欅坂46の衣装がナチスそっくりと炎上! ウケ狙いだけで「ファシズム」「軍服」を安易に取り入れる“秋元康”的手口

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「今回は最初から曲も振付も軍隊っぽい感じを取り入れたいから、カワイイ感じじゃなくてもいい、尾内さんがカッコイイと思う衣装を作ってくださいと言われました」
「いろんな軍服を調べました。それこそ世界各国の軍服から、軍隊をテーマにしたアニメまで。かつ欅坂46のテーマカラーはグリーンなので、それを基調にしようと。ただ、軍服的なグリーンだと重々しく見えてしまうので、顔映りがキレイになるようなブルーグリーンにしたんです」

 つまり、「軍隊っぽいカッコいい感じ」というのが、そもそも欅坂のコンセプトになっていたのだ。

「軍服的なグリーンだと重々しく見えてしまう」といかにも軍服っぽい色を避け、ナチス的な色合いでもなかったことから、表面化していなかったが、デビューの時点でおそらく、衣装スタッフが参考にしたという「世界各国の軍服」のなかには、ナチスのものも含まれており、ある程度取り入れていたのだろう。

 だが、そもそもナチス以外の軍服であればいいのか、という問題もある。

 たしかに、欅坂はアイドルブームも下火となった状況でのデビューだったため、既存のアイドルとの差別化や新しさはそれまで以上に求められただろう。PVではアイドルに必須の笑顔はなく、「かわいい」でなく「かっこいい」というコンセプトだったのは、わかる。「サイレントマジョリティー」の歌詞も、恋愛や友情を歌うような類の一般的なアイドルソングではない。

 でも、なぜ「軍服」なのか。乃木坂46がデビューしたときは、AKBをはじめとする48系のグループとの差別化で、同じ制服ファッションでも、スカート丈をあえて膝丈にして上品さ・清潔感を売りにした。欅坂は、さらに禁欲的な印象で「カッコいい」、またアニメなどでも萌えると人気の高い「軍服」をコンセプトとしてチョイスしたのだろう。

 しかし、「軍服」をあえて選ぶ必然性はどこにもない。それどころか、「サイレントマジョリティー」に至っては、歌詞でうたっていることは全くの真逆だ。

〈君は君らしく生きていく自由があるんだ 大人たちに支配されるな〉
〈選べることが大事なんだ人に任せるな 行動しなければNoと伝わらない〉
〈君は君らしくやりたいことをやるだけさ One of themに成り下がるな〉
〈見栄やプライドの鎖に繋がれたようなつまらない大人は置いて行け さあ未来は君たちのためにある No!と言いなよ!サイレントマジョリティー〉
〈誰かのあとついて行けば 傷つかないけど その群れが総意だと ひとまとめにされる〉

 そう、「サイレントマジョリティー」は“同調圧力に負けるな”と歌っているのだ。対して軍服は集団至上主義や同調圧力の象徴だ。アイロニーとして軍服や軍隊風の振付なのかと最初は思ったが、その後、軍服も軍隊風の振付も批判的な視線にさらされることはなかった。

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