石野卓球がワイドショーの道徳ファシズムに勝利した理由! 瀧・卓球叩きから『バイキング』批判に世論を逆転

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ワイドショー批判でも勝利!(石野卓球Twitterより)


 コカインを使用したとして起訴されたピエール瀧が保釈されたが、この問題をめぐる報道はこれまでの芸能人の薬物事件には見ることができなかった展開になっている。

 釈放にあたっても集中砲火が再び繰り広げられると思いきや、瀧のことはほとんどスルー。メディアの関心はむしろ、電気グルーヴのメンバーで、この間、ワイドショー的道徳ファシズムに徹底的に刃向かい続けている石野卓球に移っている。しかも、ネットニュースなどを見ると、当初の卓球バッシングとは真逆、卓球を応援し、『バイキング』(フジ)などのワイドショーを批判するトーンが圧倒的になっているのだ。『バイキング』で卓球批判を口にした東国原英夫も釈明に追い込まれる事態となっている。

 これ、もしかしたら、石野卓球が世間の悪しき道徳ファシズムと、その増幅装置となってきたワイドショー的言論に勝利しつつあるということではないのか。

この間、いったい何が起きたのか。卓球vsワイドショーのバトルを改めて振り返ってみよう。

 瀧被告が3月12日に緊急逮捕されたあと、一切釈明も謝罪もせず、瀧の逮捕までネタにする“悪ふざけ”ツイートを投稿し始めた卓球。これに対し批判の口火をきったのは、『バイキング』だった。25日の放送で「謝罪しないのはけしからん」と厳しく批判したのだ。

 とりわけ辛辣だったのは坂上で、「これなんなの?」「20歳そこそこの(人)だったらさ、『バカじゃないのか?』で済むけど」とバカにしたうえ、「ピエールさんの相方って考えたときに、違ったアプローチの仕方をしないと、納得は得られない」と説教。挙げ句、「ピエールさんは素直に取り調べに応じているのに」と、ピエール瀧よりも石野が問題という転倒した主張まで飛び出した。

 そして、これに追随するように、『直撃LIVEグッディ!』(フジ)など他のワイドショーも一斉に「謝らない石野はおかしい」という論調の攻撃を始める。

 だが、こうした攻撃にもかからず、卓球の態度はまったく変わらなかった。あいかわらず“悪ふざけ”全開のツイートを連発。さらに、ある時期からワイドショー批判も開始した。

 まずは本サイト、リテラが3月27日に配信した記事「ピエール瀧逮捕で石野卓球にワイドショーが『謝れ』攻撃! 同調圧力、連帯責任…日本の異常性を突いた卓球のツイートは間違ってない」をRT。直後には〈猥奴ショー〉〈TVワイドショーとか嘘ばっか〉と、自分の言葉でもワイドショーを批判した。

 その後も卓球の毒舌ツイートは止まらない。2日には、〈テレビ出るヤツダサくね?ニュース以外で〉〈“お茶の間の皆さん!”だってさ。〉とからかい、3日には、〈坂上忍、萩原健一さんの逮捕4回に対してはやんちゃって言うくせに逮捕もされてない石野卓球さんをあそこまで責めるのはなんで?〉というユーザーのツイートをRTして、〈そいつがフージのやり方ー〉と一言。

 さらに、瀧の保釈前後になると、卓球の毒舌はさらに勢いを増す。保釈の報道が出た3日には〈えー!?死刑じゃないの?〉と極悪人扱いの報道を皮肉るツイート。瀧の保釈金は卓球が払うんですよね?というツイートには〈韓国紙幣でね〉と返す。さらに、4日、瀧が実際に保釈されると、〈髪型wwwwwww〉など、七三分けにしていた瀧の髪型をからかうツイートを連発した。

松本人志の「ドーピング」発言にも「貧困な想像力」と一蹴

 また、同じく4日には、〈品行方正な人だけが作った音楽だけで満たされた世の中になりますよーに!って事でしょ?北朝鮮の普天堡電子楽団(ポチョンボ電子楽団)とか聴いてれば?〉〈自分の貧困な想像力を超えたものは無しとかドーピングとかで片付けるのはやめようぜ〉という、本質を突くようなツイートもしていた。

 ちなみに〈ドーピングで片付けるのはやめようぜ〉というのは、松本人志が『ワイドナショー』で口にした「薬物を使って演技したらドーピング。ドーピング作品は公開してほしくない」とへの切り返しだろう。

 まさに挑発としか思えないツイートの数々。しかし、この頃になると、卓球の悪ふざけや反撃を批判する声より、称賛する声のほうが大きくなり始める。そして、ネットではワイドショーの道徳ファシズムを糾弾する声が広がっていった。

〈卓球は頭いい。坂上忍他はアホなゴミクズ。まさに正論。〉
〈今から各局、ワイドショーが瀧の保釈と卓球の言動に「けしからん!」と鼻血と泡唾飛ばし、充血した目かっ開いて檄飛ばすの楽しみでならない 一人くらい血が登り過ぎてポックリいかねーかな? それが宮根や坂上忍なら尚爆笑!!!〉
〈ワイドショーなんか誰も見てないのに、ワイドショーに屈服させたくて必死。
ワイドショーはオワコンで卓球の方が影響力あるのに気づいてないのか許せないのか、もはや哀れなテレビメディア。〉
〈ワイドショー何様?と思っていたけれど、これじゃ怒られるわw 石野卓球最高!!〉

 すると、この空気におされて、ワイドショーなどのオールドメディアもトーンダウン。スポーツ紙や週刊誌のなかには、逆に、卓球のツイートを好意的に紹介する動きも出てきた。

「『バイキング』が騒ぐとこっちは焼け太る」とうそぶいた石野卓球

 卓球批判の急先鋒だった「バイキング」だけは、4日、ピエール瀧の釈放を特集するなかで、再び卓球のふざけたツイートを批判的に取り上げたものの、一週間前に「バカじゃないのか? お前」などと言っていた勢いはどこへやら。坂上忍の反論は「俺が思うには、本人があのスーツを着て七三で出てきているときに、これ(ツイート)ってプラスになるのか?」と、瀧の立場を慮っているふりをしたまったく説得力のないものだった(瀧は卓球が悪役を引き受けて自分への批判をそらしてくれたうえ、自分の殊勝な態度を笑い飛ばしてネタにしてくれたことに絶対に感謝しているはずだ)。

 しかも、電気グルーヴファンの土田晃之や田中卓志が「卓球さんはファンじゃない人にとってどう見られようが、なんとも思ってない」「こんなこと言えるの正直、卓球さんしかいない」と擁護的な意見を口にしても、坂上は満足な反論ができず、「テレビで生きてる人ではないっていうことなんですか。石野さんの場合は」とまとめるしかない有り様だった。

 だが、当の卓球はこの弱った『バイキング』にも容赦なかった。東国原英夫が番組のなかで「電気グルーヴを知らない方たちが見たときに『この人、社会人として大丈夫なのか』っていう目で見られることを自覚されているのかな」と発言したのを受けて、〈だいじょうぶだあ〉とまぜっかえしたのを皮切りに、猛烈な勢いで「バイキング」やワイドショー、テレビ批判を連続ツイートし始めたのだ。

〈いまやTVじゃバカか老人しか誘導できないよ〉
〈万人に受け入れられようと思ってたら電気グルーヴなんかやって無いっーの!〉
〈Alternativeって意味の分からないヤツらは”歌手”はみんな紅白に出たいと思ってる、と思ってるでしょ〉
〈器の小さなバイキング見っけ!〉(アニメ『小さなバイキングビッケ』のDVDジャケット画像とともに)
〈重度の猥奴症〉

 とどめは、こんなツイートだった。

〈バイキングでは電気グルーヴ=PUBLIC ENEMY No.1(意味において)あそこが騒ぐとこっちは焼け太る〉
〈さてと、バイキングでもからかってプロモーションの手伝いしてもらおうかな。〉
〈卓球の発言取り上げる、バイキングアンチが番組チェックする。これぞ卓球とバイキングのwin winの関係。〉

石野卓球は勝利したが、道徳ファシズムが敗北したわけではない

 自身の果敢なツイートにより過剰な自粛を排する動きが出てきたことを、卓球は「焼け太り」と露悪的にうそぶき、ギャグ化して、「win win」などとからかい、逆に「バイキング」の説教やバッシングがただの“商売”でしかないことを、あぶり出したのだ。

 こうした鮮やかな反撃を目の当たりにして、いまでは、ファンやネット民だけでなく、ネットニュースやオールドメディアまでが卓球の味方に転向。今度は一斉に『バイキング』叩きを始めている。

 たとえば、「WEB女性自身」は「坂上忍 石野卓球への苦言に批判殺到!『誹謗中傷の領域』」という記事を配信している。ふだんは、さまざまな芸能人に対して“道徳警察”ぶりを発揮して、誹謗中傷を繰り返している「女性自身」がよく言うよ、という感じだが、いずれにしても、こんな逆転現象が起きてしまったのである。

 冒頭で、「卓球がワイドショー言論に勝利しつつある」と言ったが、この状況を見るかぎり「卓球の完全勝利」と言ってもいいだろう。これまで、ネットやワイドショーに叩かれた多くのアーティストやミュージシャンが最初は闘うポーズを見せながら、結局、最後は世間の同調圧力に屈服してきたなかで、卓球は最後まで自分のスタイルを変えず、確信犯的な悪ふざけと、本質を突くテレビ批判で、その道徳ファシズムを押し返してしまったのだ。見事というほかはない。

 ただし、ひとつだけ注意しておかなければならないのは、卓球が勝利したからといって、ワイドショー的な道徳ファシズムが敗北したわけではない、ということだ。今回、ネットやオールドメディアが途中から態度を変えたのは、卓球の頭の良さや強度に加え、卓球が世界的に高い評価を得ているミュージシャンであり、何があっても支持してくれる熱狂的なファンがいたことも大きい。二流以下のタレントやミュージシャンが同じことをやったら、相変わらずボコボコにされてしまうだろう、もちろん卓球も、状況によっては、倍返しされることもありうる。

 そういう意味では、今回の逆転劇も結局、連中の“強いものにしっぽをふり、弱いものを叩く”という行動特性があらわれたにすぎない。ただし、卓球のおかげで道徳ファシズムのインチキぶりが多くの人々に可視化されたのは非常に貴重なことではある。

最終更新:2019.04.07 09:49

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