“逃げ恥”原作者・海野つなみと本谷有希子が『あさイチ』で安倍政権の「1億総活躍」を批判!「お国の役に立てみたいな感じ」

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 そのひとつが今年流行語にノミネートされた「保育園落ちた」に象徴される待機児童の問題だ。いくら政府が働けといっても、子供を保育園に入れられなければ、多くの母親は働くことなどできるはずがない。政府は「保育園落ちた」ブログをきっかけに、保育士不足の解消を目指し1100億円の予算案を閣議決定した。しかし全業種平均と比べ月10 万円も低い保育士の待遇がほんの2%ほどあがっただけ。7年以上の経験があると4万円アップされるが、しかしそれでも他業種に比べるとあまりに低い数字だ。しかもそのサービス残業など労働環境は待機児童解消の名目でさらに悪化しているとも言われる。実際『あさイチ』でも保育園で主任を務める女性のこんな声が紹介されている。

“待機児童問題に対応するため保育園でも定員を拡大。子どもを預かる時間も長時間化している。基準ぎりぎりの人数で対応しているため、現場は余裕を失っている”

 また一昨年末の衆院選で安倍首相は「幼児教育の無償化」を公約に掲げたが、しかしそれも実現などしていない。ひとり親世帯、多子世帯、所得制限などさまざまな条件付の“小手先“の決定でお茶を濁しただけ。これで根本的解決などするわけがない。

 また育休2年にしても同様だ。現在働く女性のうち6割もが非正規雇用だ。そして育休について非正規雇用の取得要件は正規に比べてもハードルが高い。そのため育休をとって復職できたのは正社員が6割、そして非正規では1割にしかすぎないのだ。しかも育休期間の中でタイミングよく保育園を見つけられなければ雇い止めされる可能性は高い。さらにこの2年育休は女性だけのもので、“育児は女性がするもの”という社会認識や負担を押しつけることになる危険性もある。実際、昨年度の男性の育休取得率はたったの2.65%だ。

 男女の賃金格差の問題もある。厚生労働省が発表した男女間賃金格差は71.3%と他先進国に比較しても、その格差は大きい。さらに女性の非正規雇用は正規より3割低いが、その解決もまた、まったく行われていないのが現状だ。

「介護離職ゼロ」にしても同様だ。安倍政権は15年4月の介護保険法改正で、特別養護老人ホーム(特養)の入所条件を厳しくし、補助認定が厳格化。さらにこれまで上限額まで全員が1割負担だった自己負担が、年金収入が280万円以上なら2割負担と倍増した。さらに膨らみ続ける介護保険財政に対し、在宅介護に重点を置く方針を定めたのだ。これは介護は家族でという方針であり、つまり多くの家庭でその任を担っている女性に押し付けようとするものだ。

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