まるで戦争前夜! 安倍政権「韓国ホワイト国除外」に快哉叫ぶマスコミ、八代弁護士は朝日と韓国2紙を「反日三羽烏」と攻撃

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安倍政権「韓国ホワイト国除外」に快哉叫ぶマスコミ、八代弁護士は朝日と韓国2紙を「反日三羽ガラス」と攻撃、まるで戦争前夜の画像1
『ひるおび!』で二枚舌の安倍政権を賞賛した八代弁護士


 安倍政権が2日、韓国を輸出管理で優遇措置をとる「ホワイト国」から除外すると閣議決定した。7月の半導体材料等の輸出規制に続くもので、日本から韓国への輸出管理が厳しくなる対象の品目が拡大することになる。案の定、安倍応援団は「韓国ざまあみろ」と言わんばかりに「ホワイト国除外は当然」「安倍首相の毅然な対応を評価する」などと快哉を叫んでいる。

 たとえば、2日放送の『ひるおび!』(TBS)では、安倍応援団コメンテーターの八代英輝弁護士が、「ホワイト国」除外に係る日韓問題について米国が仲裁に乗り出すとの一部報道について、「アメリカが介入しているって情報が、ロイターから嘘くさいかたちで一方が流れたじゃないですか」と前置き、こう言い放った。

「それ伝えてるのが、ハンギョレ新聞と中央日報と朝日新聞。反日三羽烏みたいなもんじゃないですか。これ、語弊があるかもしれませんけど」

「語弊があるかも」どころの話ではない。アメリカが仲裁に動いているという情報を伝えただけで「反日」呼ばわりとは、完全にネトウヨ。脳みそが戦前に戻っているとしか思えない。が、さらに八代氏は続けて安倍政権を賞賛した。

「ですから、韓国は韓国でアメリカがもの凄く懸念しているというような世論攻勢を日本に対して仕掛けているということだと思うんですよ。それに乗ってしまってはよくなくて。だから粛々と今回、閣議決定したのは私、やるべきことをやったと思います」

 安倍政権のもとで悪化の一途を辿る日韓関係は、北朝鮮情勢を睨む米国にとって当然、好ましいものではないはずだが、八代弁護士に言わせれば「米国の仲裁」報道すら“韓国メディアやリベラル系の陰謀”になるらしい。まったく、底が抜けているとしか言いようがないではないか。

 しかし、これ、八代弁護士だけではない。国内世論は完全に「韓国が悪い」「関係修復を望む言説は反日」という風潮一色に染まり、「和解」や「慎重な対応」を求めただけで「反日」と攻撃を加える、まるで戦争前夜のような空気に支配されている。

 いったいなぜ、こんなことになってしまったのか。それは、安倍政権と御用マスコミの扇動に国民がまんまと乗せられてしまったからだ。

 本サイトでも何度も指摘してきたように、安倍政権がとった今回の対韓国輸出規制にはなんの正当性もなく、そのやり口も詐術に満ちたものだ。

 実は今回、ホワイト国除外にあたって、意外な人物がそのことを口にしていた。橋下徹・元大阪市長が、3日に出演した『胸いっぱいサミット!』(関西テレビ)のなかで「はっきり言って、そこは元徴用工判決の報復だって言わなくちゃいけない」「WTOの問題になるからごまかしちゃって」と発言したのである。

 発言の意図はともかく、橋下氏の指摘はきわめて正しい。安倍政権は、輸出規制を今回のホワイト国除外についても、「安全保障上の問題」「貿易管理体制に不備があった」などと言い張り、「何かに対する対抗措置といった種類のものではない」(世耕弘成経産相)などと否定しているが、対韓国輸出規制は明らかに、徴用工問題の報復として始まった。

橋下徹の指摘通り「徴用工判決への報復」の措置を安倍政権がごまかしている理由

 安倍政権は参院選で消費税や年金問題など、自分達に不利な争点を消し、反韓を国民にアピールするために、官邸主導でこの政策を強行したのである。一部の報道によれば、菅義偉官房長官や経産省幹部らも反対していたのを安倍首相が押し切ったという。

 実際、対韓輸出規制が発表されたに7月1日付の新聞各紙は一斉に「徴用工問題の対抗措置として」輸出規制を行うと報道、当の安倍首相も参院選公示日後のテレビ出演で、輸出規制について「国と国との約束を守らないことが明確になった。貿易管理でも恐らくきちんと守れないと思うのは当然だ」などと、徴用工問題が出発点であることを示唆していた。

 しかし、こんな理屈は国内では通用しても、国際社会では通用しない。元徴用工への補償を封じ込めるために、輸出規制を行ったとすれば「自由公平な貿易を推し進める」「貿易措置を政治利用しない」という国際社会のコンセンサスに反するからだ。日本政府が本当の理由を公言し、韓国がWTO(世界貿易機構)に提訴すれば負けるのは目に見えている。

 しかも、徴用工問題は、戦争責任に係る人権問題だ。日本国民は「解決済みの問題を韓国が蒸し返した」など非難しているが、国際社会は必ずしもそうは受け止めていない。日本政府が「解決済み」と主張する根拠となっている日韓請求権協定は60年前に韓国軍事政権との間で行われた玉虫色の決着に過ぎず、経済協力が目的として謳われているだけのもの。「賠償」という文字はどこにもないからだ。これで日本が徴用工問題を前面に出して輸出規制を行えば、国際社会から批判の声が上がるのは必至だろう。

 そこで、安倍政権は国内向けには御用マスコミにオフレコで「徴用工への対抗措置」をリークする一方、国際社会に対しては「徴用工問題への対抗措置ではない」「安全保障上の問題」「韓国の貿易管理体制に不備があったから」などというタテマエを唱えるという、二枚舌作戦を展開したのだ。

 しかし、日本政府は韓国にどんな「安全保障上の問題」「韓国の貿易管理体制に不備」があったかは一切明かしていない。それは、輸出規制やホワイト国除外に相当するほどの重大な違反の証拠がつかめていないからだ。

 日本政府はしようがなく裏で「韓国が禁輸品を北朝鮮への横流し」しているとの情報をリーク、FNNなどの御用マスコミも韓国政府が公開した不正輸出の「摘発件数」をさも「北朝鮮への横流し」の件数であるかのようなミスリード報道を展開したが、しかし、これも、逆に日本から北朝鮮への不正輸出の実態を暴かれる事態となっている。

〈国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会専門家パネルがここ数年間、制裁対象や軍事転用可能な品目が日本から北朝鮮に輸出されたと指摘したことが分かった〉〈高級自動車や化粧品、たばこ、ピアノなどのぜいたく品も日本から北朝鮮に輸出された〉(聯合ニュース7月14日)
〈北朝鮮が国連の制裁から逃れる形で日本を含む各国から車などを密輸しているとする報告書をアメリカの研究機関がまとめ、制裁の実効性を高めるべきだと指摘しています〉(NHKニュース7月17日)

 つまり、北朝鮮への不正輸出というのは日本も韓国も「どっちもどっち」であり、なんら輸出規制やホワイト国除外の理由はならないのである。にもかかわらず、日本のマスコミはこうした安倍政権の詐術に乗っかり、徴用工問題と不正輸出問題を使い分け、ゴマカシながら、「とにかく韓国はけしからん」という世論を煽ってきたのだ。

海外メディアや国際社会も安倍政権の二枚舌を見抜き、批判

 しかし、その結果、この先に何が起きるのか。安倍政権の情報操作は国内では成功しているのかもしれないが、国際社会からはすでにその詐術を完全に見抜かれ、批判の声を受け始めている。たとえば米ニューヨーク・タイムズ(1日電子版)は、日本による韓国の「ホワイト国」除外を解説する長めの記事のなかで徴用工問題に言及し、こう述べている。

〈先月、日本が韓国への化学製品の輸出規制を厳しくした際、日本の当局は韓国側の歴史問題の扱いに関連するものではないと主張したが、青瓦台はこの日本政府の動きを威嚇射撃とみなした――もし、韓国政府が徴用工問題を取り消さなければ、日本の官邸は韓国の主要産業に対して、銃で膝を撃ち抜くような私刑をくだすだろうと。〉

 米ワシントン・ポスト(2日電子版)も、〈この日韓の争いは、韓国の最高裁判所が昨年、日本企業に対し、1910年から1945年までの日本占領下の朝鮮における強制労働させられた被害者へ補償金を支払うよう命じる判決を立て続けに出したことに始まる〉と説明したうえで、〈日本の官邸の対応は、信頼できる貿易相手国としての韓国のステータスを攻撃することだった〉と記している。

 ほかにも、米通信社のブルームバーグは、7月22日に「安倍首相が韓国と始めた希望なき貿易戦争」というタイトルの社説を掲載した。〈安倍首相の方は、政治問題の解決に貿易上の措置を使ったが、これはトランプ米大統領と中国が好む報復の戦略と似ている〉〈非常に偽善的〉などと論評している。

 海外メディアは、安倍首相が仕掛けた輸出をめぐる攻撃がいかに不毛で、その本質が徴用工問題などへの報復にあることを、しっかりと報じている。また、韓国の通信社・聯合ニュースによれば、2日、タイのバンコクで開かれたASEANプラス3の外相会議で、シンガポールのバラクリシュナン外相がホワイト国にASEAN加盟国がまったく含まれていないことから〈ホワイト国の数を減らすのではなく増やすべきだと主張〉。中国の王毅国務委員兼外相も「相手に対する信頼と誠意でこのような問題が解決されなければならない」と述べたという。

 ようするに、安倍政権の対韓国輸出規制やホワイト国除外は現時点でもすでに国際社会から批判の目で見られており、このまま対立がエスカレートしていけば、日本の責任論が大きくなりかねないのだ。

輸出規制とホワイト国除外では韓国経済だけでなく日本経済も打撃

 しかも、日本国内では「韓国経済がこれで破綻する」などという韓国への打撃を指摘する報道ばかりが目立つが、この対立は、日本経済にも深刻な影響をもたらす可能性がある。

 半導体の原材料輸出規制をきっかけに、韓国では世界有数の半導体メーカーであるサムスンなどの企業が日本への依存をやめ国内生産に切り替える動きなども報道されているが、もし、これが現実になれば、トップシェアを占めてきた日本の半導体原材料製造メーカーにとっては死活問題になるだろう。

 また、今回の「ホワイト国」除外を受けて韓国政府がWTOへの提訴だけでなく、日本を同様に輸出管理の優遇対象国から外すことを宣言したことも大きい。前述したように、日本からも規制対象品が北朝鮮へ流出していることが国連で指摘されている。日本が韓国に対して主張した「安全保障上の懸念」「貿易管理の不備」なる粗雑なロジックが、まさにブーメランとなって日本へかえってきて、韓国との貿易に依存している日本企業が次々と窮地に陥りかねない。

 さらに、韓国は文在寅大統領が「日本の不当な報復措置に対して、相応の措置を断固取っていく」と宣言し、日韓の安全保障上の機密を共有する協定である「GSOMIA」の破棄をちらつかせ始めたが、もしこのまま、対立が激化すれば、対中国、対北朝鮮の外交戦略や拉致問題の解決にも大きな悪影響を与えることになるだろう。

 いずれにしても、徴用工問題の報復として行っている対韓輸出規制と「ホワイト国」除外は外交面、経済面、安全保障面からみて何一つよい結果をもたらさない。それでも安倍首相が“報復”にこだわるのは、まさしく八代弁護士の「反日三羽ガラス」発言が賞賛を浴びてしまうような、日本国内のファナティックなムードに薪をくべ続けるためだ。今回の対韓国輸出規制の出発点が参院選で内政の問題点から目をそらすためだったというのは冒頭でも指摘したが、それがまんまと成功した安倍政権は完全に味をしめ、とにかく、「韓国けしからん」と勇ましい姿勢を示し続けることで政権を維持していくつもりと思われる。

 だが、その先に待っているのは、国際社会の信頼をなくし、孤立し、経済不況に陥る日本のどうしようもない未来だ。

 この国のマスコミと国民は、一体いつまで、この政権の詐術と二枚舌に転がされ続けるつもりなのだろうか。

最終更新:2019.08.13 09:40

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