法務省・福島刑務所で女性刑務官に上司がセクハラ!「受刑者がお前の裸を想像してオナニーしている」

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法務省公式サイトより


 法の番人としての裁判所を擁する法務省。法律に基づく法務行政の中核であり、法秩序を維持し国民の人権を守る。そんな役割を担うはずの法務省を舞台に、女性職員の人権を無視したセクハラ事件が起こった。しかも女性がセクハラを訴えたにも関わらず、法務省はそれを無視し認定しようとさえしない“セカンドセクハラ”まで行っていたという。

 セクハラを告発したのは、国立大学を卒業し、1988年に入省、数々の女性初のポストを歴任してきたというA子さん(51)だ。A子さんは上司からのセクハラ被害を「サンデー毎日」(毎日新聞出版)3月27日号で赤裸々に明かしている。

「法務省が封印したセクハラ騒動一部始終」

 こう題された記事によると、A子さんは刑務所や少年院、本省、そして女性初の大臣官房人事課の「任用第一課長」に抜擢されるなど、ノンキャリアながら着実にキャリアを積んできた女性だ。

 こんなA子さんがセクハラに遭ったのは10年9月、福島刑務所に首席矯正処遇官として着任した時のことだったという。セクハラをしたのは上司であるB部長だった。

 福島に着任したA子さんは職場へ挨拶した後、引っ越しの予定でいた。すると、B部長が官舎について来るという。

「ほぼ初対面の上司をストレートに拒否することはできず、『車の中に引っ越し荷物がいっぱいある』と遠回しに断りましたが。私の車の助手席に乗り込んできました。官舎に着くと、運送会社が荷物を降ろしているあたりをうろうろして。女性として見られたくない荷物もあり、非常識さを感じました」

 非常識な上司はその後もセクハラ行為を続けた。

〈男性受刑者の刑務所という職場環境のためか、「(男性)受刑者があなたを見て裸の姿を妄想し、マスターベーションしている」「A子さんを見ながら工場の後ろの方でマスターベーションしている奴も居るかも知れない」などの発言をB部長は繰り返したという〉

 こうした発言にA子さんは抗議するも、B部長は「受刑者だけでなく、職員も皆、A子さんを見ている」と答えるなど、さらに発言をエスカレート。10月に入ると、今度は、直接的なわいせつ行為まで行い始めたという。

「B部長が突然立ち止まって、頭の上から爪先まで私を眺め回すと、『うん、いい』と。それから『ちょっといいか』と後ろに回ってブラウスの後ろ襟のうなじあたりに指を突っ込んできて襟をつまんだのです。さらに胸元をのぞき込んで、『胸が見えるのはいかん』と」

 他にも、休日に自宅に書類を届けるよう指示されたり、受刑者の私本(差し入れされた本)に載っていた無修整の男性器の写真を何度も見直すよう要求したりと、数々のセクハラ行為を働いたという。

「サンデー毎日」は詳しい肩書きや名前を書いていないが、本サイトの取材では、このB部長は福島刑務所の当時の分類教育部部長のようだ。分類教育部というのは、受刑者の改善指導、教科指導及び余暇活動の計画立案、仮釈放及び仮出場の審査並びに保護を行う部署だ。その責任者である人物が、こんな卑劣な行為をしていたとは……。

 しかも、問題はここからだ。この頃からセクハラによって体調に異変を生じていたA子さんは、心療内科を受診し、10年11月末に刑務所長にセクハラ被害を訴えたという。しかし別の幹部も同席したという聞き取りは酷いものだった。

「所長から『ここ(福島刑務所)にいたくないからだろう』と言われ、別の幹部にも『部長から親切にされているのはわかっていたのか』などと怒鳴られ、私が加害者のような扱いでした」

 そのためA子さんはPTSDと診断され自宅療養となり、人事院と本省に相談を行った。ところがそこでも驚くべきことに、セクハラを認めるどころか、矯正局監査室長名でこんなメールが届いたという。

「懲戒事由に当たるような行為を認定するには至らないと判断し、調査を終了」

 結局、法務省はセクハラを認定せず、A子さんはPTSDも悪化したことで13年3月に法務省を退職。現在も通院を続けている状況だという。

 A子さんは退職前、セクハラによってPTSDになったと「公務災害」(仕事に起因した災害や疾患)を申請していた。だが、その結果が通知されたのは退職後の15年3月だった。しかもその内容は「下記の災害に対する補償を受けることができますので、通知します。傷病名 適応障害、うつ病エピソード」と記されただけで、法務省からは何の説明もないという。

 ようするに、法務省は公務災害を認めながら、最後までセクハラの事実認定を避け続けたのだ。

 しかも、法務省の対応は、「サン毎」の取材に対しても変わらなかった。記事によると、同省矯正局総務課は、「個別の公務災害事案に関することで個人のプライバシーに関わるものと思われますので回答は致しかねます」と、説明を拒否した。

「A子さんは、当時、詳細な日記をつけており、『サン毎』もそれを確認しているようです。そもそも、社会的立場やキャラクターからしてセクハラをわざわざでっちあげるなんてこともありえない。それでもこの対応というのは、組織をあげてセクハラを隠蔽しようということでしょうね」(全国紙社会部記者)

 法務省は「女性の人権ホットライン」という人権問題についての専用相談電話を設置、民間企業などに対しセクハラ啓蒙活動を行っている省庁だ。その法務省が身内のセクハラさえ調査せず、女性の人権や仕事を奪っているというのは皮肉以外の何ものでもないのだろう。

 実は、法務省というのはその閉鎖的な体質から、セクハラ事件が頻発している省庁でもある。昨年の人事院の発表によると、平成26年度に寄せられた国家公務員からのパワハラやセクハラなど職場環境の悩み相談1025件のうち、法務省がダントツの160件だった。14年7月には、静岡地検の糸山隆検事正が、酒席で泥酔し女性職員に卑猥な言動や身体を触る行為をしたことで懲戒処分を受け、辞職した例もある。

 これらの処分は、目撃者がいたため明るみに出たが、A子さんのように2人だけというケースでは法務省はきちんとした調査もせずに、女性の主張を退けて、退職に追い詰めているケースが他にも山ほどあるのではないかと言われている。

 法を、そして人権を守る省庁である法務省で、こういった不正隠しが堂々と行われているという事実。先日、本サイトでは政府や原子力ムラの意向に従い、恣意的な人事や決定を下す裁判所、法務省の実態を紹介したが、そもそも法務省自体に、国民の人権や権利を守るという発想を期待することは間違ったことなのかもしれない。
(伊勢崎馨)

最終更新:2017.11.24 09:09

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