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「戦争中も今も沖縄は本土の犠牲になり続けている」安倍首相と菅官房長官は宮沢和史が「島唄」に込めた思いを聴け!

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 宮沢らメンバーの出身が山梨県甲府市と、沖縄とは無関係の「ヤマトンチュ(本土出身者)」グループが、戦争中のガマ(自然洞窟)の中での自決を歌う姿に釈然としないのは「ウチナーンチュ(沖縄人)」だけではなかったはずだ。さらに、「島唄」のなかに、「ウージの森で あなたと出会い ウージの下で 千代にさよなら」「ウージの森で 歌った友よ ウージの下で八千代の別れ」という歌詞があり、「君が代」の「千代に八千代に」を連想させることから、2000年代に入ると太平洋戦争を美化したい保守層に「島唄」が利用されることが目立つようになってきた。

 しかし、こうした動きに反発するかのように、宮沢は次のように「島唄」に込めた反戦の強いメッセージを明らかにするようになる。

「91年冬、沖縄音楽にのめり込んでいたぼくは、沖縄の『ひめゆり平和祈念資料館』を初めて訪れた。そこで『ひめゆり学徒隊』の生き残りのおばあさんに出会い、本土決戦を引き延ばすための『捨て石』とされた激しい沖縄地上戦で大勢の住民が犠牲になったことを知った。捕虜になることを恐れた肉親同士が互いに殺し合う。極限状況の話を聞くうちにぼくは、そんな事実も知らずに生きてきた無知な自分に怒りさえ覚えた。資料館は自分があたかもガマ(自然洞窟)の中にいるような造りになっている。このような場所で集団自決した人々のことを思うと涙が止まらなかった。だが、その資料館から一歩外に出ると、ウージ(さとうきび)が静かに風に揺れている。この対比を曲にしておばあさんに聴いてもらいたいと思った」(朝日新聞2005年8月22日付)

 歌詞のなかのガマの中で自決した2人を歌った部分「ウージの森で あなたと出会い ウージの下で千代にさよなら」というくだりについても「『島唄』はレとラがない沖縄音階で作ったが、この部分は本土で使われている音階に戻した。2人は本土の犠牲になったのだから」と「島唄」が反戦歌であることを強調したのだ。

 その後も、2013年、頸椎症性神経根症の4カ月の休養から復帰した宮沢はショートムービーの『THE BOOM 島唄のものがたり』の冒頭でも「『ひめゆり平和祈念資料館』で沖縄戦で何が起きたのかを知った。その話をされた方に歌を作って聞かせたいと思ったのが『島唄』を作るきっかけです」と語るのだ。

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