【追及!セブン‐イレブン商法 第2弾】

マスコミタブー!?日経新聞が報道しなかったセブン‐イレブンの敗訴判決

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セブン-イレブン・ジャパン公式HP「フランチャイズ 募集」より


 10月16日付日本経済新聞には「セブン 高知進出 18年度までに120店以上」というセブン‐イレブン(以下、セブン)の記事が掲載されていた。

「セブン‐イレブン・ジャパンは高知県に2015年春にも進出する。同県でスーパーを展開するサンシャインチェーン本部(高知市)と提携してコンビニエンスストアを出店する。独自の出店も含めて18年度までに県内に120店以上の店舗網を設ける。セブンイレブンの残る空白地は青森、鳥取、沖縄の3県となる」というものだ。

 セブンには独自の出店方式がある。創業当初から変わらない「ドミナント出店(高密度多店舗)方式」というものだ。セブンの親会社であるセブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長・最高経営責任者(CEO)を務める鈴木敏文氏の著書『変わる力』(朝日新書)では、次のように紹介されている。

「規模の小さなコンビニエンスストアの生産性を高めるには、店のレイアウトなどお客様の目につくところだけでなく、発注や物流のしくみそのものも徹底的に合理的・効率的でなければ、お客様のニーズにあった『小回り』の利く商売はできません。そう考えると、点々と出店することは無駄です。今ある店舗に隣接し、ネットワーク状に店舗を広げる、つまり『点』ではなく『面』を追求した出店方法でなければならない」
「(セブン‐イレブンは、)サプライチェーン(製造した商品が、消費者に届くまでの一連の工程)の構築なしに、出店しません。(略)店頭に並べる商品の鮮度を保つために、工場から店頭まで『3時間以内』で運べるところにしか出店しません。品質を保つことは、製配販のどれひとつ欠けても、実現できないのです」

 セブンは四国には13年3月に香川に進出してから愛媛と徳島でも店舗数を増やしてきた。今回、残る高知への進出で、全県出店まであと3県となった。この記事は、他紙の追随を許さない日経のスクープとなったが、一方で、日経がこの朝刊で報じなかったセブンのニュースがある。

 セブンのフランチャイズ加盟店による見切り(値下げ)販売をセブン本社側が妨害がしていた事実を最高裁が認定したというニュースだ。たとえば、朝日新聞(16日付朝刊)が「『見切り販売妨害』確定 最高裁 セブン-イレブン敗訴」と3段見出しで扱い、「同社の担当者が『見切り販売をしたら店を続けられない』などと言われた」と認定し、価格を決定する加盟店の権利を妨げた違法性を認める高裁判決を支持したと報じている。

 消費期限の迫った商品を値引きする「見切り販売」はスーパーではよく見かけること、しかし、コンビニエンスストアでは、「価格への信頼性を損なう、同一商品で“一物二価”の不信感、同一チェーン同士の価格差による価格競争の可能性、ブランドイメージの失墜」などの理由で難しいとされている。また、商品の「廃棄ロス」分は売上原価に加算せず、その分のロイヤリティも加盟店側が支払うという、コンビニ独自の「ロスチャージ会計」システムがあり、セブン本社側にとっては加盟店に「見切り販売」されるよりも「廃棄ロス」が出るほうがロイヤリティが多くなる。

 一方で、「見切り販売」では売上原価に加算されてしまい、粗利に一定のチャージをかけた本部に払うロイヤリティは少なくなってしまう。つまり、本部に流れ込むカネの事情から、「見切り販売」は否定すべきものなのだ。

 2000年代、本部の「ドミナント出店」の影響などによる売上の減少から、一部加盟店は「見切り販売」に乗り出したが、セブン側はこれを「見切り販売をしたら店は続けられない」などと発言し、妨害。この妨害に関しては、09年、公正取引委員会はセブンが立場の差を利用して、加盟店の見切り販売を制限したと認定し、独占禁止法違反の排除措置命令を出している。セブン側もこれを認め謝罪している。

 この経緯から、一部加盟店はセブン本部の違法性に対して総額1億4000万円の損害賠償を求め提訴した。高裁は13年8月、同社従業員が原告らに対し、「見切り販売をしたら加盟店契約を更新できないことを示唆した」などと指摘し、妨害行為を認め、総額1140万円の賠償金の支払いを命じた。今年10月14日には最高裁第3小法廷が賠償を命じた東京高裁判決に対するセブンの上告を退ける決定をした。賠償額は減額されたものの、最高裁で加盟店側の主張が認められることになった。セブンの裁判では初めてのことだ。

 これで、見切り販売は加盟店側が堂々と行えるかといえば、それも難しそうだ。実は、9月25日には最高裁で、別の福島県の元加盟店オーナーが訴えた「見切り販売」訴訟は上告棄却され原告側が敗訴になったばかり。事案ごとに本部社員や加盟店側の対応によって、妨害行為と認定されるかどうかが変わってくるのだ。

 また、「本部にたてつく加盟店の近隣には、“ドミナント出店”と称して、もう一店新規出店させて、売上を減少させる」(ジャーナリスト)などのセブン側の対応もあり、見切り販売を行うことが事実上難しくなっていることが現実だ。

「あいててよかった」というCMのフレーズに代表されるセブンの便利さだが、フランチャイズ加盟店の犠牲に成り立っているというわけだ。

 なお、日経が、「値下げ『妨害』でセブン敗訴確定 最高裁、上告退ける」という小さな記事を掲載したのは、その日の夕刊だった。朝刊でも朝日が「『見切り販売妨害』確定 最高裁 セブン-イレブン敗訴」と3段見出しで扱った他は、読売、毎日で囲み記事と小さい扱いだった。各新聞社はセブンにとって524億円という莫大な広告宣伝費(2014年2月期 決算補足資料)を投入してくれる大スポンサー様なうえに、店頭売りで販売経路も握られている。配慮が働いたのは明らかだろう。
(小石川シンイチ)

【追及!セブン‐イレブン商法シリーズはこちらから→(リンク)】

最終更新:2015.01.19 04:49

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