朝ドラ絶好調の宮崎あおいが「私は戦争をしたくない、憲法を変えることに反対」…かつて語っていた戦争と憲法への思い

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 このとき宮崎が紹介した本とは、『この国が好き』(マガジンハウス)という絵本。著者は、医師であり、ベストセラー『がんばらない』などの著書で知られる鎌田實氏で、まだ幼い孫を抱きながら〈大切な君の命を戦争でうばわれたくない。君が戦場で人を殺す そんな未来は想像したくない〉と願う物語だ。

〈ぼくは 戦争をしないと誓った この国が大好きです。
 戦争をしないと誓ったのは この国の憲法です。
 すごいことを誓っているのです。〉

 この本を宮崎が紹介した当時は憲法改正の動きが活発で、04年に自民党は「憲法改正草案大綱」を発表。「日本は戦争する国に戻るのか」という声があがっていた。そうした不穏な空気に向かって、宮崎はきっぱりと「この憲法を変えることに反対」とはっきり口にしたのだ。

 しかも本書には、安倍政権の近い未来を予見するかのような言葉がずらりと並んでいる。

〈コイツをかえる。普通の国になるだけという人がいます。
 でも……
 世界がたちまち緊張する。軍隊の増強合戦がはじまる。
 貧困から脱出しはじめたアジアの国たちが、
 子どもたちの医療や教育のためよりも軍隊のために、
 ますますお金を使うようになる。
 だからコイツを守っておきたいのです。だからかえたくないのです。
 この不自由さがいいのです。〉

〈一回だけといって、コイツをかえる。やんわりとかえる。
 うまいんだなあ、政治家は。
 一回でもかえてしまえばしめたもの。
 そのあとはつぎつぎにかえて、君が大人になるころ
 この国は普通の国になって、徴兵制がしかれている。〉

 また、本書の後半には、鎌田氏とドイツ語翻訳家の池田香代子氏、元放送作家の永六輔氏との鼎談も収録されているのだが、このなかで永氏は、いま振り返るととても重要な話をしている。それは「99条を守ることが憲法を守ることなんだって気がついた」という指摘だ。99条は《天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ》というもの。つまり、「この憲法を守らなければいけない人たちがずらっと書いてある」(永氏)のだ。そして永氏はこうも言う。「99条を守ろうとしているのは天皇だけなんです」。

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