「学問の自由」が危ない! 安倍政権の“軍学共同”で大学が戦争推進の拠点に

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文部科学省ホームページより

 本サイト・リテラに10月1日に掲載された記事「国立大学から文系学部が消える!」では、安倍政権によって経済の論理に屈従させられつつある大学の現状をレポートした。だが、大学に迫っている危機はもはやそんなレベルではない。
 
 今年7月6日に共同通信の大学に関する配信記事が地方紙を賑わした。「東大が防衛省に協力拒否」と題された記事の内容はこうだ。

「防衛省が今年5月、強度試験中に不具合が起きた航空自衛隊輸送機の原因究明のため東大大学院教授に協力要請したところ、大学側が「軍事研究」を禁じた東大方針に反すると判断し拒否したことが5日分かった。防衛省は文部科学省を通じ東大に働き掛けを強め、方針変更を促す構えだが、文科省は大学の自治を尊重し消極的だ。一方、教授は大学側に届けず防衛省の分析チームに個人の立場で参加しており、大学方針の実効性が問われる可能性もある。」
「東大は1959年と67年に当時の最高意思決定機関の評議会で、軍事研究の全面禁止を申し合わせた。広報担当者は取材に「大学の方針に従い対応した」と説明した。」

 いまやほとんど目にすることもなく死語と化したかに思える「大学の自治」ということばが語られている。東大が大学としての矜持を示して、国家からの軍事協力の要請を拒否したことは、大学が国家から自立した学問研究の場である主張を明確にしたといえるだろう。

 しかし、国家と社会総体においてすさまじい勢いで加速する右傾化のなかで、大学だけがいつまで戦争協力に抗し、平和を擁護できるだろうか。

「大学自治」はいま、その存在を疎んじ、大学を国家イデオロギーの昂揚と戦争推進の装置として活用したい勢力の激しい攻撃に晒されている。

 朝日新聞従軍慰安婦報道にかかわった元記者たちが勤務する大学に、爆破テロの脅迫が行われたのがその好例だ。脅迫を受けた大学のひとつである北星学園大学は学問の自由と大学の自治を訴え、外部からの脅迫で教員の雇用を見直すことはしないと言明し、多くの大学人、知識人がその姿勢に支持を表明している。

 一方、同じく脅迫を受けた帝塚山学院大学は「該当の教員は退職したので本学とは関係ない」旨のたった3行の文書をHPに公開しただけで、脅迫への一片の抗議も述べていない。この文書がHPに掲載された9月13日は、毎日新聞の報道によれば脅迫状が大学に届いた当日である。元記者を辞めさせたので爆破は勘弁してください、と脅迫犯に膝を屈したメッセージを送ったと受け止められても仕方ない対応だ。こうして大学人自身の手ですでに「大学の自治」の崩壊は進んでいると言えるだろう。

 匿名の爆破テロ脅迫者のような目に視えない社会勢力だけではなく、さらに、国家からはより露骨な攻撃がかけられている。

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