安倍晋三と橋下徹の“独裁者コンビ”が持ち出す「民意」「多数決」の論理を疑え!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
abehashimoto_01_150415.jpg
“ゴリ押し独裁者コンビ”(左・自由民主党公式サイトより/右・橋下徹公式サイトより)


 戦後日本の国家のありようを180度転換する集団的自衛権の容認を閣議で決定し、さらに安全保障関連法案(戦争法案)を数に任せてゴリ押し可決しようとしている安倍晋三。そして、大阪都構想という何の具体性もないデタラメな計画を住民投票にかけて、大阪市民から白紙委任を引き出そうとしている橋下徹──。二人に共通しているのは「選挙に勝ち、多数決で『民意』を得た者がすべてを白紙委任され、独裁的に物事を進められる」というきわめて単純かつ一面的な、民主主義理解だ。

 実際、国民の側もそう考えている人が多いかもしれない。個人としては反対でも、多数決で決まったら従うのが民主主義のルールだ、と。

 たしかに、投票のない民主主義はない以上、民主主義を実質化するためには、何かのルールが必要だ。しかし、多数決はけっして最良の方法ではない。それどころか民主主義という観点から見れば欠陥だらけの方法だと教えてくれるのが、『多数決を疑う』(坂井豊貴/岩波新書)だ。

 では、具体的に多数決のどこが問題なのか。

 我が国の選挙制度は、国政選挙でも地方選挙でも、それぞれ選挙制度などに違いはあれど、一人一票による多数決方式が採用されている。この方式のもとでは有権者は「一番に支持する候補者」を選ぶことしかできず、二番目や三番目への支持表明はできない。仮に全有権者から二番目に支持を受けている候補者がいたとしても投票されることはなく、したがって彼・彼女が当選することも絶対にない。

 また、多数決は「票の割れ」に弱い。たとえば2000年のアメリカ大統領選では、当初ゴア優勢だったにも関わらず、途中から似たような政策を掲げる泡沫候補ネーダーが立候補したために、2人のあいだで票を食い合い、結果的に漁夫の利を得たブッシュが当選してしまった(その結果があのアフガン戦争、イラク侵攻であり、ひいては現在の「イスラム国」の隆盛につながっているのだから、多数決のもたらした影響は大きい)。

 加えて、多数決は少数の意見を切り捨ててしまうという欠点があるのは、中学校の公民の授業で習ったとおりだ。

 このように多数決は、適切に人々の意見を集約するルールとしては穴だらけだ。しかも、なぜそんな欠陥品が長らく採用されてきたかといえば、たんなる文化的な慣習からでしかないのだという。

〈もし「一人一票でルールに従い決めたから民主的だ」とでもいうのなら、形式の抜け殻だけが残り、民主的という言葉の中身は消え失せてしまうだろう。投票には儀式性が伴えども、それは単なる儀式ではない。聞きたいのは信託ではなく人々の声なのだ。〉

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

多数決を疑う――社会的選択理論とは何か (岩波新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

安倍晋三と橋下徹の“独裁者コンビ”が持ち出す「民意」「多数決」の論理を疑え!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。安倍晋三松本 滋橋下徹選挙の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 日産ゴーン会長逮捕した特捜部の裏! 
2 Wikiコピペ疑惑の百田尚樹『日本国紀』を真面目に検証
3 人権無視の入管が抗議の落書きに非難ツイート
4 警視庁捜査、ジャパンライフと安倍政権
5 「人の税金で大学に」麻生太郎の悪質性
6 BTS問題で『ワイドナ』が意外に冷静な姿勢
7 ナベツネにいったい何が? 読売の異変
8 池上彰が朝日叩きとネトウヨを大批判
9 百田尚樹がウーマン村本とのバトルで
10 安倍内閣の官房参与が消費税批判
11 百田尚樹『日本国紀』にネットから総ツッコミ
12 宮崎駿がブチ切れた川上量生の差別思想
13 ジャニーズタブーで犯罪もみ消し
14 ネトウヨのTWICE「慰安婦シャツ」炎上攻撃は韓国ヘイト
15 森友学園が麻生財務相側近に口利き依頼
16 安倍が膳場や池上にもらした改憲の本音
17 在日差別に怯え続けた芸能人の苦悩
18 BTSファン「ARMY」がスゴイ!国境を超える連帯と勇気
19 櫻井よしこ、竹田恒泰の森友講演料は?
20 恵俊彰が田崎史郎を「政権の代弁者」と
1安倍政権の水道民営化強行の裏! 日本の水道が崩壊
2安倍内閣の官房参与が消費税批判
3BTSの『Mステ』締め出しは原爆を口実にした韓国ヘイト
4安倍官邸「FTA言葉狩り」でNHKが忖度訂正
5警視庁捜査、ジャパンライフと安倍政権
6片山さつきだけじゃない! “ほぼ全員スキャンダル内閣”
7植村隆の名誉毀損裁判で不当判決!櫻井よしこの捏造を無視
8安倍政権がひた隠しにする外国人労働者の“奴隷”実態
9やっぱり安倍政権の外国人実習生調査結果は嘘だった!
10安倍政権が北方領土のため「年金の金」でプーチンに貢ぎ物計画
11安倍「徴用工でなく労働者」と言い換えも麻生家の炭鉱は「朝鮮人地獄」
12安倍首相も桜田五輪相と同じ「事前通告がない」ウソの常習犯
13百田尚樹『日本国紀』にネットから総ツッコミ
14「人の税金で大学に」麻生太郎の悪質性
15Wikiコピペ疑惑の百田尚樹『日本国紀』を真面目に検証
16BTSファン「ARMY」がスゴイ!国境を超える連帯と勇気
17ナベツネにいったい何が? 読売の異変
18竹田恒泰が慰安婦像に「鼻クソの刑」ツイートの愚行
19BTSを「ナチス礼賛だ」と歪曲攻撃したナチ信奉者たち
20トランプ中間選挙会見で「晋三は自動車関税のことでハッピー」と皮肉

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄