殺害予告を受けたSEALDs奥田愛基氏の父親が語った!「僕は黙らない」「親の影響だと語るのは愛基に失礼だ」

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 この怖さは、憲法がないがしろにされている今の状況を象徴していると思います。
 つまり、言葉がない。議論がない。反対意見は封殺される。
国会での議論を見ていても安保法制についても「政府が総合的に判断する」のひと言だけで何も説明しない。憲法を解釈で変えてしまい法的安定性は関係ないと強弁する。説明もなければ議論も不十分であることは否めない。当然、国民の多くは理解できないままです。いや、そもそも国民の理解を得るための説明がどれだけ必要と思っていたのか疑問です。ことばを大事にしない。憲法は、ことばに対する信頼です。
 そういう時代をこの手紙は象徴しているように思います。問答無用という感じがします。一方的に、ともかく「黙れ!」と言われている。その理由さえ問うなという。

 家族の命の問題がともかく心配ですが、このままだといろんな人が黙らされていく。ほかの人にも殺害予告が来てもおかしくないように思います。
 安保法制が成立して「戦争できる国」になったわけですが、戦争状態とは何か?ってことを考えると、他国と戦いを交わすということ以前に、我々の日常が壊されるということだと思います。我々の日常を守っているもの、それを担保しているものの大元が憲法だと思います。つまり、憲法は私たちの権利を保障しており、それに基づき日常が成立していると思います。でも戦争になると、自由にものが言えなくなり、自分の持ち物も国に差し出さなくてはいけない、行動も制限されるわけです。憲法で守られているはずの我々の権利が制限されていく。対話もなく、一方的に、です。
 そう考えると、今回の問答無用の手紙は、“対話がない”“言論が封殺される”という状況を示している。その意味で、既に戦時中みたいな感じがします。
 だから、黙ってはいかんと思うのです。当然殺されてもいけないし、殺されたくない。けれど、ここで黙ると、この時代の危険な空気をますます推し進めることになりかねない。だから黙るわけにはいかないと思います。

 僕は牧師です。だから、神様を信じるし、人間を信じたい。あらゆる方と対話できればと思います。こちらの意見に反対なら反対の意見をきかせてほしいと思います。
 そもそも僕と息子だって意見は一致しているわけではありません。彼は立憲主義を重んじている。一方で「じゃあ、改憲すれば、戦争してもいいのか?」と常に議論しています。ちがう意見の人に対しても、黙れと言わないのが、日本国憲法です。
 手紙を出してきた人とも、対話できると僕は信じたい。

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