萩原流行妻の警察批判は妄想ではない! 児童買春、覚せい剤…警察は不祥事隠しの常習犯だ

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萩原流行 official ブログ by ダイヤモンドブログより


「萩原流行の名誉の回復、着せられた汚名をすすぎたい」
 
 7月1日、故・萩原流行さんの妻・まゆ美さんが会見を行い、改めて警察への闘争を宣言した。

 今年4月22日萩原流行さんが死亡したバイク事故に関しては、警察の護送車が原因だったにもかかわらず、警察がそれを隠蔽したことが判明していたが、今回、ようやくまゆ美さんに対して非を認め、謝罪したという。

 だが、まゆ美さんは、今回、さらなる疑惑に踏み込んだ。それは警察の卑劣な情報操作だ。

 萩原さんは2013年1月、萩原さんが自動車を運転中に自転車と接触し、その後、検事による現場検証で、萩原さんの責任でないことがわかり、不起訴になっていた。ところが、14年の10月に萩原さんがバイク事故を起こすと、萩原さんが事実を否定し、証拠も不十分であるにもかかわらず、警察は今年4月になって「ひき逃げ書類送検」と発表。あわせて不起訴になっている13年の事故の情報まで流したのだという。

 まゆ美さんはこれを「警察の意趣返し」だったと指摘していたが、こうした警察の情報操作は今回、萩原さんが死亡した事故でも、行われたという。

 護送車の関与を隠蔽するために、過去の2つの事故が関連づけられて報じられたと、まゆ美さんは今回の会見で警察を批判したのだ。

「関係のない前の事故の話を持ち出し、(萩原は)事故を何度も起こす人との決めつけ、不注意な人とのイメージをつけた」

 それだけでなく萩原さんが罹っていたうつ病と事故とも関連付け、「転倒前からふらふらとした運転だった」「服用していた薬の影響!?」などとあたかも萩原サイドの過失、さらには自殺説さえ臭わせるような報道さえされていたのだ。

 いわば、警察とマスコミによって夫の名誉を汚されたとの主張だが、こうしたまゆ美さんの指摘、批判はけっして被害妄想ではない。

 事故や事件に関しては、通常、警察が記者クラブに対し発表する形で行われる。今回、「警察車両」を発表しなかったようにここで警察の都合の悪い情報を隠蔽することなど簡単なことだ。

 さらに公式発表とは別に、警察はマスコミに「レク」というかたちで様々な情報を与えるのだが、その過程で、萩原さんの過去の事故情報をリークしたのはほぼ確実だろう。当初「警察車両」の関与を隠蔽した警察だが、それが明るみに出るや、あたかも萩原さんに落ち度があったかのような情報を与え始めたと考えられる。そして、メディアはこれを受けて、一斉に過去の事故を大きく取り上げた。

 しかし、残念ながらまゆ美さんの告発をメディアがきちんと取り上げることはないだろう。マスコミ自身、今回の事故報道において警察に協力し、情報操作に喜んでのった“警察との共犯関係”にあるのは明白だからだ。

 実際、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)は、1日の会見を番組冒頭から「注目の会見が始まります」「生中継でお届けします」と煽りながら、内容が警察批判であることがわかると、短時間で打ち切り。番組の最後の方で簡単に内容をまとめるだけに終わった。

 比較的長くこの会見を報じた『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)にしても、その内容は「奥さんの思いはわかる」といった感傷的なトーンで、警察批判に正面から切り込むことはなかった。

 さらにネットでは、警察に対する批判が巻き起こるどころか、なぜか「あれはまゆ美さんの妄想だろう」なとど、警察サイドを擁護する始末だ。

 改めて指摘しておくが、今回の告発を「妄想」などというのは、警察のやり口を知らない者の妄言である。

 警察はこれまでもさまざまな手口を使って内部の不祥事を隠し、それを告発しようという動きに対してさまざまな嫌がらせをしてきた。自分たちの組織を守るためには犯罪や不正をすることもいとわない。それが警察という組織でもある。

 本サイトは、萩原さんの事故の少し後に警察の不祥事隠しの実態について詳細に報じたことがあり。以下にそれを再録するので、特にまゆ美さんに対して口汚い誹謗中傷を繰り返すネット民は、ぜひ読んでほしい。
(編集部)

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萩原流行事件だけじゃない警察の不祥事隠蔽! 児童買春、覚せい剤、DV、裏金隠しも…

 俳優・萩原流行の突然のバイク事故死が未だに波紋を呼んでいる。萩原のバイク転倒に警察の護送車両が絡んでおり、しかも当初はその事実さえ警察により隠蔽されていたからだ。事故の詳細も未だ不透明であり、残された妻・まゆ美さんは警察に対し、民事刑事で訴訟も検討中だという。しかし、自らの不都合を隠し続ける警察の体質は、何も今に始まったことではない。これまでも数多くの不祥事を隠蔽してきたのだ。

 最近でも、卑劣極まりない事件が起こっている。その一つが警視庁による現職警察官のドメスティックバイオレンスの隠蔽だ。

 これを暴いた『警視庁が身内のDV(ドメスティックバイオレンス)を隠蔽』(寺澤有/インシデンツ発行/Kindle版)によると、2014年、警察官である夫に暴力を振るわれ軟禁状態だった妻が、警察に通報したところ、 夫の上司から電話が入り「DVの訴えを取り下げろ」と脅されたという一件だ。その際、上司である警察関係者は「夫がクビになって困るのはおまえだぞ」という罵詈雑言としか思えない言葉を発したという。その後、著者である寺澤の説得で、再び警察に被害を訴えたが、事情聴取の際、夫は「夫婦げんかということになっているから」と口裏を合わせて隠蔽工作までしようとし、その後はストーカーのように妻の行動を監視し続けたのだ。もちろんその後も、この一件は事件化さえされていない。

 今や警察官の犯罪は珍しくも何ともないが、そこには必ずと言っていいほど、卑怯な「隠蔽」が絡んでいる。例えば、13年に起きた警視庁石神井署の巡査部長(当時42歳)による児童買春事件。この巡査部長は17歳の女子高校生ら2人に街中で声を掛け、3万円を渡す約束をしてホテルに行った際、警察手帳をちらつかせ、抵抗できないようにしたのだという。そしてホテルで眠り込んで女子高校生らに警察手帳を持ちだされたのだが、なんと、警視庁は最初、生徒らを窃盗容疑で逮捕してしまう。

「児童買春」を隠すため、相手が未成年であることにつけ込んだ所業としか思えない。しかも巡査部長は逮捕もされず、書類送検で済んでしまった。

 12年には静岡県警磐田署で、署員3人による犯罪容疑を署長がもみ消す事件もあった。容疑はそれぞれ「パチンコ店での盗撮」「寮で同僚のテレビを盗む」「寮費の横領」という酷いものだったが、3人は何のおとがめも受けず、依願退職しているのだ。コトがバレて署長は更迭されたものの、こうした隠蔽工作は「犯人隠秘」という立派な犯罪ではないのか。

「風紀の乱れ」とか「不届きな一部警察官の不祥事」といったレベルでは、とても済まされない。そんな「警察の犯罪」をさらに見てみよう。

 警察は、留置場内でのレイプ事件を組織ぐるみで隠蔽したこともある。事件は00年、千葉県警船橋東署で起きた。ラブホテルの一室で女性が覚せい剤を使用していたとして現行犯逮捕されるが、警察は船橋東署の巡査部長(のちに依願退職)が一緒だったことを強く口止め。そればかりか、同署の留置場で勾留中、看守係の巡査が房内に入り込んできたという。これを報じた「週刊宝石」(光文社)00年4月の記事「千葉県警が隠蔽する留置場レイプ!」によると、看守係は「刑務所へ行くと、こういうエッチなことはできないから」と言いながら女性の胸を触り、その後、レイプに及ぶ。女性が被害を訴えると、署の幹部も出てきて「口外しないという誓約書を書いて」と言ってきたのだという。

 翌01年には、ひき逃げ事件の隠蔽工作も明るみに出た。当事者は神奈川県警鶴見署の署長。横断歩道を自転車で渡っていた69歳の男性を自動車ではね、2週間のケガをさせながら、現場から逃走したのである。「神奈川県警またやった! “署長ひき逃げ事件”隠蔽工作を告発する」(「週刊現代」講談社/01年7月)によると、男性は体を引きずりながら交番へ駆け込むが、この間、逃走中の署長は「ひき逃げで緊急配備はかかっていないか」と携帯で鶴見署に確認までしていたという。本来なら徹底捜査の上、逮捕されるべき事案だが、もちろん、そんなことは起きなかった。

 こうした「警察の闇」は、テレビ・新聞といった大マスコミには、ほとんど登場しない。「盗撮、セクハラ… ケーサツ様のハレンチ不祥事隠しが大量発覚!!」(「週刊プレイボーイ」集英社/05年7月)、「京都府警九条警察署放置死事件で明るみに出た府警“捏造”報告書の仰天中身」(「週刊朝日」朝日新聞出版/06年3月)といった具合に、報じるのはいつも週刊誌である。

 読むのもしんどくなる(書くのもばかばかしくなる)ほどの警察不祥事の連続だが、最後に「3大不祥事隠し」と呼ばれる事件を記しておこう。

 代表格は、神奈川県警の「警部補覚せい剤使用の隠蔽事件」だ。1990年代後半、外事課の警部補が女性と不倫関係になった上、覚せい剤を使用していたことが県警内部で発覚した。ところが、内部通報を受けた県警は何と本部長の意向で、事件の隠蔽を決定。当の警部補には因果を含め、諭旨免職にしてしまった。

 結局は99年になって事の次第がバレてしまい、隠蔽を決めた当時の県警本部長や警務部長、生活安全部長ら、キャリア官僚を含む大幹部がゾロゾロと犯人隠避罪で有罪になってしまったのだ。県警本部長の経験者が在職時の犯罪で有罪になったのは、これが初めてだった。しかも、この事件では、ネタを掴んだあるマスコミの横浜支局が記事にしようとしたところ、東京本社の社会部がストップをかけるというオマケまでついた。

 この“大事件”の翌2000年に起きたのが、「新潟少女監禁事件」にまつわる隠し事である。新潟県三条市で少女が9年余りも男に監禁されていた事件は世間を震撼させたから、ご記憶の読者も多いだろう。その少女の発見当日、特別監察のため関東管区警察局長がたまたま新潟県警に足を運んでいた。そして本部長をはじめとする県警幹部は一行を接待し、ホテルで大宴会や賭けマージャンにふけっていた。重大事件の指揮よりも仲間内の大宴会が大事だったわけだ。そもそも監察する側とされる側が「懇親会」にうつつを抜かしていたのだから、真っ当な監察などできるはずもない。案の定、新潟県警は「大事件の発覚時に幹部不在」という事態がバレないよう、少女保護の状況などについて公式発表の場でウソ説明をした。県警本部長も管区警察局長も警察庁採用のキャリア官僚であり、キャリアを守るために組織ぐるみでウソを重ねたのである。

「3大」のトリは、組織ぐるみの隠蔽工作の極めつけ、「北海道警察の裏金問題」だ。03年、長年の組織的な裏金作りが発覚すると、道警は最初、お約束のように「事実無根」と啖呵を切った。ところが、元方面本部長の実名告発や地元紙の追及などで次第に追い詰められ、1年後に10億円近い裏金づくりを認めてしまう。逆に言うと、1年間もシラを切り通したのだ。ただし、「私的流用」という名の公金横領は一切認めず、大量の会計書類を「誤って」廃棄した。事実上、刑事罰に問われた警察官は1人もいなかった一方、幕引きを図った道警本部長はその後、警視総監にまで出世したのである。

 こうした警察の裏面史を振り返ると、「不祥事隠し」という生やさしいレベルではなく、犯罪とその隠蔽の連続だったことが分かる。超難関の国家試験をパスしたキャリア官僚から末端の警察官まで、同じ穴のムジナだ。警察庁のまとめでは、14年に懲戒処分を受けた警察官・警察職員は全国で300人にもいた。大手マスコミは「2000年以降で3番目の少なさ」などと持ち上げているが、これを「少ない」とプラス評価する態度が間違っていないか。「警察の不祥事は報道などで表沙汰になって初めて不祥事になる。闇から闇へ葬られる案件は公表数字よりはるかに多い」は、最早、国民の常識と言っていいのではないか。警察組織を守るため、そして面子のために不祥事を隠蔽する。それが日本警察の一面でもある。

「袴田事件」「足利事件」を振り返るまでもなく、警察は自分たちの都合となれば、平気で証拠をデッチ上げ、証拠を隠し、無実の者を犯罪者に仕立ててきた。まさに “犯罪のデパート”とでもいうべきだ。だからこそ、メディアによる監視やチェックが重要なのだが、記者クラブを通じて警察とベッタリの新聞・テレビはなかなか不祥事を報道せず、警察発表を垂れ流すだけ。それどころか、「貸し・借り」を作って互いに秘密を握り合う関係すら築いてきた。

 だから、警察の隠蔽体質も簡単に治らない。大マスコミも警察の腐敗体質をつくりだしている共犯者だ。
(南村 延)

最終更新:2015.07.02 12:19

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