「統一教会が安倍・トランプ会談を仕掛けた」説にこれだけの状況証拠! 勝共連合機関誌も2人のタッグを絶賛

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首相官邸ホームページより


 現地時間1月20日、ドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任した。就任演説の品性のなさは予想通りだったが、演説の中身や基本政策を見て改めて感じたのは、あの安倍首相との会談はいったいなんだったのか、という疑問だ。

 昨年11月、安倍首相は大統領就任前の異例の“会談“をいち早く実現し、その信頼関係を強調してきた。しかし、トランプはトヨタへの恫喝、TPP離脱の正式表明、安全保障と、従来の日本バッシングの姿勢をまったく変えていない。安倍首相が熱望していた“早期の首脳会談”も、イギリスの首相やイスラエル首相らとの会談が次々決まっていく一方で目処もたっておらず、まったく相手にされていない状態だ。

 ようするに、日本メデイアがこぞって絶賛した会談は、安倍首相の人気取りのパフォーマンスにすぎなかったことが完全にバレてしまったのである。

 しかも、この会談の舞台裏をめぐっては、驚くべき情報がもたらされた。安倍・トランプ会談を仲介しお膳立てしたのは、なんとカルト宗教団体・統一教会(世界基督教統一神霊協会 現在は世界平和統一家庭連合と改称。以下、統一教会)だったというのだ。

 それを報じたのは現在発売中の「新潮45」(新潮社)2月号。ジャーナリスト・時任兼作氏が「安倍・トランプ会談を実現させた『カルト宗教人脈』」と題して、安倍首相がどう統一教会関係者を頼り、トランプの会談を実現させたかを具体的に記しているのだ。

 安倍トランプ会談についてはこれまでさまざまなメディアが、舞台裏を解説してきた。たとえば、安倍首相の“御用ジャーナリスト”として最近、一気に頭角を表してきた元TBS政治部記者の山口敬之は「週刊文春」(文藝春秋)2016年12月1日号で、佐々江賢一郎駐米大使と、河井克行総理補佐官の名前をあげ、彼らがトランプ人脈に接触したと断定的に書いていた。

 一方、「週刊新潮」(新潮社)は「決め手となったのは、長女のイヴァンカ」で、安倍政権は彼女が副社長を務める不動産関連会社の取引相手を通じてアプローチしたとしていた。他にも、会談にも同席したマイケル・フリン元国防情報局長や、米国法律事務所の村瀬悟弁護士の名前も取りざたされてきた。 

 しかし、「新潮45」の時任ルポは外務省筋の証言として、こうした見方をすべて「実際は違います」「真っ赤なウソ」と否定、実際は統一教会に近い安倍首相の側近議員が動いたと指摘しているのだ。

〈この側近は、これまで霊感商法や家族分断、合同結婚式など多数の被害を生み出してきたカルト集団・統一教会(現・世界平和統一家庭連合)およびその政治組織である国際勝共連合と選挙応援などを通じてかねて近しく、彼らがトランプ氏とホットラインを持っていることを知っていたのである〉

 記事によると、側近議員から提案を受けた安倍首相は自ら統一教会系政治団体・国際勝共連合の重鎮であるYに直接、コンタクトを取ったのだという。Yは統一教会に協力的な「勝共推進議員」養成、自民党への秘書派遣や選挙協力など、同団体の政界への影響力行使の中心を担っていた人物。そして、安倍首相の意を受けてYは、統一教会開祖の文鮮明(故人)の妻で、現在の統一教会実質トップの韓鶴子に電話を入れたというのだ。記事では公安関係者が、韓のその後のトランプ陣営への働きかけをこう証言している。

「Yは彼女(韓鶴子)経由で、トランプ氏の信頼が厚く人事やスケジュール管理を行っている長女イバンカの夫、すなわち女婿であるクシュナーにつなげ、まずは即電話会談、それから安倍首相の外遊日程に合わせての直接会談——すなわち11月19 日からペルーで開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会談前の17日に会えるよう運んだのです。韓と女婿が、それぞれ経営する新聞社や不動産会社などの関係からつながりがあったことから実現した話です」

 たしかに、安倍首相と統一教会は切ってもきれない親密な関係だ。安倍首相の祖父・岸信介が国際勝共連合設立に関与していたことは有名な話だし、安倍首相自身も官房長官時代の06年、統一教会系の「天宙平和連合」の合同結婚を兼ねた集会に祝電を送るなど、統一教会への関与がしばしば取りざたされてきた。

 また、安倍政権が発足して以降、統一教会と自民党との協力関係も非常に活発になっている。同記事にもあったが、13年の参院選では、安倍首相が強く推していた同郷の北村経夫参院議員を当選させるために統一教会が露骨な選挙支援をしているし、14年には、日本統一教会の徳野英治会長の特別講演で、安倍首相の側近である萩生田光一官房副長官が来賓のあいさつをしている。他にも、衛藤晟一首相補佐官や稲田朋美防衛大臣など安倍首相の側近議員の多くが統一教会系のイベントで講演を行っている。

 さらに、15年の安保法制強行採決の際には、安保法制に反対するSEALDsに対抗するかたちで、安倍政権支持の活動を行うUNITEなる学生団体が出現したが、実はこの団体の正式名称は「国際勝共連合 大学生遊説隊 UNITE」。つまりその正体は「国際勝共連合」だったことも明らかになっている。

 しかし、だからといって、日米のトップ会談をカルト宗教団体に依頼するなんてことがありうるのだろうか。永田町ではこの「新潮45」の記事について「ガセ説」がとびかい、この記事を書いた時任のことを「ペンネームでトバシ記事を書きまくっている記者だ」と揶揄する情報も流れている。

 だが、これは明らかに官邸によるカウンターだろう。「時任兼作」がペンネームで、その記事に毀誉褒貶があるのは事実だが、一方で時任はこれまで「週刊ポスト」「週刊現代」「週刊朝日」を舞台に、政治家や官僚、企業の不正を暴き、数々のスクープを生み出してもいる。とくに、統一教会については全国霊感商法対策弁護士連絡会の渡辺博弁護士らとタッグを組み、かなり核心に迫った記事を書いてきた。実は、前述した安倍の集団結婚式への祝辞も時任が「週刊朝日」(06年)で手がけたスクープだった。

「時任は統一教会、それと公安にはすごく強い。『新潮45』の記事は、公安関係者からの情報リークのようだから、信憑性はかなりあるんじゃないか」(週刊誌関係者)

 実際、時任が指摘した韓鶴子—クシュナーのルート以外にも、トランプと統一教会の接点はある。宗教団体やスピリチュアルをめぐる社会的問題をリポートするウェブサイト「やや日刊カルト新聞」が、トランプの次男であるエリック・トランプが、統一教会の文鮮明教祖の四男・国進が経営する銃器製造販売会社KAHR Arms社の小型機関銃販売店舗オープニングイベントで演説を行っていたこと、トランプ当選にその国進と七男の亨進が大喜びしているところを写真付きで報じているのだ。

 また、「新潮45」の記事では、この四男・国進と安倍首相が直接、会談したことを証言する七男のインタビューが存在していることを、全国霊感商法対策弁護士連絡会の渡辺博弁護士が明かしている。

 こうしたさまざまな接点、状況を考え合わせると、安倍首相が統一教会に頼んでトランプ会談をセッティングしてもらっていたとしても不思議はない。そして、もしそうだとしたら、我々は近い将来、とんでもないツケを払わされることになるだろう。

 国際勝共連合の機関誌「世界思想」2月号で、太田洪量・国際勝共連合会長がトランプ大統領誕生について書いているのだが、太田会長はこの中で「中国の覇権的攻勢を食い止めなければならない」と宣言したうえ、こう締めている。

〈安倍総理とトランプ大統領の世界平和に向かうタッグに大いに期待したい〉

 そして、トランプは20 日に発表した基本政策で、「力による平和」を打ち出した。統一教会がつないだ安倍=トランプのタッグによって、日本が新たな戦争に巻き込まれる可能性はかなり高いといわざるをえない。
(野尻民夫)

最終更新:2017.11.15 06:22

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