朝ドラ絶好調の宮崎あおいが「私は戦争をしたくない、憲法を変えることに反対」…かつて語っていた戦争と憲法への思い

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 いまはその指摘通り、安倍政権はこの99条を見事に破って憲法を尊重し擁護するという義務を放棄し、違憲だという指摘が憲法学者から相次いだ安保法制を数の論理で押し通した。改憲の動きに慎重な姿勢を見せる天皇は安倍政権と対立状態にあるが、天皇はこの99条を守っているだけだ。

 政治家の暴走を許してはいけない。憲法は変えてはいけない。なぜなら、戦争をしないと誓ったこの国が好きだから──。約10年前の本とはいえ、いまこそ読まれるべきともいえる同書を読者に薦めていた宮崎の先見を評価したいが、このインタビューで宮崎はこうも述べている。

「いつか自分が親になったときに、自分の子どもや愛する人が兵隊として戦わなくちゃいけなくなったら、どうやってでも引き留めたい。『お国のために死ねるのは幸せなこと』なんて私は言えないと思うんです」

 このように宮崎が戦争について深く考えるようになったきっかけは、映画『イノセント・ボイス──12歳の戦場』でナレーションを担当したことにあったという。

『イノセント・ボイス──12歳の戦場』は、俳優のオスカー・トレス氏が幼少期の戦争体験をもとに脚本を執筆した映画である。1980年代、中米・エルサルバドルで起こった内戦で子どもたちは12歳になると徴兵され、オスカー氏もまた12歳で軍隊に入隊している。

 たった12歳の少年が兵士となり、死と隣り合わせで戦うことを強制される──。だが、これは過去の物語ではない。「知っていますか? 現在でも世界で30万人以上の子どもが戦場へ送られていることを」。宮崎は本作のナレーションでそう訴える。

 そのオスカー氏と雑誌で対談した宮崎は、中国で“物乞いの姉妹”に出会った体験から「いろんな物事を“自分とは関係ない”という考えから変えてくれた」と語り、「ひとりで世界を変えられるなんて思えない」けれど、自分ができることを小さくてもやっていきたい、と話している。その言葉を受けてオスカー氏は「そうだよね」と相づちを打ちつつも、「だけど、もしかしたらひとりの力で世界は変わるかもしれないよ」と言う。

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