日テレ女子アナ内定取消し、ホステスがNGでミスコンがOKなのはなぜだ!?

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 一方、ホステスは女性という性を利用し、男性を接待する商売だが、かわいいだけでは決してのし上がれない。高級クラブともなれば、話術は無論、政治や経済といった話題にも明るくてはならないし、相手の心を見抜く洞察力なども求められる。逆にいえば、たとえ美人でも客は飽きてしまうという“女性性だけでは勝ち残れない”世界なのだ。そう考えれば、ほぼ容姿でジャッジするミスキャンパスのほうが、よほど下品である。そんなものに採用基準にしておいて、よくもまあいけしゃあしゃあと日テレは「清廉さに欠ける」と言いのけたものだ。

 さて、ここまで「ブスな女が美人をひがんでミスコン批判してる」と思いながら読んできた男子諸君にも、ぜひここで伝えたいことがある。それは、男性にもこれは他人事ではない、ということだ。

 さっきも述べたように、90年代の初頭にはフェミたちがミスコン反対を叫んだ。そのときの主張のひとつは、「男性から見た“女性の美”で女たちを競い合わせるのは、男性優位社会の象徴だ!」ということだった。だが、これはもう今日には通用しない。なぜなら、多くの大学学園祭ではミスキャンパスと同時に「イケメンコンテスト」も開催されているからだ。女性の視点で“男性の美”をジャッジするという、女性主体の“男性の客体化”が行われるようになったのである。

 社会において“容姿優先”なのは女子だけではない。以前、サイバーエージェントの内定式の様子が「リア充だらけ」と評判になったが、そこに写っていたのは細身で美形の男女ばかり。男性も局アナも、フジの生田竜聖のように「兄がジャニーズ」レベルのイケメン度が求められつつある。現実に「顔採用」の存在が感じられるからこそ、男子学生のなかには就活対策として女子同様にダイエットに励んだり、なかにはプチ整形を行う者もいる。

 そして、「顔採用」の先行事例が豊富な女子学生たちは、ミスコンにも肯定的だ。日本経済新聞の記事によれば、近年、ミスコンは活況で、「各大学のミスが有名企業に相次ぎ就職したとの評判が刺激となり、大学のミスコンの応募者は年々増えている」という。男子の顔面偏差値が問われるようになった現代の状況を考えれば、男子学生にも早晩、「就職のためにイケメンコンテストに応募する」というような時代がやってくるだろう。

 ミスキャンパスは社会の縮図だ。容姿で人間をジャッジする社会は、「肥満は怠慢な性格の表れ」「ブサイクは努力不足」と烙印を押す。やがてそうした偏見は、さまざまな“区別”と称する差別を助長するだろう。

 問題は日テレだけではないし、女性だけのものでもない。そのことを、ゆめゆめお忘れなきよう。
(田岡 尼)

最終更新:2015.01.19 04:13

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