宇多田ヒカルがNHK朝ドラでついに復帰! 1998年、15歳の宇多田は日本の音楽をどう変えたか? そしてこれから…

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
utada_160128_top.jpg
宇野維正『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)

 2010年に「人間活動」のため長く音楽業界から離れていた宇多田ヒカルがついに帰ってくる。

 先日、4月から放送されるNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』の主題歌を宇多田ヒカルが担当するとのニュースが報道された。この楽曲をもって、彼女は本格的な音楽活動を再開すると見られている。活動休止中もラジオ出演や、配信シングル「桜流し」の発表など断続的な活動はあったものの、本格的な活動は6年ぶりだ。

 長い間復活を待望されていた宇多田の新しい展開に音楽ファンから喜びの声があがる最中、偶然のタイミングで『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)という本が出版され、大きな話題を呼んでいる。著者は、「ROCKIN’ON JAPAN」(ロッキング・オン)、「MUSICA」(FACT)といった音楽雑誌編集部を経て、現在は映画・音楽ジャーナリストとして活動する宇野維正氏。宇野氏はこの本のなかで、宇多田ヒカルが音楽シーンに与えた影響、そして、彼女がシングル「Automatic/time will tell」でデビューした「1998年」という年はJ-POPにとってどれだけ特異な年であったかということを分析している。

 宇多田が世間に出た1998年、それは、我が国で最もCDが売れた年であった。この年のCDの総生産枚数は4億5717万3000枚、総売上金額は5878億7800万円にもおよんだ。2014年の総生産枚数は1億7038万3000枚、総売上金額は1840億8800万円にまでシュリンクしてしまっていることを考えると、どれだけこの年の音楽業界がビジネス的に大きな影響力をもっていたかということがよく分かるだろう。

 そんな年にデビューした宇多田は、翌年発売したアルバム『First Love』で国内外合わせると約1000万枚にもおよぶ、未来永劫破られることはないであろうセールスを記録したのはご存知の通り。ちなみに、14年のアルバム年間売り上げ1位は、AKB48『次の足跡』で104万枚、15年は嵐『Japonism』で98万枚。このデータからも、0の数がひとつ違う『First Love』がどれだけすごかったかがよく分かるだろう。

 このようにエポックメイキングな記録を打ち立てた宇多田ヒカルだが、彼女が音楽シーンに大きな影響を与えたのは、超人的な売り上げ枚数だけにとどまらない。彼女は音楽業界の構造をも変えてしまったのだ。

 そのひとつが、音楽制作におけるシステム上の変化だ。宇多田が登場する直前、ヒットチャートを席巻していたのは小室哲哉だった。この時代、小室を筆頭に、相川七瀬、ZARDなどを手がけた織田哲郎、SPEEDを手がけた伊秩弘将など、「プロデューサー」が音楽制作の軸となり、また、彼らのような人物が単なる裏方の音楽職人にとどまらず、メディアにも積極的に出る時代でもあった。

 それが、宇多田の登場を分水嶺に大きく変わる。小室は最近自分のキャリアを振り返る時にしばしば「宇多田ヒカルちゃんが僕を終わらせたって感じですね」と述懐しているが、まさに彼女の登場がこの「プロデューサー」ブームを終わらせる決定打となった。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

1998年の宇多田ヒカル (新潮新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

宇多田ヒカルがNHK朝ドラでついに復帰! 1998年、15歳の宇多田は日本の音楽をどう変えたか? そしてこれから…のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。新田 樹の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 直木賞受賞『宝島』が突きつけた「沖縄問題」の本質
2 三浦大知が歌う歌は天皇皇后の沖縄への想い
3 百田尚樹『日本国紀』に“Yahoo!知恵袋コピペ疑惑”
4 稀勢の里「ナショナリズムのアイコン」の相撲人生
5 沖縄県民投票“不参加”指南の背後に安倍官邸の存在か!
6 “バンクシー”のネズミはOKで安倍首相の顔写真にヒゲはNG?
7 DA PUMPがEXILEに挑戦状
8 三浦瑠麗が松本人志の悪質セクハラ発言を「問題ない」と擁護
9 つんく♂が秋元のメンバー差別に
10 櫻井よしこは嘘つきだ!小林節が告発
11 古市憲寿「平成くん、さようなら」と「終末期医療打ち切れ」論
12 ネトウヨ高須院長に息子が苦言!
13 竹田恒泰が父の五輪汚職捜査に「フランスは皇室がないからひがんでる」
14 追悼!市原悦子が生前語った安倍政権への怒り、反戦の思い
15 元旦朝生のウーマン村本は間違ってない
16 安倍応援団やネトウヨの「バッシング」を検証!!
17 国連も「組み体操」の危険性を指摘!
18 戦争専門家が集団的自衛権の嘘を指摘
19 収賄疑惑の甘利大臣がバンダイとも
20 外務省が日米地位協定のウソ説明をコッソリ修正
1追悼!市原悦子が生前語った安倍政権への怒り、反戦の思い
2クイーンのB・メイ辺野古署名に『ボヘラプ』鑑賞の安倍首相は…
3所ジョージが沖縄米軍基地反対ソング! 
4竹田恒泰が父の五輪汚職捜査に「フランスは皇室がないからひがんでる」
5ウーマン村本、ローラ…権力批判芸能人を排除する醜悪メディア
6安倍首相の“サンゴ移植した”嘘を追及しない本土メディア
7早野龍五・被曝論文に重大誤り!お墨付き与えた糸井重里の責任
8産経と菅官房長官が「辺野古赤土投入問題」追及の望月記者を攻撃
9 仏司法当局が東京五輪誘致汚職で竹田恒和JOC会長の捜査開始!
10日露外相会談の大失態を必死で隠す安倍政権
11 ゴーン前会長出廷で露呈した特捜部の無理スジ国策捜査
12外務省が日米地位協定のウソ説明をコッソリ修正
13 バカリズム、指原莉乃が外国人労働者問題で差別丸出し
14沖縄県民投票“不参加”指南の背後に安倍官邸の存在か!
15安倍政権の反韓煽動が酷い!「韓国へ渡航禁止」まで主張
16三浦瑠麗が松本人志の悪質セクハラ発言を「問題ない」と擁護
17三浦大知が歌う歌は天皇皇后の沖縄への想い
18“バンクシー”のネズミはOKで安倍首相の顔写真にヒゲはNG?
19松本人志が指原莉乃に悪質セクハラ差別発言! 
20稀勢の里「ナショナリズムのアイコン」の相撲人生

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄