下村博文と山谷えり子の反論の嘘! 下村が陳情を受けたのは明らかに統一教会系団体、山谷も「避妊を教えると家庭を壊す」と過去に明言

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山谷えり子の「避妊を教えることは家庭を壊す」発言、性教育攻撃は紛れもない事実

 しかし、山谷氏のこの反論でもっともひどいのは、自分が過去に問題発言をしながら「してない」と言い張っていることだ。

 番組内では性教育に尽力してきた産婦人科医が、山谷氏が「避妊を教えることは家庭を壊す」といった攻撃をおこなってきたことに言及した部分があったのだが、これについて山谷氏は〈一切そのような発言はしていません〉と否定した。

 よくもまあ、こんな嘘が言えたものである。山谷氏は2013年に放送されたドキュメンタリー番組『ニッポンの性教育』(中京テレビ制作/第51回ギャラクシー賞優秀賞受賞作)の取材のなかで、山谷氏ら自民党議員がやり玉に挙げた性教育の教材などについて、このような持論を述べていた。

「こういう具体的なことを教えることは、もうすなわち、あなたたちは避妊具さえはめればセックスしていいのよということを教えることになりますから、それは私は反対です」
「みなさんは命の教育とおっしゃられますよね。私は家族を壊すんじゃないかと思ってますが」
「本当に子ども時代はですねえ、ちょうちょが飛んでいる姿、お花がキレイに咲く姿、昆虫が一生懸命歩いている姿、それでじゅうぶん命の尊さというのは私達は学んできたんですよね」
(具体的なことは教える必要はないということか?という質問に)「年齢にふさわしい……」(年齢にふさわしいとは何を基準にしたらいいのか?という質問に)「本当は結婚してからだと思いますね、はい」

 つまり、避妊を含めた具体的な性教育に対して、山谷氏は“家族を壊す教育だ”と述べており、〈一切そのような発言はしていません〉などと到底否定できないことをカメラの前で語っていたのだ。さらに言えば、具体的な性教育は「結婚してから」おこなうべきという主張は、統一教会の純潔運動を想起させるものだ。

 ともかく、山谷氏はジェンダーフリー・バッシングの急先鋒として当時、一部の公立学校でおこなわれていたオープンな性教育を徹底批判し、教育現場は萎縮、オープンな性教育は封印され、義務教育では「性行為」や「妊娠の経過」についてすら教えないというところまで後退。若年層の無知からくる望まない妊娠や性感染症が増加の一途をたどるという悲惨な状況に陥ってしまった。いま、こうした攻撃が統一教会を含む宗教右派団体の働きかけによっておこなわれていたのではないかと問われているが、そんななかで過去の自身の発言をこのようになかったかのように振る舞うとは、恥知らずにもほどがあるだろう。

 統一教会とのズブズブな関係が指摘されながら、いまだに知らぬ存ぜぬで押し通そうとしている下村氏と山谷氏。だが、このような態度を自民党が許しても、メディアは見過ごすわけにはいかない。もちろんそれは、下村氏には元文科相時代の統一教会の名称変更問題が、山谷氏は警察行政を監督する国家公安委員長に就いていたという問題があるからだ。そして、下村・山谷両氏をそうした立場に据えたのは、ほかならぬ安倍元首相である。

 下村氏や山谷氏が統一教会との関係をもとに行政を歪めることはなかったのか。安倍元首相と統一教会の関係はいかなるものだったのか。こうした疑念に取り合おうとさえしない岸田政権に対し、世論はさらに厳しい目を向ける必要がある。

最終更新:2022.09.21 03:13

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