ジャニーズゴリ押しで『24時間テレビ』抜擢のV6、メンバー同士が「つながれない」人気格差の歴史を振り返る

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“メンバー格差”が著しいとも言われるV6だがやはり……?


 放送が始まった『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)。今年のメインパーソナリティはV6とHey! Say! JUMPなのだが、Hey! Say! JUMPはともかく「なんでいまV6?」と思った読者も多かったのではないだろうか。

 V6は今年で結成20周年。実は、このメモリアルイヤーを背景にジャニーズ事務所のV6ゴリ押しが展開されているのだが、それは今回の『24時間テレビ』メインパーソナリティ起用にはじまった話ではない。

 その最もたる例が、去年の紅白歌合戦にV6が結成以来初めて出場した件である。岡田准一が大河ドラマ『軍師官兵衛』の主演を務め、井ノ原快彦は『あさイチ』キャスターとしてすっかり朝の顔として定着しているというNHK側の事情もあるが、ここにきての初出場には、どうしてもジャニーズ事務所の方針が見え隠れしてしまう。

 今回の24時間テレビメインパーソナリティ起用にしても、そのゴリ押しの一環であり、やはりぱっとしないHey! Say! JUMPとセット売りにしたのではないかという見方が有力だ。

 しかも、せっかくの大役抜擢にもかかわらず、V6というグループの内情はどうも「つなぐ」がテーマのチャリティ番組にふさわしい状態ではなさそうだ。

 というのも、次々と映画・ドラマの主演で大活躍の岡田と、キャスターとして人気を集める井ノ原に対して、他の4人はテレビでもほとんど見かけなくなるなど、グループ内の人気格差があまりに激しく、メンバー同士の関係がぎくしゃくしているという情報もあるからだ。

 そもそも、V6の“グループ内格差”“ぎくしゃくした空気”はデビュー当初からあったらしい。「SPA!」2015年8月25日号(扶桑社)がメンバーに結成20周年を振り返るインタビューを掲載しているのだが、本人たちも当時から、グループの間ではなんとなくぎこちない雰囲気が漂っていたことを認めている。

 特に顕著だったのが、最年少の岡田が14歳、最年長の坂本昌行が24歳だった年齢差による“ジェネレーションギャップ”だ。

 加えて、下積みを長年経験してきた(特に、坂本は一度ジャニーズを退所しサラリーマンになったこともある)坂本・長野博・井ノ原の“トニセン組”と、「剛健コンビ」と呼ばれジュニアですさまじい人気を集めた森田剛・三宅健に、事務所に入りたてでいきなりデビューとなった岡田による“カミセン組”の“歩んできたキャリアの差”というのも、グループの関係性に大きな影響を及ぼした。

 前述の「SPA!」では、その当時のギャップをこう振り返っている。

〈井ノ原 うちら年長組は、とにかくデビューしたかったから「わがまま言いません」みたいな感覚でした。でも、カミセンの3人は全然違う感じだったんじゃない?
 森田 俺は……正直、うざかった。
 全員 はははははは!
 森田 とくに坂本くんがそうだったんだけど、「やっとつかんだ栄光。このチャンスを逃さねぇ!」みたいな必死感がすごい嫌だったんですよ。
 三宅 15歳とかで「この世界で生きていく!」なんて決められないし。しかも、今振り返るとトニセンに申し訳なかったなぁと思うのは、今時の15歳より幼稚だったからね。俺と剛は、とくに〉

 また、トニセン組とカミセン組の“意識の違い”については、こうも語られている。

〈井ノ原 昔、TOKIOの太一くんとよく話してたのは、「どんどんしがみついていこうぜ」って。後輩のバックだろうがなんでもやる。長野くんもそうで、一緒にKinki Kidsの後ろで踊ったりしてたから。
 岡田 そのあたりの感覚も、やっぱり下の3人は違ってたかもしれない。
 井ノ原 どういうこと?
 岡田 V6という存在が大きすぎて、そこだけに収まりたくないと反発したカミセン3人っていうのが絶対いるんですよ。上の3人には申し訳ないけど、「やっとつかんだ」という感覚がどうしてもなかったから。だから、V6がちょっと重いと感じる時期もあってアイドルってちょっと達観したりとか、ちょっと勘違いしないとやれない世界でしょ?〉

 そのあたりの“華”と“アイドルとしての意識”の違いは私生活においても現れていた。

 なんとなく“オジサン”的な扱いを受けるトニセン組が地味な芸能生活を送るなか、トップアイドルとして君臨したカミセン組は、森田は上戸彩と長年浮名を流し、三宅は安室奈美恵、岡田は優香とのカーセックスや蒼井優との半同棲が報じられるなど、それぞれ第一線のアイドル・女優・歌手と噂になり華やかな生活を送ってきた。

 しかし、結成20周年を迎えるいま、前出の「SPA!」では、岡田が「今、20年やれている奇跡みたいなものを感じていて。僕は20年もこの仕事をやれているなんて思ってもいなかったし、メンバーに連れてきてもらった感覚があって。健くんなんてV6のことをすごく考えてて、携帯の待ち受けが僕らの写真ですからね」と語るなど、“グループとしての絆”を強めているらしい。

 とはいえ、この言葉をそのまま受け止めて良いのだろうか? 岡田は『永遠の0』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲るなど俳優として成功し、井ノ原は家庭的なキャラクターのキャスターとしてブレイクした一方、森田と三宅の人気は凋落、坂本・長野も以前よりさらに影が薄くなった。

「トップアイドルのカミセンとオジサン扱いのトニセン」から「成功した岡田・井ノ原、微妙な坂本・長野・森田・三宅」と、構造は変化したものの、結局、V6のメンバー内格差という問題は残り続けている。むしろ、その人気格差は広がっているといっていいだろう。

「SPA!」では「各メンバーの個別の活動には嫉妬の感情もあったのでは」というインタビュアーのツッコミに、坂本が「ないです、ないです」と必死で否定していたが、むしろ、不満をためているのはピンで十分やっていける岡田、井ノ原のほうらしい。

 ジャニーズの場合、一旦、結成したグループを脱けるというのは事務所の許可がないかぎりありえないのだが、それでも、岡田、井ノ原の2人はできるだけV6の活動から距離をおこうとしているという。

 一方、他のメンバーは逆にV6への依存度を高めており、森田は同インタビューで「もしV6に30周年があったとして、最悪自分はダメになっててもメンバーのうち誰かひとりでも活躍してくれてたらそれでいいやとか思わない?」と語っているほどだ。

 メンバー全員30代中盤以降、坂本にいたっては44歳で迎える24時間テレビは体力的にもキツかろう。その長丁場の間にメンバー間格差を物語るような微妙な空気が流れ、「つなぐ」がテーマな番組でメンバー同士が「つながっていない」ことがバレてしまう、そんなになったりしないだろうかとついつい心配してしまうのである。
(新田 樹)

最終更新:2015.08.22 11:05

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