小学2年のときに父親から…元タカラジェンヌが告白した性的虐待

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『なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白』(講談社)

 暴力、育児放棄、ネグレクト──。子どもに対する虐待事件が毎日のように報道されている。そんな中でもなかなか表沙汰になる事がないのが“性的虐待”だ。親から性的虐待を受けた子どもは、その事実を周囲に打ち明けることが出来ず、大人になっても心に傷を持ったまま苦しみ続けているケースが多い。

 だが、果敢にもそれを告白した女性がいる。かつては宝塚歌劇団に所属していたこともある東小雪だ。小雪は2013年、東京ディズニーリゾートで初の同性カップルによる結婚式を挙げて話題になった女性だが、最近、自叙伝『なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白』(講談社)を出版。そこで実父に性的暴行を受けた過去を告白したのだ。

 1985年、金沢市で生まれた小雪は両親が大好きな普通の女の子だった。ナレーション事務所を経営する両親の元、3歳から子役の仕事をしたり、バレエやピアノなどの様々なお稽古ごとに通う恵まれた環境で育った。そう彼女自身も思っていた。しかし──。

 小雪は成長するにつれ、精神的に不安定となり、そのことで人生が大きく変ってしまう。小学校時代から原因不明の痙攣発作、難聴、視野狭窄、拒食症などの症状が出始め、小学2年生からは不登校となる。その後、健康を取り戻し憧れの宝塚歌劇団に入団するが、1年ほどで退団。その原因もプレッシャーや周囲の人間関係による精神状態の悪化だった。

 その後も自傷行為やオーバードーズを繰り返していたが、そんな時に出会ったのがヒプノセラピスト(催眠療法士)の岩本令子氏だった。彼女のカウンセリングを受け、小雪は封印されていた記憶を次第に蘇えらせていく。それが実父による性的虐待だった。

「お風呂場で、父に何をされているのか、わからなかった(中略)大好きな父が『たいせつなところも洗おうね』と言いながら、身体を洗ってくれる。(中略)
浴槽のなかで向かい合うようにして、軽々と私を抱える父。父のものとしか思えない屹立した成人男性のペニス。風呂上がりの濡れた髪のまま、居間のすみで膝を抱えて震える私」

 こうした虐待は幼少期から始まり、そして小学2年生のときには、セックスにまでエスカレートしたという。

「私の性被害が深刻化したのは、小学二年生のころだった。後にカウンセリングによってわかったことだが、そのころに『挿入』を伴う行為があり、そのことにショックを受けた私は、一年生のときまで、なんとか行けていた学校に、二年生になるととつぜん、行けなくなったのだ」

 こうした父親による性的虐待は、小雪が初潮を迎える中学2年まで繰り返されたが、近くにいたはずの実母はまったく助けてくれることはなかったという。 幼稚園のころ我慢できなくなった小雪は母に話しかけたことがあったという。

「『お父さんが私のお尻に恥ずかしいことをするから、やめてって言ってほしい』
 だが、母はまっすぐ鏡台に向かったまま、私の訴えに振り向きもしない。私は身じろぎもせず鏡をのぞき込むのだが、母は視線を合わせようとしなかった。
 それは『反応しないという反応』だった。私は自分がとてもいけないこと、取り返しのつかないことを口にしてしまったと感じた」

 漫画家の内田春菊が義父から性的虐待を受け、それを告白したことは有名だが、実の父親からという小雪の告白はさらに衝撃的だ。

 しかも、小雪の父親は決して人格破綻者ではなく、経済的にも成功し、周囲からの人望も厚い人物だった。

「父はナレーション事務所を経営するかたわら、地元金沢の演劇活動の中心人物として活躍していた。(中略)父の奮闘ぶりは、たびたび地元紙にも取り上げられていたし、幼かった私は『東さん、東さん』と、みんなから頼りにされる父の姿を見て育った」 

 家庭でもそれは同様だった。家族はみんな仲がよく、父親は一人娘である小雪をかわいがり、こまめに世話をしてくれた。そんな一見、家庭的で理想的と思える男性が実娘を性的に虐待していたというのだ。

 小雪のケースは、催眠療法でよみがえった記憶であるためやや曖昧な部分があるが、児童虐待の中でも、性的虐待はとりわけ外からは見えづらい。こういう表向き円満にみえる家庭で、父親による性的虐待が行われているケースは潜在的にかなりあるのではないか、と見られている。
 
 小雪は現在、同性愛者というセクシュアリティをカミングアウトし、“結婚”したパートナーの女性と幸せな人生を歩んでいる。彼女の告白によって、児童への性的虐待への注目が集まり、少しでも救われる子どもたちがいれば幸いなのだが……。                       
(伊勢崎馨)

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