉校長に就いていた昭恵夫人と籠池夫妻の深すぎる関係を示す数々の証拠があるからだ。
しかし、これこそが安倍首相の姑息さだ。疑惑を指摘する報道の些細な一部分だけをとらえて「フェイクだ」「デマだ」と全否定することで不正そのものをなかったことにしてしまおうとする──それは加計学園でも同様だ。
たとえば安倍首相は、衆院選の党首討論において、加戸守行・前愛媛県知事と八田達夫・国家戦略特区ワーキンググループ座長の証言を朝日新聞が「(加戸氏が)証言された次の日にまったくしておられない」「(八田発言を)ほとんどしておられない」と猛攻撃。「ぜひ国民のみなさんは新聞をよくファクトチェックしていただきたい」などと呼びかけた。だが、実際は、朝日は八田氏の発言を10回以上も取り上げ、加戸氏の証言も閉会中審査翌日の7月11日と25日付の朝刊で取り上げていた。
ところが、このような「ファクト」を突きつけられても、安倍首相は知らん顔。そして今度は森友で朝日バッシングに勤しんでいるのである。
安倍首相の手口は子飼い評論家・小川榮太郎の手口とまったく同じ
しかも、この安倍首相の言動は、あきらかに「森友・加計は朝日の捏造だ」という陰謀論を書き連ねた小川榮太郎氏を“バックアップ”するものだ。
朝日新聞社は小川氏に対して訂正を求める申入書を送ったが、小川氏はまともな回答をおこなわず、朝日は提訴に踏み切った。本サイトは日頃から、政治家や公党、大企業などがメディアや言論機関に対して名誉毀損等の訴訟を起こすことを強く批判してきたし、言論機関が自らへの批判を訴訟で恫喝することはそれこそ「報道の自由の自殺行為」に等しいと考えている。だが、今回は別だ。ここで徹底して闘い、「朝日のでっち上げ」などというのはたんなる妄言、陰謀論でしかないことをはっきりさせなければ、安倍応援団の目的である“森友・加計疑惑潰し”を看過してしまうことになるからだ。
だが、こうした小川氏の陰謀論を、安倍首相はわざわざFacebookで展開することで掩護射撃。実際、この安倍首相の〈哀れですね。朝日らしい惨めな言い訳。予想通りでした〉というコメントを投稿していた一件を取り上げた産経メディアのzakzakは、〈(安倍首相は)怒りを通り越して、あきれているようだった〉と書いて記事を締めている。まるで朝日の記事は誤報であり、謝罪するのが当然かのような論調ではないか。
こうした知性や品性のカケラもないネトウヨそのもののやり口で、疑惑を葬ろうとする──これがいま、日本の総理大臣が力を入れていることなのである。もう、地獄としか言いようがないだろう。
(編集部)
最終更新:2018.02.11 12:13
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