角川もジブリも! ドワンゴ川上会長の恐るべき“ジジイ殺し”術

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『現代の肖像 川上量生(eAERA)』(朝日新聞出版)

 コンテンツ業界に大きな衝撃をもたらしたKADOKAWA(旧・角川書店グループ)とニコニコ動画の運営会社・ドワンゴの経営統合発表。計画は6月末のKADKAWAの株主総会で承認され、いよいよ出版や映画とネットを融合させた巨大コンテンツ会社が誕生することになる。

 今回の統合の背景は、KADOKAWAの総帥である角川歴彦会長からドワンゴ・川上量生会長にアプローチをして実現したとされる。実際、角川会長の川上氏への評価は相当なもので、川上氏を新会社のKADOKAWA・DWANGOの取締役会長に抜擢。統合発表会見では「私はようやく、“天才”川上くんという若き経営者を手にした」というコメントまで出している。

 角川会長が川上氏にこれほど高い評価を与えているのはなぜか? 普通に考えれば、ニコニコ動画という新しいプラットフォームを作り上げたセンスと能力にほれこんだというのが答えだろう。しかし、今回の統合にはもうひとつ、川上会長がもつ特別な能力が関係している気がする。それは業界の大御所に愛されるという“ジジイ殺し”の能力だ。

 実は川上氏、ドワンゴ会長という顔のほかに、あのスタジオジブリの“プロデューサー見習い”という顔を持っている。2011年からスタジオジブリ・鈴木敏夫プロデューサーに弟子入りし、週の大半をそちらで過ごしているのだ。最近も宮崎吾朗監督テレビシリーズ『山賊の娘ローニャ』(NHK)の今秋スタートに向けて原作者の出身地であるスウェーデンに飛ぶなど、慌ただしい日々を送っているが、ジブリの鈴木プロデューサーもまた、川上氏に心奪われているひとりだ。鈴木プロデューサーは、川上氏との出会いをこう回想する。

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