対韓国輸出規制でマスコミが報道した「北朝鮮への横流し」疑惑はフェイクだ! 参院選に韓国叩きを利用する安倍政権

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「横流し」に勝ち目がないと見るや、枝葉末節の「撤回要請」発言にいちゃもん

 だが、それでも懲りないのが安倍政権だ。「北朝鮮への横流し」では勝ち目がないと見るや、今度は12日に開いた日韓事務レベル会合をめぐって、韓国が「措置の撤回を要請した」と会合後に説明したことにかみついた。経産省の担当者が記者会見し「(韓国から)問題提起は受けたが、撤回要請は受けていない」と反論したのである。

 小学生じゃあるまいし、撤回だろうが、問題提起だろうが、どうでもいい話だろう。しかも、安倍政権はふだん、自分たちが首脳会談や外交交渉などの内容を平気で捻じ曲げてPRしているではないか。

 厚顔無恥とはこのことだが、しかし、この経産省会見が開かれるや、新聞やテレビはその反論の程度の低さを批判するどころか、一斉に「韓国は撤回なんて要請してない」問題を大々的に取り上げ始めた。

 安倍応援番組の『ひるおび』(TBS)などは先週まで、毎日のように「北朝鮮への横流し」疑惑を報道していたのに、今週はそんなことも忘れたように、実務者会合問題を延々議論し元経産省官僚のコメンテーター細川昌彦氏は「韓国側は輸出管理に基本的知識がなく教えてやった」と蔑視目線丸出しの解説。本日の放送でも韓国側の反応を扇情的に取り上げ「自業自得」「韓国政府よ、恥を知れ」などと嫌韓感情を煽っていた。

 政府の出す情報に批判的な視点を一切持たないどころか、安倍政権の情報操作に率先して乗っかってしまう−−−−マスコミの軽薄な御用体質には、いまさらながら呆れかえるほかはないが、しかし、問題はいまが参院選のさなかということだ。

 冒頭でも指摘したように、そもそも、安倍政権がこの対韓国輸出規制を打ち出したのは、徴用工問題で対立する韓国に強行姿勢をとることで、参院選で消費税や年金問題をごまかし、国民にアピールすることが目的だった。そのために、わざわざ参院選公示日に、対韓国輸出規制をあててきたのである。

 実際、安倍自民党はこの対韓国輸出制限を、選挙でアピールするよう、各陣営に命じているようだ。毎日新聞も参院選告示直後の各陣営の動向を報じる記事で、〈自民党幹部は、参院選の候補者らに演説などで輸出制限強化に触れるようアドバイスしている。「慰安婦問題を巡る合意を覆したり、日本産水産物の輸入規制を続けたりする韓国への世論は強硬になっており今回の措置は支持される」と見込む〉と、その内情を報じている(7月5日付)。

 そう考えると、いまの状況は、まさに安倍政権の思う壺ということではないか。御用マスコミや軽薄なワイドショーが一斉に中身のない「韓国の不正輸出問題」と「毅然とした対応をする安倍政権」のイメージをふりまき、安倍政権に不利な消費税や年金問題が隠されていく。

 いったいこの国の国民はどこまで騙されれば、眼が覚めるのだろうか。

最終更新:2019.07.16 09:49

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