杉村太蔵は薄味でもバカでもなかった!計算高くてこずるいヤツだった!

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 4年で議員を辞めた太蔵は2010年の参院選の際に「たちあがれ日本」から出馬し落選しているが、これも尊敬すべき与謝野馨から誘われ「心が震えた」からだと太蔵は記す。でも太蔵って郵政改革大賛成じゃなかったっけ? それで初当選したのでは? 郵政改革造反で自民党を追い出された議員たちが結成した「たちあがれ」でいいの? という大きな疑問が湧くが太蔵にとってはそんなことはどうでもいいらしい。何しろ彼の目標は巧妙に立ち回り、自分がのし上がって行く手段として使うことだから。

 そういう意味で、太蔵は単なる“バカ”ではない。“バカ”を最大限に利用した、ごますりで計算高い男。それが太蔵なのだ。

 現在タレント活動の傍ら、株投資、そして商社を立ち上げて稼いでいるという太蔵だが、しかしこれも考えてみれば太蔵は外資系証券会社のアシスタントトレーダーまでした“プロ”。だから本書を読んでも “バカ”では1億円も儲けられない。だって現在の太蔵は相当に計算高いから。その最も強烈なエピソードがあった。

 タレント・杉村太蔵は芸能事務所に所属せず、自分でマネジメントしている。だからギャラ交渉も自分でする。ギャラは基準価格を決めて交渉するというが、そのギャラの算出方法がこれだ。

「証券マン時代に培った知識と人脈を駆使してぼくにオファーが来たある番組の総予算を調べ、そこから(基準価格を)計算しました。元株式調査部ですから、そうした調査はお手の物です。
 番組制作費には美術費、技術費、編集費などがかかります。まずそれらのコストを調べ、総予算から引くと、出演タレントの合計ギャランティーとなるわけです。そこから関係者への取材などをして、各タレントのギャランティーを推定し、自分のギャランティが出演者の中でだいたいどのくらいのポジションなのか見当をつけました。そうした調査から、タレント・杉村太蔵の“お値段”が決まったのです」

 ──そんなことやってたのか。すごいな太蔵。自分を最大限に売ることに長けた戦略家。それが“バカを装う” 太蔵の真髄なのかもしれない。
(林グンマ)

最終更新:2015.01.19 04:14

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