百田尚樹『殉愛』の嘘を徹底暴露する検証本が! 当事者が続々証言、メモの筆跡鑑定も

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
hyakuta_01_141113.jpg
百田氏ももう言い逃れできない!?(「やしきたかじんメモリアルサイト」より)


「百田さん、これが本物のノンフィクションやで!」(Amazonの内容紹介より)──。昨年11月の発売直後から騒動になってきた『殉愛』(幻冬舎)の嘘を徹底的に暴く書籍が本日23日、発売された。『百田尚樹『殉愛』の真実』(宝島社)だ。

 執筆陣は、〈月刊誌『宝島』編集部を“管制塔”としたフリーランス記者、週刊誌記者、テレビ・音楽業界関係者、法曹界関係者、ネット系ニュースサイトの横断的ネットワーク〉である宝島「殉愛騒動」取材班を中心に、『ゆめいらんかね やしきたかじん伝』(小学館)の著者である角岡伸彦氏、『マングローブ ─テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』(講談社)などの著作で知られる西岡研介氏という、ともに神戸新聞記者を経て講談社ノンフィクション賞を受賞した2人のジャーナリストが名を連ねている。

 多くの出版社系マスコミやテレビが百田氏の文壇タブーに触れることを恐れ、「週刊文春」(文藝春秋)や「週刊新潮」(新潮社)、「FRIDAY」(講談社)などが百田氏の言いなりとなって偏った情報を流すなか、冒頭で紹介した言葉の通り、百田氏が“ノンフィクション”を謳う『殉愛』に対して、ノンフィクションのプロが検証に乗り出したという格好だ。

 すでにAmazonでは21日の予約段階から売り上げランキングで1位を獲得。発売前にもかかわらず、早売りで同書を手に入れた人びとによって80を超える高評価のレビューが投稿される事態に(23日0時現在)。いかに同書が注目を集めているかがわかるが、肝心の内容も、さまざまな角度から念入りに取材を行っていることがうかがえるもので、本サイトでは迫りえなかった衝撃的な記述がいくつも掲載されている。

 なかでも注目したいのは、『殉愛』のなかで百田氏によって徹底的に悪者扱いを受けなから、これまで沈黙を守っていたたかじんの元マネージャー・K氏や前妻の反論が掲載されていることだろう。

 K氏については、『ゆめいらんかね』で同氏を取材した角岡氏がその証言を記述しているのだが、そこで書かれている内容は、『殉愛』で書かれている記述とは大きくちがうものだった。

 まず、たかじんとさくら夫人が出会った経緯からして、『殉愛』の記述とK氏の話は大きく食い違う。『殉愛』では、さくら夫人がフェイスブックに犬の写真を載せていたところ、“家鋪隆仁”という見知らぬ男性から「可愛い犬ですね」というコメントが届き、やりとりをするなかでオフ会に参加しないかと誘われた──という流れになっている。ところが、K氏はふたりの出会いをこう語っていた。

「彼女(さくら氏)とは、フェイスブックで知り合って、彼女の方から、猛アタックがあったと師匠(たかじん)に聞きました。師匠が(フェイスブックで)顔写真を載せない人は承認しませんとメールを送ったら、載せたものがきた。むかし好きやった女性に似ていたので、付き合いを始めたということを教えてくれたことがあります」

 また、2012年1月末にたかじんが東京の山王病院で食道ガンだと判明したとき、『殉愛』ではたかじんとさくら夫人の電話のやりとりしか記載されていないが、実際は〈たかじんが付き合っていた東京の女性も付き添って〉いたという。そして『殉愛』では、大阪の自宅マンションに戻ったたかじんがさくら夫人を前にしてK氏に「さくらちゃんを秘書にするから、名刺を作れ」と言っているのだが、K氏の証言では、たかじんはこの席でこう話したのだという。

「これからガン撲滅を、俺とお前とこの子(さくら氏)の3人でやってもらおうと思てるねん」

『殉愛』では終始、K氏は無能でたかじんを貶めるような行動ばかりとる人物として描かれているが、この「ガン撲滅チーム」発言が事実なら、たかじんはK氏を信頼していたことがよくわかる。逆にいえば、このたかじんの発言が『殉愛』に出てこないのは、何か不都合があるからだろう。

 しかも、『殉愛』では、13年4月30日にたかじんのガンの再発をさくら夫人とK氏のふたりが医師から告げられ、「半年から、よくて来年の夏」と余命宣告を受ける場面があるが、K氏によれば〈医師から、ガンが再発したことは聞いたが、余命については言われた記憶はない〉という。しかも、たかじんの長女が医師に確認したところ、医師がさくら夫人に余命を告げたのは夏ごろだったそうで、この点も『殉愛』とは食い違う。

 他にも、K氏がたかじんから病院を探すようにいわれたのに冷たく断ったこと、たかじんのがん再発後、K氏とU氏が勝手に番組名からたかじんの看板を外すように各テレビ局担当者に通達したこと、さくら夫人にたかじんの事務所P.I.Sが所有するマンションからの退出を迫ったこと……K氏によれば、これらもまったく事実でないという。

 こうした『殉愛』の嘘を指摘するのは、たかじんの前妻の智子氏(仮名)も同様だ。

『殉愛』では、たかじんの骨上げの前に智子氏がさくら夫人に対し「見たことある? 人体模型みたいで、結構グロいよ」と耳打ちする場面が描かれているが、これを智子氏は「これまでの人生で、「グロい」という言葉を使ったことがないんです。これ、若者の言葉ですよね」と反論している。

 また、密葬後の食事のシーンでも、『殉愛』は智子氏とともに長女のH氏が〈きつい調子で〉(『殉愛』より)たかじんの死を知らせなかったさくら夫人を責め立てるシーンがあるが、「まず、Hちゃんは、こんな関西弁でワーッというような言い方はしてませんでしたね。「おばあちゃんとおじさんたちは、どこに手を合わせればいいんですか?」っていう感じで、さくらさんに聞いたんですよ」と、H氏も脚色して描かれていることを指摘。そして、「むしろさくらさんのほうが、急にキレて豹変するような感じでしたね」と印象を述べている。

 さらには、たかじんの実弟である家鋪渡氏も同書に手記を寄せている。そのなかで、たかじんと親族の関係は、百田氏が書いたような〈縁が切れているのと同じ〉という状態では決してなく、交流がつづいていたことを、家族と笑顔で写真におさまっているたかじんの姿で実証。入院する病院すら教えてもらえなかったことの悔しさを滲ませている。

 K氏や前妻の智子氏の証言、渡氏の記述は、『殉愛』が意図的に省いた“不都合な真実”をここぞとばかりに暴いているが、しかし同書の追及はこれだけに終わらない。百田氏が取材を怠った人物がぞくぞくと登場。『殉愛』がいかに事実とは違う物語であるかを語り尽くしているのだ。その最たる例が、さくら夫人の2番目の夫であるD氏へのインタビューだ。ここでD氏は、『殉愛』では描かれなかったさくら夫人の信じがたいエピソードを語っている。

 そして、同書のなかでもっとも衝撃的なのは、たかじんメモの筆跡鑑定結果を掲載していることだ。

 筆跡鑑定にかけられたのは、たかじんが桃山学院高等学校(以下、桃山学院)の温井史朗校長に宛てたとされるメモだ。桃山学院はたかじんの母校であり、学長の温井氏は同期の人物である。たかじんは遺言書に、たかじんが立ち上げたボランティア団体「OSAKAあかるクラブ」に2億円、桃山学院に1億円を寄贈することを明記。だが、すでに「週刊朝日」(朝日新聞出版)や「サンデー毎日」(毎日新聞社)が報じているように、さくら夫人と百田氏はOSAKAあかるクラブに対し、遺贈の放棄を迫ったという。

 そして今回、同書は、桃山学院への1億円の寄付についても、さくら夫人が温井校長と面談し、寄付の放棄を求めていたという関係者の証言を掲載。さらに、その面談後、さくら夫人は再び温井校長のもとを訪ね、「家鋪が生前に書いたものです」と言って件のメモを見せたのだという。その内容は以下のようなものだ。

〈知っての通り、娘たちが欲出して、さくらにありもないことを言うてくる。桃山に寄付受口になってもらい(弁護士もちょっと頼りないねん)、さくらの生活にかかってきそうなら、戻してやってほしい〉〈弁護士は決まり事しか言わんから 気持ちでやってくれ、約束は、さくらにさせる〉(メモより抜粋)

 同書の取材班はこのメモのコピーを独自のルートで入手。このメモに書かれた文字と、親族から提供を受けた信用保証委託契約などにサインされたたかじんの直筆サインや、ファンクラブ会報誌に寄せた直筆の挨拶文という〈間違いなくたかじん本人が書いたものという裏付けが取れている〉真筆を筆跡鑑定にかけている。しかも、鑑定を行ったのは「東京筆跡印鑑鑑定所」の代表・かわのかずよし氏で、全国の裁判所からも選任依頼を受けているという高い信頼性を誇る筆跡鑑定士だ。

 そのかわの氏の鑑定の結果、文字のハネやトメの違い、バランス、「自」という字の「2画の書き順が違っている」点や、数字の「0」の「書き順が逆」などという細かな違いを指摘した上で、温井メモの字はたかじんの書いた文字ではないと断言。“たかじんの文字を見たことがある、あるいはよく知っていて、そのマネをして書いたのではないか”とも推測している。

 こうした同書が明かした事実関係について、取材班は百田尚樹氏とさくら夫人には配達証明郵便で取材の申し込みを行ったが、両名の弁護士は編集部に「警告書」を送付。警告書には〈記事を掲載、配信等することがないよう〉と書かれていたという。だが、同書の取材班は訴えられることも覚悟で、今回の出版に踏み切ったようだ。

 奇しくも、同書の発売日は百田氏の誕生日でもある。この大きな“プレゼント”に対し、百田氏はTwitterでこう反論している。

〈Amazonには「これがほんまのノンフィクションやで」と派手に謳っているが、私の本を「当事者に取材せずに書いた」と非難した人たちが、同じように当事者に取材しないで、事実の検証もしないで書いている。「お前がやったようにしてやったんだ」と言うつもりかな。当事者でもないのに。〉

 同書の取材班が取材を申し込んでも百田氏が受けなかっただけの話だと思うが、こういう論理がまだ反論として通用するとでも考えているのだろうか。ともかく、このぶつけられた新事実に、百田氏とさくら夫人はどう出るのか。今後の行方に注目だ。
(田部祥太)


【リテラが追う!百田尚樹『殉愛』騒動シリーズはこちらから→(リンク)】

最終更新:2017.12.13 09:34

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

百田尚樹『殉愛』の真実

  • 楽天ブックスの詳細ページへ
  • Yahoo! ショッピングの詳細ページへ

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

百田尚樹『殉愛』の嘘を徹底暴露する検証本が! 当事者が続々証言、メモの筆跡鑑定ものページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。やしきたかじん殉愛田部祥太百田尚樹の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 「拝謁記」昭和天皇は「反省」していたか 改憲再軍備、沖縄切り捨ても
2 安倍政権・厚労政務官が外国人在留申請で口利き「100人で200万円」
3 『モーニングショー』で「暑さに耐えるのが教育」元高校野球監督は右派論客
4 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
5 玉川徹がGSOMIA破棄で加熱するテレビの嫌韓煽動を批判
6 くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
7 葵つかさが「松潤とは終わった」と
8 山本太郎が安倍の対韓国強硬姿勢を「小学生並み」と批判した理由
9 嫌韓批判で炎上も…石田純一はブレない
10 GSOMIA破棄!八代・有本ら安倍応援団は「嫌なら来るな」
11 『なつぞら』が宮崎駿・高畑勲も闘った「東映動画・労使紛争」を矮小化
12 久米宏が「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」と真っ向批判
13 自衛隊スパイ事件、官邸が解禁の理由
14 「あおり運転」警察の過剰捜査とワイドショーの異常報道
15 古市憲寿の芥川賞候補作「参考文献問題」に選考委員が猛批判
16 池上彰が朝日叩きとネトウヨを大批判
17 ウーマン村本がよしもと社長からの圧力を激白!
18 吉川晃司が「俺は現政権がでえっ嫌い」
19 秋元康の東京五輪に椎名林檎が危機感
20 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
1 安倍首相と省庁幹部の面談記録が一切作成されなくなった!
2 くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
3 金融庁報告書で厚労省年金局課長の驚愕無責任発言
4 産経新聞コラムが「引きこもりは自衛隊に入隊させて鍛え直せ」
5 安倍首相が「老後2000万円」追及に逆ギレ!
6 菅官房長官が望月衣塑子記者への“質問妨害”を復活
7 金融庁「年金下がるから資産運用」報告書で麻生太郎が開き直り!
8 F35捜索打ち切りと大量購入続行でNHKが「背景に政治性」と報道
9 金融庁炎上の裏で安倍政権が「年金」の“不都合な事実”を隠蔽!
10 防衛省イージス・アショア失態 、玉川徹が原因を喝破!
11 長谷川豊が部落差別発言「謝罪文は馬場幹事長が作った」
12 講談社「ViVi」の自民党広告は公選法違反か!
13 映画『主戦場』上映中止要求の右派論客に監督が徹底反論!
14 渡辺謙が語った『ゴジラ』出演と震災、原発、戦争
15 マンガ『スシローと不愉快な仲間たち』第1話
16 田崎史郎「65歳から年金もらってます」
17 川崎殺傷事件「不良品」発言こそ松本人志の本質だ!
18 香港市民はデモの力示したが、日本は…
19 松本人志が「不良品」発言問題で謝罪も説明もなし!
20 農水元次官子ども殺害正当化は、橋下徹、竹田恒泰、坂上忍も

カテゴリ別ランキング


人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄