うつは心の風邪じゃなく心のガンだ! 田中圭一、内田樹、大槻ケンヂ…作家たちが語るうつとの向き合い方

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 内田樹も「頑張り過ぎた」ことが原因で心の病も患ってしまったひとり。その大きなきっかけのひとつが阪神淡路大震災だった。家は半壊状態になったうえ、職場である神戸女学院大学の復旧に、シングルファーザーとしての子育てが重なり、震災以降馬車馬のように働く日々が続く。そして、地震発生から半年の月日が経ち、ようやく家に帰ってきたときに変化は起きるのだった。

 落ち着いた日々を取り戻すと同時に心は病み始めていく。ちょっとした音にも震災のことがフラッシュバックして恐怖を感じて不眠状態になり、無理に眠ろうとして服用した睡眠薬により授業中も記憶が飛ぶようになってしまう。そんな生活が続き、自己否定の感情が心を蝕んでいく。

 そんなとき彼を救ってくれたのは、趣味の合気道だった。合気道は試合に勝つために負荷をかけて練習し、頭にも身体にもストレスをかけるといった一般的な競技スポーツとは違い、むしろ、脳を休ませ、身体がどう動きたいのかを見つめる武道。心を休ませ、身体が心地いいと感じることを優先的にしてあげるという生活の送り方を合気道から学んだのだ。田中圭一の場合とかたちは違うが、内田樹の場合も、脳に負荷をかけないような生活を心掛け、無理をしない生活の送り方を会得することで心の病を寛解させていった。

 無理をしない──。『うつヌケ』に登場する人たちの多くに共通するキーワードはこれだ。大槻ケンヂもまた、現代人がどうしても心にかけてしまう「無理」な負荷との付き合い方を学んで病を乗り越えたひとりだ。

 彼がだんだんとおかしくなっていったのは、あまりに若くして成功してしまったのが原因だった。24歳で武道館のステージに立つなど大ブレイクを果たすも、もともとネガティブな思考が強かった彼は「こんな状況がずっと続くわけがない」という心配と不安に苛まれるようになり、そのうち「自分はエイズなのではないか?」と怯える心気症になってしまう。一番ひどい時期は、カタカナの「エ」の字を見ただけでパニックになってしまうような状況だったという。

 そんな状況を変えたのは心療内科で受けた診療と投薬。そして、本で出会った「森田療法」であった。彼は心の病を変えてくれた発想法の変化をこのように語っている。

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