【左巻き書店からの緊急のおしらせ】

朝日の慰安婦報道問題で大喜びしているネトウヨに告ぐ!

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「一九二九(昭和四)年末から三五(昭和一〇)年ころまでの約六年間、日本経済は、それまでに経験したことのないような深刻な不景気の時代に落ち込んだ。」(中村政則『昭和恐慌』岩波ブックレット)これを昭和恐慌という。「『昭和恐慌』でもっとも大きな打撃を受けたのは、なんといっても農民であった。当時の有業人口のなかで、農業者は最大の割合をしめていたから、その影響はひろく、そして深かったといわなければならない」具体的には「一九三二(昭和七)年に、農家一戸当たりの負債総額は、八四六円に激増した。当時、農業所得と農業外所得を加えた小作農家の一カ年の収入は五五二円であったから、負債は年間所得の一・五倍をこえたことになる。借金を返せない農家は、娘を芸妓や酌婦にだしたり、娼妓屋のブローカーに身売りした。」(同上)

「なかでも一九三四年の東北地方の例外は、一九〇二年の大凶作(餓死者を路傍に打ちすてたといわれる)以来の惨状をしめし、大きな社会問題となった。…『東京日日新聞』(一九三四年一〇月一七日付)も、『稗飯を食べるものがめぐまれた最上流の農家』であり、もっとも例外のはなはだしい地方では、『藁を粉にして水とともにすゝりこ』むといった、さらにすさまじい食糧事情を報じた。」「さらに悲惨だったのは、売られていった女たちである。三〇〇戸ほどの村から、二〇〇人の娘が売られていったとか、わずか一〇円で小学生の娘を手ばなしたとかいう哀話は枚挙にいとまがない。たとえば『国民新聞』(一九三四年一一月六日付)によれば、上のような書式の『娘売買契約書』が、活版印刷ででまわっていたという。…娘に売春させることをみとめる契約書。それは、一九三四年の東北冷害のすさまじさを如実にあらわしている。生きていくためにはなんでも食べ、娘をも売らねばならない状態――まさに“生き地獄”そのものであった。」(須崎慎一『二・二六事件』岩波ブックレット)文中に出てくる「娘規約書」とはこのような文面だ。「右者 今般貴殿方の女給として被雇仕候に就ては酌婦または私娼として就業せしめられ候も決して異議申間敷ここに契約候也」。

 こうして、経済的不平等を推進する社会構造を基盤に、日本の因襲的なイエ制度の下、家族を餓死から逃れさせるために親に売られた娘たちこそが、やつらのいう「(高級)売春婦」なのだ。

 時間や空間を超えて異なる文化や思考が存在するというということを認知できないからもちろんネトウヨなのだが、戦前を賛美するとき頭の中にあるのは、自分の狭い知見で構成された戦後的価値観とイメージの投影にすぎないのだ。歴史の現実などまったく知らない。一部には「慰安婦は朝鮮人の親が貧困から売春業者に売っただけなので、日本(国/軍/人)は悪くない。当時ビンボーは当り前だからしようがない」というような発言も横行してるが、社会構造というものへの無知に加えて、自己利害の擁護のためには他人の痛苦は平気というのはある種の病いとしか考えられない。

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