投票日直前企画! 集団的自衛権めぐる安倍政権の嘘を「戦争の専門家」が指摘!

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 こうしたウソは2003年に始まったアメリカのイラク侵攻の時にもあった。アーミテージ米国務副長官(当時)が日本政府に対して協力を求めた言葉として伝わった「Show the flag」だ。

 日本政府と外務省はこれを「戦場に日本の旗を見せろ、アメリカに言われた」と喧伝し、自衛隊をイラクへ派遣する大きなきっかけとなった。ところが、後にアメリカのベーカー駐日大使が、「(自衛隊を出すかどうかは)日本側が決めること」で、アメリカが具体的な要請をしたつもりはないとの見解を示した。当のアーミテージも否定した。マスコミにこの話をリークしたのは、当時官房副長官だった安倍首相であり、そもそもこの話じたいが、捏造だったのではないかという疑惑もある。

 ところが、こんなマンガのような話を原点にスタートしたのが、日本の集団的自衛権論議の真相なのだ。

 安倍首相の外交・安全保障の師ともいえる前出の岡崎久彦氏は集団的自衛権行使の必要性について、2014年5月19日のハフィントンポストに掲載された長野智子編集主幹のインタビューにこう答えている。

「もう東アジアの安全保障というのがね、日中関係、米中関係なんてものではないんです。中国対日米同盟、このバランスで全部考えなきゃいけない。(中略)一番の問題は、日米同盟が危機にさらされた時ですよね。アメリカだけ、アメリカの第7艦隊がやられていて、日本が助けに行かなかったら、アメリカもう(同盟)やめたと、そうなる可能性はありますね、それが一番怖いですね」

 岡崎氏は安保法制懇の主要なメンバーだった。要は、アメリカの戦争に加担しなければ日本が見捨てられるという発想だ。だが、現実の同盟は安倍首相や岡崎氏が考えるようなウェットなものではない。世界の安全保障の常識に立てば、アメリカから日米同盟を解消することは近未来においても絶対にありえない、と伊勢崎氏は断言する。

 まぁ、伊勢崎氏でなくても普通に考えれば誰でもわかりそうなことなのだが、まず、金銭的な貢献が半端ではない。日本政府は在日米軍駐留費の大部分を負担している。こんな国は、他のアメリカの同盟国(米軍基地受け入れ国)ではひとつもない。ザッというとアメリカが全世界に展開する在外米軍駐留費の総額の実に4分の1を日本一国で賄っているという計算もある。

 また、世界の5分の1を担当する世界最大の艦隊、米海軍第7艦隊が事実上、横須賀と佐世保を母港としているのをはじめ、在日米軍の担当範囲は非常に広く、アメリカが関与する紛争多発地帯をほぼ網羅している。加えて、燃料や爆弾の貯蔵においても、日本はアメリカ国外で最大の保管庫になっている。さらに言えば、日本の官僚機構と歴代自民党政権はアメリカに対して極めて従順で、日米地位協定や制空権の問題など、在日米軍基地運用のためなら自らの主権さえ差し出す国だ。そんな都合のいい同盟相手を「汗をかかない」「自衛隊を戦場に出さない」といった程度の理由で手放すわけがないのである。

「日本を取り巻く環境が激変した」というのも集団的自衛権論議でよく言われる。具体的には北朝鮮や中国の脅威を想定しての言葉だろう。では、実際に北朝鮮や中国が日本に戦争を仕掛けることはあるのか? 結論を言うと、ありえない。理由は極めて簡単で、日本に大きな米軍基地がある以上、日本を攻撃するということは(世界の軍事の常識では)アメリカに宣戦布告するのと同じだからだ。アメリカへの攻撃は核戦争の始まりを意味している。もしやるとしたら自滅行為に等しい。

 もちろん、北朝鮮が日本海に向かってミサイルを撃ったり、中国が領海侵犯を繰り返すというのは今後もあるだろう。しかし、これがやがて進展して、人が住む“本土”に侵攻してくるなどというのはありえない。なぜなら、軍隊を持つ国の「戦争計画」は極めて実利的な判断のもとにつくられるからだ。

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