あのノーベル賞科学者が安倍政権の軍学共同政策を批判! 軍事に手など貸すものか! 戦争協力への動員はもう始まっている!

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 といっても、ハーバーのような熱心な愛国者ではない科学者でも、戦争になれば〈国策を支援する組織に半強制的に組み込まれてしまう〉ことになる。それに、科学者の意見は政策決定に反映されることはない。原爆開発にかかわりつつも、日本への投下に反対した物理学者のレオ・シラードの声がアメリカ政府に無視されたように。

〈戦時下における科学者の立場というのは、戦争に協力を惜しまないうちは重宝されるものの、その役目が終われば一切の政策決定から遠ざけられ、蚊帳の外に置かれます。国策で動員されるということはそういうことです。「便利なものをつくってくれてありがとう」で終わり。どんな軍事兵器もそれが完成した時点で研究者、開発者の手から離れ、一〇〇パーセント政府のものとなります。そして、それがどんな危険な使い方をされようと、開発者は手を出せなくなるのです〉

 だからこそ、戦後、世界中の科学者たちは手を結び、ノーベル平和賞を受賞した「パグウォッシュ会議」をはじめとして核兵器の廃絶を訴える平和運動を展開してきた。しかし、そうした科学者たちの声明や宣言は〈(各国の首脳陣が)どこまで真剣に目を通してくれているのかは定かではない〉。とくに、〈日本の首脳からの返事くらい「味もそっけもない」ものはなかった〉ようで、〈外務省の担当者から受け取り確認の返事が来るだけで、世界で唯一原子爆弾の被害を受けた国の反応とは思えない〉ものだったという。

 事実、科学技術の軍事転用は繰り返された。ベトナム戦争時に暗躍したアメリカ国防総省による「ジェーソン機関」という秘密組織では、ノーベル受賞者を含むエリート科学者が集められ、〈アメリカ軍兵士の犠牲を減らし、ベトナムの人々を有効かつ速やかに殺すか、そのノウハウを提供〉した。彼らはゲリラの浸透を防止する電子バリヤーや新兵器を使用した暴動鎮圧技術などを研究する一方、殺害したベトコンの正確な人数を把握したいというアメリカ軍将校に、〈殺したベトコンの左耳を切り取って針金に刺し、兵士に持ってこさせれば〉いいというアイデアさえ出したという。このことを知った益川氏は〈まさに科学者の精神動員だ〉〈ここまで戦争に取り込まれ、非道な殺人のアイデアを出せる状態というのは、明らかに洗脳されたとしか思えません〉と綴る。

 ここまで読んで、「科学者の精神動員なんて、いまの時代そんなことさせないでしょ?」と楽観的に捉える人もいるかもしれない。だが、益川氏は〈むしろ、現代の精神動員は、実に巧妙に金と権力を使って科学者たちを取り込んできています〉という。

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