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安倍首相が豪雨災害66時間放置をなかったことに!和田政宗は朝日のただの被災地支援検証を「政権攻撃」と封殺
西村康稔官房副長官がツイートした「酒飲んで、ワァーっというだけです」宴会
ここまで醜態は晒せるものなのか──。西日本豪雨の初動対応の遅れに批判が集まっている安倍首相だが、昨日、甚大な被害を受けた岡山県を訪問。そこで初動対応が遅れたという指摘が出ていることについて記者から質問された安倍首相は、こう言い放ったのだ。
「政府として一丸となって、発災以来、全力で取り組んでまいりました」
「発災以来、政府一丸」とは、一体どこの国の話だろう。「全力で取り組んだ」と言えるのは、迅速に災害に対応するための非常災害対策本部を設置してこそのこと。だが、安倍首相が同本部を立ち上げたのは8日の8時の話であって「発災以来、政府一丸」というのは完全な嘘だ。
しかも、何度でも繰り返すが、気象庁が「厳重な警戒が必要」と異例の緊急会見を開いたのは5日14時のこと。同日、避難勧告が数十万人に及ぶなかで、安倍首相は総裁選対策で「赤坂自民亭」なる内輪の宴会に参加した。しかも、この宴会後、エプロン姿の自民党・石田真敏議員と左藤章議員はテレビの取材に対し、「みんなと写真撮ったりね、いろいろ人も変わってワイワイ声も聞こえないくらい」と赤ら顔で答え、こうダメ押ししている。
「酒飲んで、ワァーっというだけです」
安倍首相と仲良く写真を撮って「酒飲んでワァー」というだけの宴会……。「一丸となって全力で取り組んで」いたのは、実際のところ、自民党の子飼い議員たちとの酒盛りではないか。
だが、酷かったのは安倍首相だけじゃない。この宴会の写真を嬉々としてSNSにアップし、〈笑笑 いいなあ自民党〉などと大はしゃぎで投稿していた安倍首相の側近である西村康稔・内閣官房副長官の釈明だ。西村官房副長官は昨日午後、こうツイートした。
〈週末の大雨による災害発生時に会合を開いているかのような誤解を与え、不愉快な思いを抱かせたことをお詫び申し上げます〉
「会合をやっているような誤解」……? いやいや、会合とさりげなく言い換えているがやっていたのは宴会だし、西村官房副長官が写真を投稿した証拠があるように、会合というか宴会はたしかに開催されていたし、誰も誤解なんてしていない。さっぱり意味がわからないのだが、つまり、5日は「大雨の被害が出ている最中」とは認めず、週末の6〜7日にかけての豪雨のときに会合を開いていたわけじゃない、と主張しているのだろう。
これは到底看過できない発言だ。安倍首相や西村官房副長官がどんちゃん騒ぎをしていた5日は、大阪北部地震の震源地に近い茨木市や神戸市など多くの場所で土砂災害の恐れから避難指示が出たり、土砂崩れや河川の氾濫に怯え、一睡もできないような不安な夜を過ごす人びとが大勢いたのだ。
だいたい、問題になっているのは「不快な思いをさせた」とか、そういうことではない。なぜ、気象庁が警告を発するなかで、安倍首相を筆頭に政府は取るべき対応も取らず、酒盛りをはじめたのか、という危機意識の問題だ。だが、西村官房副長官は、この日「大雨の被害が出てい」たことを無視している。ようするに、責任逃れのために被害をなかったことにし、その上、「誤解を与えた」などと国民の受け取り方が誤っていると濡れ衣を着せるのだ。
和田政宗は、朝日のプッシュ型支援検証記事を「政権攻撃」と批判封じ
西村官房副長官といえば、第二次安倍政権の発足とともに内閣府副大臣に任命されて防災対策を担当し、2014年には『命を守る防災・危機管理』(プレジデント社)なる著書を上梓。その本の帯では、安倍首相が「数々の災害に、彼が最前線で指揮を執ってくれた」と推薦文を寄せているほどだ。そのような安倍政権の“災害対応のエキスパート”を気取ってきた総理側近が、政権の保身のために被害をなかったことにしようするとは、はっきり言って即刻辞職レベルの暴言だ。
しかも、耳を疑うような言い訳はこの人からも飛び出した。やはり豪雨被害が出ているなかで「赤坂自民亭」に参加していた、小野寺五典防衛相だ。言わずもがな、防衛大臣は自衛隊派遣の要請を受け指示をおこなう立場にあるが、9日の会見で小野寺防衛相はこのように開き直った。
「防衛省からは随時連絡が来ておりましたし、その都度、指示を出していたので、とくに支障はないと思います」
この国の防衛相は、酒を飲みながら自衛隊に対して指示を出していた、と堂々と発言したのだ。これは危険に晒されている国民と救助に向かう自衛隊員たちを同時に馬鹿にしているとしか思えない。
しかし、ネトウヨはこのような安倍政権が連発している「国賊」発言をまったく批判しない。いや、それどころか、自民党を代表するネトウヨのひとりである和田政宗議員は、世間からの批判をかわそうと、矛先を報道に向けはじめたのだ。
和田議員がもち出したのは、今朝の朝日新聞。それは「国のプッシュ型支援、被災直後は歓迎でも ミスマッチも」と題されたもので、安倍首相が力を入れている「プッシュ型支援」の問題点を指摘した記事だ。
「プッシュ型支援」は、〈国が被災府県からの具体的な要請を待たないで、避難所避難者への支援を中心に必要不可欠と見込まれる物資を調達し、被災地に物資を緊急輸送〉(内閣府HPより)するものだが、記事では〈プッシュ型は被災直後の混乱期を乗り切るための措置〉であり、〈過剰に届いたりミスマッチが生じたりし、早い段階で被災地の求めに応じて物資を届ける「プル型支援」に切り替える必要がある〉と指摘。実際、愛媛県大洲市では、プッシュ型支援で届けられた仮設トイレが「管理方法が決まらず使っていない」状態にあるという。
安倍政権の災害対応を批判しないメディアも、共犯者だ!
ようするに、災害発生から時間が経った段階ではただ闇雲に物資を送ればいいというものではなく、政府は変化するニーズに対応して何が届いているのかを把握することが重要だと指摘するという、ごく当然の記事なのだが、これに和田議員は信じがたい噛みつき方をしたのだ。
〈朝日新聞は何でこうしたタイトルをつけるのか?こんな時も政権攻撃をしたいのでしょうか?国によるプッシュ型支援は、ミスマッチが生じることがあっても速やかに被災地を支援するために行っているものです〉
被災地支援の基本を指摘しただけの記事を、「政権攻撃」だとすり替える──。こんなときにまで朝日憎しで攻撃するとはヒステリーにも程があるが、ようするに安倍政権は、国会の審議やモリカケのような事件、スキャンダル報道に限らず、被災地支援の問題でさえ、安倍首相の方針に疑義を呈することはすべて“政権批判”だと言うのである。
だが、実際にメディアが安倍首相の初動対応をきちんと検証、批判しない姿勢を見ていると、こうした「災害対応批判=政権攻撃」という狂った認識をメディアも共有しているようにも思えてくる。しかし、繰り返すが、国民が生命の危機に瀕するなかで平気で酒盛りをし、誰が見ても甚大な被害がすでに広がっていた6日午後〜7日の時点でさえ非常災害対策本部の設置をスルーして、15分の会議を終わらせるとさっさと私邸に帰った安倍首相の対応は、国民の命を軽視しているとしか言いようがないものだ。今回の豪雨災害での死者は200人を超えたときょう発表されたが、救えたはずの命が初動対応の遅れにより失われたのではないか、批判・検証することはメディアの責務だろう。
国民を蔑ろにしつづける政権と、それを黙殺するメディア。この共犯関係がつづくかぎり、この国で安心して暮らすことなどできないだろう。
(編集部)
最終更新:2018.07.12 10:09
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