ピーター・バラカン「ベビーメタルはまがい物」発言はおかしくない! ベビメタ批判・経歴がタブーの音楽業界

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 そもそも、ヘヴィ・メタルという音楽自体、その過激なサウンドやファッションはもとより、悪魔崇拝や反社会性を露悪的に強調した歌詞などで良識的な人々の眉をひそめさせ続けてきたジャンルだった(目、鼻、耳、口、両腕、両足を失った傷痍軍人の悲劇を描く映画『ジョニーは戦場へ行った』をモチーフにしたメタリカによる反戦歌「ワン」など、社会的なメッセージを表現し評価された一部の例外はある)。

 また、音楽好きのなかでも、ソウルやブルースなどのブラックミュージックを愛聴する人々は、ダンスミュージックとしてのノリ・グルーヴが欠落していることから、メタルを忌み嫌うことが多い。実際、バラカン氏も、中古レコード店「Face Records」のサイト内にあるインタビューでメタルやハードロックについて、「ただ単に速弾きするだけみたいなのは、面白くねえと(笑)。そしてBluesとかの本当に良いギターを聞いているから、それらに比べてそういうのは味が無いと思ってたし。そして、それ以降のLed Zeppelinなどのハードロックもリズムがバン、バン、バンってそればっかりで、それだったらブラックのレコードの中にはもっと良いバンドがいくらでもあるし。それと甲高い声を張り上げて、ズボンがキツすぎるようなヴォーカルのものは駄目でした(笑)」と語っている。

 このような従来のメタル批判の文脈から離れても、バラカン氏の「まがい物」という批評は決して間違っていない。そもそもBABYMETALは、dCprGでも演奏する大村孝佳など一流のプレイヤーをバックバンドに揃え、本格的なサウンドと、その音に乗せて歌い踊る少女たちのギャップを大きな魅力として人気を集めてきた。つまり、指摘するまでもなく、もとからギミックありきのコンセプトである。

 同じメタル好きの間でも純粋主義者のヘヴィ・メタル好きはBABYMETALというコンセプトそのものを忌み嫌っているし、それは決して少数派の意見でもない。

 ただ、そのような声は音楽ライターや評論家などの有識者からこれまでほとんど出ることはなかった。BABYMETALを取り上げてこなかった老舗のメタル専門誌「BURRN!」(シンコーミュージック・エンタテイメント)の広瀬和生編集長が15年3月号のなかで「うちも、プロモーションがあれば別にやってもいいと思っています。ただ、「あれがヘヴィ・メタルなのか?」って言った時に…歌って踊る女の子がいて、バックがメタルっていう…」と皮肉を言ったりはしているが、その他からはほとんどそのような声は出てきていない。

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