トランプでTPP消滅なのに…安倍政権が本会議で承認を強行採決し世界の笑い者に! TPP礼賛のマスコミも共犯だ

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安倍晋三公式サイトより


 一体、何のために……。先刻、4日の特別委員会につづいて衆院本会議でもTPP承認案・関連法案が強行採決された。

 ご存じの通り、昨日開票が行われたアメリカ大統領選では「就任初日にTPPから離脱する」と宣言しているドナルド・トランプが勝利。これを受けてマコネル上院院内総務は記者会見で「年内にTPP採決は行わない」と述べた。オバマが任期中にTPPを批准する可能性はほぼ断たれ、アメリカが不参加となればTPPは発効されない。

 しかも、こうした事態は予測できたものだ。実際、日本以外のTPP参加国はアメリカ大統領選の動向を見極めるべく、慎重に動いていた。そのため〈参加十二カ国の中で、国内手続きを終えた国はない〉(東京新聞11月1日付)という状態だったのだ。

 なのに、日本だけは前のめりで、10月7日のTPP主要閣僚会議で安倍首相は「他国に先駆け、日本の国会でTPP協定を承認し、早期発効にはずみをつける」と息巻いた。4日のTPP特別委で強行採決したのも、この安倍首相の“強い意向”ゆえで、なんでも海外の首脳に「わが国は先駆けてTPP承認案を通過させた」と自慢したがっていたために強行採決したという情報もあるほどである。

 そして、昨日の大統領選の結果、TPPの発効が事実上なくなり、まったく無意味となったTPP承認案・関連法案を強行採決。それも、佐藤勉・衆院議院運営委員長は本日の本会議開催を「職権」で決定し、山本有二農水相の「強行採決するかどうかは佐藤氏が決める」なる失言そのままに、まさに佐藤委員長が強行採決を決めてしまったのだ。

 なぜ、安倍首相は何の意味もなくなったTPPを強行採決したのか。その理由は、相変わらず呆れるようなものだ。

「政権側は“日本が承認案を可決させることでアメリカを説得するのだ”などと述べていますが、そんなことが不可能なのはわかりきっている。完全に見込み違いだったんですよ。でも、アメリカの動きによって取り下げれば、『なぜもっと慎重に進めなかったのか』『対米追従か』と安倍政権に対する非難が起こってしまう。それを阻止するために見栄を張っただけです。いわば世界に恥をさらしたようなもので、まったく世界の笑い者ですよ(苦笑)」(大手紙政治部記者)

 だが、こうした事態になった責任はメディアにもある。アメリカの動向以前に、食の安全性や保険料・医薬品の高額化など、既報の通りTPPには膨大な懸念、問題点がある。それらはすべてわたしたちの生活に直結する死活問題であるにもかかわらず、国会でTPPが審議入りしてからも、とくにテレビは論点をまったくと言っていいほど取り上げてこなかったからだ。

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