沖縄戦を描いた映画『ハクソー・リッジ』が“沖縄”を隠して宣伝…背景にはネトウヨの“反日”攻撃への恐怖

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
hacksaw_170627_top.jpg
『ハクソー・リッジ』公式ツイッターアカウント


 今月24日に日本公開されたメル・ギブソン監督作品『ハクソー・リッジ』だが、その公開時の宣伝のやり方をめぐって疑問の声が噴出している。

『ハクソー・リッジ』は、キリスト教の教えを厳格に守るため武器をいっさい持たず衛生兵として沖縄戦に従軍し、ひとりも殺すことはなく、逆に75人の命を救った実在の人物デズモンド・ドスを主人公とした戦争映画。主演は、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズや、マーティン・スコセッシ監督作品『沈黙-サイレンス-』のアンドリュー・ガーフィールドが務め、アカデミー賞では録音賞と編集賞を受賞している話題作であることから、日本でも300館規模で公開されている。

 ところが、この映画の公開にともなう宣伝では、ある事実が徹底的に隠されていた。

 それは、この映画が太平洋戦争における沖縄戦を描いた映画であるという事実だ。そもそも「ハクソー・リッジ」とは、沖縄戦の激戦地である前田高地のことを指すアメリカ軍の呼称。「ハクソー(hacksaw)」は“弓のこ”のことで、「リッジ(ridge)」は崖を意味する。切り立った崖にハシゴを掛けて進軍するしかない立地のため、戦車などを用いることは難しく、壮絶な肉弾戦が行われた場所で、生き延びた兵士はこの戦闘を「ありったけの地獄を一つにまとめた」と称していた。

 しかも、沖縄戦はこの作品の根幹でもある。映画の終盤は前田高地での戦闘を描く。ヘルメットを銃弾が貫通して即死する兵士、手榴弾をお腹に受けて内蔵を飛び散らせながら絶命するシーン、両足を失い絶叫しながら衛生兵の助けを求める姿など、地獄絵図としか表現しようのないシーンが連続し、その凄絶でリアルな描写は『プライベート・ライアン』冒頭のノルマンディー上陸作戦のシーンをも凌ぐと評されている。

 ところが、日本国内の宣伝では配給会社のキノフィルムズが『ハクソー・リッジ』が沖縄戦を描いた映画であることを巧妙に隠していた。

 現在、YouTube上にアップされている予告編を確認すると、「第二次世界大戦末期、ハクソー・リッジの戦いで戦場の常識を覆す男がいた」、「戦争史上最も熾烈と言われた接近戦」、「武器を持たずに多くを救い、誰も殺さなかった兵士の実話」といったナレーションがあるのみで、沖縄の「お」の字も出てこない。どころか、日本兵の姿もあまり映らないので(コンマ数秒単位でギリギリ確認できる程度)、何の予備知識もない人だと、対ドイツ軍の戦闘を描いているのか、対日本軍の戦闘を描いているのかすらもわからないだろう。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

沖縄戦を描いた映画『ハクソー・リッジ』が“沖縄”を隠して宣伝…背景にはネトウヨの“反日”攻撃への恐怖のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ネトウヨ塚本晋也沖縄編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 自公維の「国民投票法改正案」に批判の声!小泉今日子も反対表明
2 古市憲寿が政府のコロナ対策を検証する「有識者会議」入りで疑問の声
3 「報道の自由度ランキング」下落報道でNHKが政権忖度し削除した文言
4 葵つかさが「松潤とは終わった」と
5 ロシア入国禁止リストに“安倍元首相の名前なし”で「やっぱり」の声!
6 三原じゅん子が「政権を握っているのは総理大臣だけ」と無知発言
7 乙武洋匡が不倫旅行、5人の女性と関係
8 安倍が「云々」を「でんでん」と読み恥
9 岸田政権の“改憲”の本命「緊急事態条項」はこんなに危ない!
10 国会審議で「総理は嘘つき」が“侮辱罪”にあたる可能性を政府は否定せず
11 乃木坂46橋本奈々未が背負った貧困
12 X JAPAN、TAIJIの死の謎
13 ミスチル新曲に小林武史への憎悪が?
14 坂上忍『バイキング』打ち切りはフジ上層部による政権批判潰し
15 辻仁成が告白「彼女に新しい人が…」
16 吉本芸人「ほんこん」のサムすぎるネトウヨぶり!
17 自殺した近畿財務局職員が手記であげた「刑事罰を受けるべき財務省職員」
18 ゼレンスキー大統領を非難する日本のネトウヨの言い分がプーチンとそっくり!
19 国谷裕子がクロ現降板の舞台裏を告白!
20 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
1「報道の自由度ランキング」下落報道でNHKが政権忖度し削除した文言
2自公維の「国民投票法改正案」に批判の声!小泉今日子も反対表明
3岸田政権の“改憲”の本命「緊急事態条項」はこんなに危ない!
4ロシア入国禁止リストに“安倍元首相の名前なし”で「やっぱり」の声!
5古市憲寿が政府のコロナ対策を検証する「有識者会議」入りで疑問の声
マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄