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またしても佐川宣寿・前理財局長のウソ答弁が明らかに! 公文書を廃棄したと開き直る佐川が部下にあり得ない説教
昨年3月、国会で答弁する佐川氏(参議院インターネット審議中継より)
昨日、開幕した通常国会。まずは大嘘が明らかとなった「あの人」にご登場いただかなくてはならないだろう。財務省前理財局長である佐川宣寿・国税庁長官だ。
森友学園への国有地売却問題では、佐川前理財局長は森友と近畿財務局の交渉の記録について「破棄した」と答弁してきたが、19日に近畿財務局は局内で作成された交渉の経緯などを記した文書を毎日新聞の情報公開請求で開示したからだ。
その文書は、2016年3~5月に国有地売却の担当者が財務局の法務担当者に法的リスクの質問などをおこなっている「照会票」と、その回答である「相談記録」。毎日新聞によれば、たとえば3月24日付の文書では、森友サイドがごみが見つかったとして「開校が遅れたら大変なことになる」「土地を安価に買い受けることで問題解決を図りたい」などと財務局にもちかけており、売却担当者は「国は貸主として法的にどういう責任を負うか」と法務担当者に質問。法務担当者は「速やかに方針を決定した上で、義務違反を免れる方策を講じることが望ましい」などと対応の指南をおこなっていた。さらに、4月22日付文書では、法務担当者が売買契約書の文案を添削していたという。
これらの文書は財務省内のやりとりの記録とはいえ、森友学園がどのような要求をおこない、それにどう対処すべきかが記されており、森友学園との交渉に際して作成された記録の一部といえる。こうして残っていたにもかかわらず、佐川前理財局長は国会で「記録は破棄した」と強弁していたのだ。
しかし、近畿財務局は佐川前理財局長を守ろうと必死。やはり請求をおこなっていた上脇博之・神戸学院大学教授に対して開示したことについて、近畿財務局は「今回、開示したものは局内の法律相談記録で、森友学園に関する応接記録や面談メモとは異なる。(佐川前理財局長の国会答弁と)齟齬があるとは認識していない」と回答(本日付朝日新聞)。だが、一方の毎日新聞のほうは〈昨年9月、「学園との面談・交渉に関する文書」として請求していた〉としている。近畿財務局も、やはりこれらの文書を「学園との面談・交渉に関する文書」と認めているのではないのか。
記録を廃棄したと国会でウソをつき続けた佐川国税庁長官が、部下にありえない説教
いや、そもそも佐川前理財局長の「嘘」は、今回の一件に限らない。たとえば、「(ゴミの撤去費用は)適正に算定されたもの」(2月15日衆院財務金融委員会)という答弁も、「近畿財務局から学園側に対して法令等に基づく契約手続きの前に土地の鑑定価格等を示した事実はございません」(2月24日衆院予算委)という答弁も、「価格につきまして、こちらから提示したことも先方からいくらで買いたいといった希望があったこともございません」(3月15日衆院財務金融委)という答弁も、すべて虚偽だったことが音声データ記録や会計検査院の調査によって判明している。とんでもない大嘘つきではないか。
にもかかわらず、この“オオカミ中年”はご存じの通り国税庁長官というポストに昇進。国税庁や税務署には苦情が相次いでいるというが、確定申告で書類がなかったり虚偽が見つかれば厳しく罰せられることを考えれば、平気な顔をして「記録は破棄した」と嘘をついた人間が国税トップという冗談のような現実に非難が殺到するのはあまりに当然すぎるだろう。
しかも、佐川長官は、日本税理士会連合会が発行する「税理士界」(1月15日付)において、同会の神津信一会長との対談でこんなことを語っている。
「些細な問題でも対応を誤れば、組織の信頼を失ってしまいます」
「リスク管理として、必ず上司に報告するよう徹底させています」
いやいや、もうすでに佐川氏の対応によって「組織の信頼」は財務省・国税局ともに失っているから、とツッコまざるを得ないだろう。その上、佐川長官は国税職員向けには、このような訓示を述べているという。
「公務員に対する国民の目はますます厳しくなっている」
「綱紀の厳正な保持に努め、行政文書・情報の管理の徹底に特段の配意をしていただく」
綱紀の保持、行政文書・情報の管理の徹底──。いま、もっとも「お前だけには言われたくない」一言である。
安倍首相を守るために国民にウソをついた佐川氏が大出世、安倍に不都合な情報は隠蔽されるシステム
しかし、忘れてはいけないのは、この男を国税庁長官に押し上げた人物は安倍首相であり、安倍政権下では「不都合な事実」は徹底的に国民の目に届かないシステムが築き上げられていくだろうということだ。
安倍首相は森友学園問題の会計検査院の報告に対し、他人事のように一切の責任をとらない一方で、行政の公文書管理については「国民の信頼を一層高いものにする」と明言。昨日の施政方針演説でも「公文書管理の透明性を高める」と述べた。だが、実際は、財務省では公用電子メールが送受信から60日で自動廃棄していることが毎日新聞の取材によって発覚。しかも、昨年5月に国会で野党議員から見直しを迫られたあとも廃棄をつづけていた、というのである。
60日で自動破棄されるなど一般社会でも仕事に支障が出るとんでもないシステムだが、森友問題であれだけ文書の管理について問われた財務省がこの姿勢とは一体どういうことなのか。関係者は「サーバーの容量に限りがある」と答えているが、そんなものは容量増設すればいいだけの話。これでは「公文書管理の透明性」というよりも「不透明さの向上」を目指しているようにしか見えない。
もちろん、公文書管理についても追及がおこなわれるべき問題だが、ともかくまずは佐川長官に虚偽答弁の責任をとってもらおうではないか。今国会への佐川氏の招致は、絶対におこなわれなくてはならない必須事項だ。
(編集部)
最終更新:2018.01.23 10:16
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