竹田恒泰『中学歴史 検定不合格教科書』の間違いが酷い! 大日本帝国憲法はワイマール憲法を参考…ワイマールは30年後なのに

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竹田版歴史教科書の執筆者は竹田恒泰本人と竹田研究会の学生

 はっきり言うが、「勝ってもおかしくなかった」などとして戦争の正当化を図ろうとするのは、まさしく、わたしたちが生きる現在までの“日本の歴史”を否定することだ。“お花畑”もたいがいにしてほしい。

 もっとも、この『不合格教科書』における「対米戦争に勝算はあったのか」については、文科省からその全体について根拠資料の提出を求められたという(その他39点についても根拠資料を出すよう求められている)。同書の巻末には、文科省からの「検定申請図書に係る検定審査不合格の理由の事前通知」が掲載されており、そこに不合格の理由が書かれているので、一部を紹介しておく。

〈学習する上で必要と思われる諸資料が極端に少なく、資料に基づき考察することが非常に困難である。〉
〈特定の時代や題材に偏った構成となっており、全体として調和がとれていない。〉
〈学習した内容を活用してその時代を大観し表現する活動に関する記述が見られないなど、我が国の歴史の大きな流れを各時代の特色を踏まえて理解させるには不十分である。〉

 文科省はこのような指摘をしたようだが、いや、一般論以前の問題だ。竹田恒泰が送り出そうとしている「国史教科書」は、初歩的な誤りが多く見当たるのはもちろん、日本の歴史を神話に求めたり、侵略戦争の矮小化ないし正当化を図るなど、義務教育であつかう教材としてあり得ないほど低レベル。不合格は当然だろう。

 というか、こんなレベルで本当に竹田サンは文科省の検定に通るとでも思ったのだろうか。実際、執筆者の項目を見てみると、竹田サンが「主筆」で、その他の4人の執筆者はみな「竹田研究会学生部」の学生。歴史学の専門家は一人もいない。マジでなめてんのか?と聞きたくもなっている。

 ここまでくると、商魂たくましい竹田サンのこと、このトンデモ教科書の申請計画自体、はなから『不合格教科書』として売り出すための単なる“箔付け”“ネタづくり”なのでは……。そのあまりにヒドい出来を目の当たりにすると、そんな気すらしてくるのである。

 しかし、『不合格教科書』の前書きでは、同書の売り上げを費用にして、今後も「国史教科書」の制作を続けて検定合格を目指すとしているが、さて、どうだろう。“極右仲間”優遇で知られる安倍政権が続いていれば、こんなトンデモ教科書でもそのうち合格しそうなところが、恐ろしい。

最終更新:2019.06.22 10:45

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