朝日、読売、日経が「新聞に軽減税率」決定を書かない理由…消費増税主張しながら自分達は政権と取引する卑劣

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 そして、今朝も全国紙5紙の一面は軽減税率が食品全般で大筋合意に達したことを伝えるものだったが、「新聞」への軽減税率適用の話題は無視か、あるいは申し訳程度に触れるだけだった。

 具体的には、読売、朝日、日経の3紙は、外食との線引きや財源確保の問題、そして16年度税制改正大綱の内容を大きく扱っておきながら、「新聞」の話題は“完全にスルー”。また、毎日と産経は“政府関係者は10日夜に軽減税率の対象品目に「新聞」が含まれているとの認識を示した”というストレートニュースを数行書いたに過ぎなかった。無論、他業界との影響の比較などは一切ない。

 ようするに、新聞各紙はこれに触れたくないのだ。というのも、もともと新聞業界は与党と政府に、新聞に軽減税率を導入するよう強く働きかけてきた経緯があるからだ。

 新聞の業界団体である日本新聞協会は昨年、「今後の社会・文化の発展と読者の負担軽減のため、消費税に軽減税率を導入し、新聞の購読料に適用するよう求める」として「新聞への軽減税率適用を求める特別決議」を出している。

 また作家を動員した集会を主催したり、各紙紙面で識者に軽減税率導入を語らせるなど、この間ずっとキャンペーンを張ってきた。

 新聞協会は〈ニュースや知識を得るための負担を減らすため〉〈読者の負担を軽くすることは、活字文化の維持、普及にとって不可欠〉(HPより)を大義名分としている。しかし、実際には、発行部数の急激な落ち込みが理由であることは間違いない。

 事実、ここ10年をみると、一般紙とスポーツ紙を含む発行部数は右肩下がりで、2004年には約5300万部だったのが、2014年には実に約4500万部と、約700万部も減少している。新聞離れは根深く、今後も回復の見込みは薄い。端的に言えば、“斜陽産業”である新聞業界は「増税」による値上げで、これ以上部数を減らしたくないのだ。既得権益の確保と言い換えてもいいだろう。

 しかも、新聞業界の働きかけはこうした表のものだけではなかったようだ。

「裏でも、渡邉恒雄・読売グループ会長を中心に官邸、自民党、公明党にさかんに働きかけをおこなってきました。政治報道のありようなどもからめながら、相当な裏取引があったとも言われています。それが実って、今回、軽減税率の適用が決まった。ただ、各紙ともバツが悪くなって、事実を伏せているんじゃないでしょうか」(政界関係者)

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