ジュンク堂「自由と民主主義」ブックフェアがネトウヨの攻撃で炎上しツイート削除…書店の表現の自由を奪うな!

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 繰り返しになるが、今回の騒動の背景として、安倍政権が、国民の6割が可決に反対した安保法制や、過半数が反対している原発再稼働などを強引に推し進めている事実が存在する。実店舗を持つ書店はそれ自体がひとつのメディアだ。民主主義が崩壊しつつあるのではないかという“時代の空気”がメディアに映し出されるのは、ごく自然なことである。

「『自由と民主主義』という言葉は、評論家が大上段から語るものではなく、いまや人々にとって感覚的に身近なものになったのではないでしょうか。だから、いち生活者として書店員がこれを表現するのは、至極まっとうだと思います」

 そう木瀬氏が語るように、“書店員の表現”という観点からこのフェアを見た場合、第一に「偏向」とするのは事実認識としてもありえない。また、仮に公の利益の損失をまねくことを「反日」と呼ぶのだとすれば、社会の合意形成に不可欠な議論の契機を封殺するまねをするネトウヨのほうこそ、まさに「反日」というほかないだろう。そういう意味では「ジュンク堂渋谷非公式」アカウントが削除されたことは、メディアとしてふさわしい行為だったとは言えない。なぜなら、彼らが「闘う」と表現したのは、こうした“お上の方針に有無を言わせない社会の空気”に対してでもあったはずだからだ。

 むしろ見逃してはならないのは、今回、ジュンク堂には、ネトウヨによる批難の声と同じくらい、いや、それ以上に、その姿勢を賞賛し同意する声が起こっていたことだろう。「自由と民主主義のための必読書50」フェアは、いま、この時代にこそされるべき議論を社会に投げかけている。その意味において、書店の実店舗がメディアとして機能した好例だ。

 取次先から届けられた本をそのまま陳列し、売れ残りを返品するだけの書店や、クリックひとつで欲しいものに行き着くネット書店では、そうはいくまい。ネットに押されがちな業界にとって、今回の騒動はむしろ、“表現”を行う実店舗にのみ潜在する可能性を見せたのではないか。

 書店は単に“ものを売るだけの場所”ではない、“民主主義を支える場所”なのだ──きっと多くの人が、その声を聞き取ったことだろう。
(梶田陽介)

最終更新:2015.10.23 07:49

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