「4月12日大地震」予言は大ウソだ!地震予言デマのからくりを暴く!

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 さらに本書ではその他にも三宅島爆発、メキシコ大地震、スペースシャトル墜落等を予言したとされる。

 だが、これら予言の多くは、事件や出来事が起こった後、松原自身が回顧する形で書かれたものだ。「過ぎた話ならどうとでも言える」という疑問がわいてくる。

 では、同書が書かれた時点で起きていない事件や出来事を予言した記述についてはどうだろう。松原は地震予言を得意としており、本書でも近々起こるであろう地震について触れている。そのひとつが伊豆半島の大地震だ。

「日本列島の大変な事態は、一九八五年九月末日から始まっています。伊豆の山やまを中心に、右に東京、左に静岡が見えます。その上を伊豆半島のやや左側から日本海に向けて、三ツの矢が走ります」「マグニチュード六・八以上」「船は陸よりも高く、そのままの高さで、温泉街の白い建物に向かって動き始めます」「津波は、高さ八〇メートル以上、一二〇メートル以内」「伊豆半島から日本海へ向けて亀裂が走り、断層ができます」

 これが現実になれば、東日本大震災以上の大津波が伊豆半島を直撃することになる。もちろん伊豆半島に近い東京、神奈川、千葉も壊滅的影響を受けるはずだ。そんな恐怖が日一日と近づいているのだと27年前の松原は予言したのだ。

 だが現在──。幸いなことに松原の予言は当たってはいない。しかし、松原は同書でこんなことを書いている。

「私に見えてしまった未来を人びとに告げ、警告するのも、本来の地球の動きに修正し、地球自体そして人類を救いたいからだ」

予言が当たらなくてもそれは、「私が予言したことで救えた」ということなのだろうか。

 他にも世界情勢や日本の政局等についても言及する本書だが、はっきり言えば受け手の捉え方で当たっているといえば当たっているし、外れているといえば外れているような、曖昧な記述ばかりなのだ。

 また、当時の状況を考えればそういうことは起きてもおかしくないだろうという、当たり前の予言も多い。たとえば、先の伊豆地震にしても、78年以降、伊豆半島沖の群発地震は注目され、海底火山が爆発したこともある。伊豆諸島を含む群発地震は以降30回以上観測されていた“頻度”の高いものだ。しかもこの伊豆大地震の時期は明記されていない。日本は地震列島だ。程度の差こそあれ、いつもどこかが揺れている。

 もしかしたら、松原は確率の高いものを「いつかくる」と言っているだけではないのか。そんな疑問も浮かんでくるのだ。

 それは27年前だけではなく、松原の現在の予言にも共通するものだ。例えば、2011年に松原はこんな予言をしている。

「近年中に又、我国の先生がノーベル賞をとる事でしょう。この発明は手術を大きく変える事でしょう。見えた事が書きにくいのですが『体内で再生』こんなイメージがしました」

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