絶対行けない!? モサド本部、エリア51、伊勢神宮…禁断のガイドブックが話題!

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『絶対に行けない世界の非公開区域99 ガザの地下トンネルから女王の寝室まで』(ダニエル・スミス/小野智子・片山美佳子・訳/日経ナショナルジオグラフィック社)

 絶対に見てはいけないと言われれば、逆にどうしても見たくなる……。昔話や神話にもよくあるパターンだが、いつの時代も人間は隠されたものにこそ心惹かれるようだ。コンビニ本でもタイトルに「タブー」と付ければ売れ行きが良くなる、とは出版関係者から聞いたことがある。

 最近、日本で翻訳・刊行された『絶対に行けない世界の非公開区域99 ガザの地下トンネルから女王の寝室まで』(ダニエル・スミス/小野智子・片山美佳子・訳/日経ナショナルジオグラフィック社)が売れているのも、そんな好奇心に支えられてのことだろう。その目次に目を通しただけでも、魅惑的なスポットが並んでいる。

 「ペンタゴン」「グアンタナモ湾収容所」など、場所は周知されていても絶対に取材できなさそうな軍事施設。人体の腐敗・分解研究のため遺体を野ざらしにする「法医人類学研究施設」といった驚きの研究所。毒蛇ばかりが棲む「ヘビ島」のような危険な現場などなど。さらには「HAARP研究施設」「ヒトラーの地下壕」「モサド本部」といった陰謀論好き垂涎の場所や、「エリア51」「バチカン機密文書館」「アララト山上の奇妙な物体(※ノアの方舟のこと)」などのオカルトスポットまで。

 まさにタブーというカテゴライズにふさわしい各エリアを広く紹介。「世界」と銘打ちながら英語圏である英・米・豪が半分強を占めているが、日本で認知度の低いスポットを多数知ることが出来るのも嬉しい限り。

 しかし逆に言えば、アジア圏などその地域が少しゾンザイなのは気になる。ミャンマーの首都「ネピドー」や「秦の始皇帝陵」などは観光客でも気軽に訪問できるところ。「スヴァールビル世界種子貯蔵庫」(世界的災害が起きても農作物を確保できるよう、様々な種子を保管した倉庫)も、ノルウェー離島というアクセス困難さはともかく、見学は可能なはずだ。数を揃えるためには仕方ないが、「絶対に行けない非公開区域」とは言い過ぎであるような場所が散見されるのは否めない。

 また、日本の非公開区域として扱われているのが「伊勢神宮」というのも、ちょっとコジツケ感があって残念かも。ここでは、内院など皇族専用の最奥部分を指しているようだが
「参拝者は、手水で手と口を清め、大きな門の前参拝することができるが、それ以上先には進めない」

 といった記述は明らかな誇張。特別参拝を申し込めば、一人千円程で玉垣内部に入ることが出来るからだ(筆者も参拝経験あり)。

 日本の宗教的な非公開区域なら、他に興味深い場所が幾らでもある。秘密性を重んじる日本古来の宗教観が、数々の「禁足地」を生んでいるからだ。

 例えば福岡県・玄界灘に浮かぶ「沖ノ島」。許可を得れば参拝できるが、女性は完全入島禁止だ。あるいは沖縄県・久高島の「クボー御嶽」。こちらは女性のみ参拝可能だったが、近年マナーの悪化により島民ですら立入禁止となった。

 変わりどころを挙げれば、千葉県「八幡の藪知らず」。市街地の国道沿いにある小さな空き地にも関わらず、「入ったら出てこられない」といった怪奇伝説が囁かれている。また個人的には、兵庫にある、祭事以外は立入禁止の某巨大寺院(新興宗教系)を紹介してもらいたかったが……。

 本の内容について話を戻そう。少し意地悪を言ってしまったが、本書に取り上げられたタブースポットのほとんどが強烈。よほどの運とコネと努力が無ければ、たどり着けない場所ばかりだ。

「こんなところまで実際に取材してきたのか! 凄すぎる!」

 と興奮ぎみにページをめくってみたのだが……一点、注意しなければならないことがある。

 実はこの本、筆者が現地に出向いてはいないのだ。写真も政府・報道資料から転載したものという、情報収集によるデータブックであって、ルポルタージュのつもりで買うと痛い目を見てしまう。まあ、「絶対に行けない」場所なのだから、筆者も訪れていなければ、読者も足を運べないのは仕方ないかもしれない。ルポでもガイドブックでもなく、あくまで好奇心を刺激するための本と割り切るべきだろう。それにしても「250点の写真・地図で、立ち入り禁止エリアに潜入!」という帯文は、ちょっと誤解を招きやすい表現だと思うが……。

 とはいえ、読み物&データブックとして「使える」本なのは確か。そもそも原書にしてからがペーパーバックだが、それにしてはネタ探しと情報の深堀りをキチンと行っている良書だろう。少なくとも、巷にあふれる寄せ集めバイラルメディア本(なんちゃらな絶景、とか)より遙かに優れている。

 また日本版では、「伊勢神宮」の次にあった「福島第一原発」の項が除外されての刊行となっている。原題「100 PLACES YOU WILL NEVER VISIT」が「非公開区域99」と1スポット少なくなっている理由である。事情を配慮しての措置なのだろうが、どのような扱われ方をしているか、原書でも確認しておきたいところだ。
(吉田悠軌)

最終更新:2018.10.18 04:59

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