横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」24

希望の党の玉木新代表に維新との合体計画を直撃! 小池百合子の右腕・産経OBが事務総長に居座り院政

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代表選で大串議員と握手する玉木新代表(撮影・横田一)

 総選挙で惨敗しても「創業者責任がある」と引責辞任をしなかった小池百合子希望の党・代表が11月14日、電撃的な辞任表明をして4日前に共同代表に選ばれたばかりの玉木雄一郎氏を後継指名(“禅譲”)した。親小池の結党メンバーが要職を占める執行部人事(長島昭久・政調会長、細野豪志・憲法調査会長)と代表交代が引き換えのような形であったため、玉木新代表が初の定例会見に臨んだ11月21日、素朴な疑問をぶつけてみた。

————今回の代表交代は、「小池(百合子)前代表の意向に沿った小池院政が始まるのではないか」という疑いを持たざるを得ないが、今回の代表就任は(14日に)突然代表が辞任して両院議員総会に事前に諮られないまま、事前に“親小池”の人事案と引き換えになる「裏取引」があったような形で代表就任された。改めて両院議員総会を開いて代表選をする考えがあるのか。

玉木代表「裏取引があったのか」という指摘については全くありません。
 
 納得がいかなかったので、再質問を繰り返した。

————「小池代表と組む共同代表を選ぶ選挙」と「小池代表が辞めた後の代表選」は全く違う。なぜ、あの場で急に決めたのか。

玉木代表 私は選ばれたので、よく分かりません。

————今回の決め方について、おかしいと思わなかったのか。「党内民主主義に反したブラックボックスで決まった」と疑わざるを得ないが。

玉木代表 その指摘は当たらないと思います。最高意思決定機関の両院議員総会で正しく決められたものと思います。

————なぜ(代表辞任を)事前に知らせなかったのか。14日の両院議員総会は「(玉木共同代表の新執行部)役員人事を決める場」であって、「代表辞任に伴って代表を決める場」ではなかったはずなのに、一部の人しか知らされずに突然(代表が)決まったのになぜ疑問を抱かないのか。

玉木代表 私は最高意思決定機関である両院議員総会で正しく選出されたものと認識しています。

代表選に出馬した大串議員が疑問を呈した不透明な玉木代表擁立劇

 何度も再質問をしたのは他でもない。共同代表選(11月10日投開票)を玉木氏と戦った大串博志・元民進党政調会長が、両院議員総会後の囲み取材で、騙し討ちのような代表交代に疑問を呈していたからだ。

「『異議あり』と唱えることが出来ないような流れでした。小池代表から『玉木さんを推挙します』という一言で、『皆さん、よろしいですか』と決めてしまうのは非常に透明感に欠くやり方ではないか。手続きには違和感、唐突感を覚えました」「両院議員総会が党にとって最高の意思決定機関であり、その中でも代表を決めるのは極めて重い決断だと思います。やはり発言権を持つ全国会議員が事前に知らされて、誰が立候補するのかしないのかも十分に考える時間的な余裕を持った上で、進めるのが組織としては普通ではないか」(大串氏)

 今回の代表交代は、親小池人事案と玉木氏への代表禅譲が交換条件(裏取引)とする密室談義の産物としか見えない。希望の党は意思決定プロセスが極めて不透明な“独裁的ブラックボックス政党”と呼びたくなるのだ。

 しかも出自(誕生の経緯)からしてウサン臭かった。民進解体・希望合流も、小池・代表(当時)と前原誠司・民進党代表(当時)の9月26日深夜の“密室談義”(神津里季生・連合会長も同席)が発端。そして前原氏が28日に民進前議員に「排除されない」という虚偽(嘘)の説明をした翌日(29日)に小池氏が「排除します」と断言、憲法改正と安保法制などの“踏み絵”(政策協定書)を踏ませたことで、「緑のたぬき」「女ヒトラー」のような詐欺的独裁党首率いる“第二自民党”という実態がバレて希望惨敗となったのは明らかだった。

 しかし玉木氏は共同代表就任会見で、「希望惨敗は『排除』発言と無関係で、各候補の努力不足」と総選挙を総括し、小池氏を免責していた。この発言についても聞いてみた。

——「排除」発言を含めた総選挙の総括で、(玉木氏は)「(立候補した)個々人の責任」とおっしゃいましたが、やはり「排除」発言、小池代表のイメージダウンの影響は大きいのではないか。改めて(総選挙の)総括・検証をしないのか。

玉木氏 総選挙の総括については、いずれにしてもやる必要があるなと。支持率が低いということもありますので、なぜ低いのかを含めて冷静な真摯な分析が必要だと思っていますので、選挙の分析もしていきたいと思っています。

 総選挙(10月22日投開票)から1カ月が経とうとしているのに、希望の党はいまだ「排除」発言の影響を含む総選挙の総括に着手していない状態のようなのだ。「“安倍政権倒す倒す詐欺”で民進党前議員を騙した小池・前原両代表(当時)の責任を曖昧にしようとしている」と見られても仕方がないだろう。

安保法制や共謀罪やカジノ法案などで安倍政権に同調した「維新」に対する立場についても聞いてみた。「排除」発言と並ぶ小池氏の総選挙でのミスは、維新との選挙協力(住み分け)である。維新と同じような「政権補完勢力(第二自民党)」という実態が露呈したからだ。そこで、「脱・小池路線の試金石になる」と思って今後の維新との関係についても質問したのだ。

——(総選挙で)維新と選挙協力をしましたが、維新は加計問題の審議で安倍政権擁護、(足立康史衆院議員が野党議員らに対して)「犯罪者発言」をするなどとても野党と見なせない存在だと思うが、維新と選挙協力をした是非と、「今後は選挙や国会運営で維新と協力しない」という“決別宣言”をするのか。

玉木代表 維新との関係については、国会の中でどのような関係を築いていくのかということについては、これは維新に限らず政策次第、中身次第ということになるので、何か事前に協力するしないということを決める話ではないと思っています。野党の時間を確保することについても、もし維新が平場で同じような考えをお持ちであれば、そういったことについては野党が一丸となって対応していければと思っていますが、いずれにしても維新に限らず他党との関係は政策や中身次第ということになろうかと思います。

候補者選別を仕切った産経出身の尾崎良樹氏がいまも事務総長として


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 維新に対する玉木代表の立場は不明瞭だったが、これも小池氏への忖度にしか見えない。「希望と維新が統一会派を組んで野党第一党になる」という機会を虎視眈々と伺っているのは間違いないだろう。

 総選挙で候補者調整(選定)に関わったとされる「産経出身の尾崎良樹事務総長」も党本部に居座っていた。党本部で「小池代表の辞任がいつ決まったのか」と聞くと、女性事務員が「尾崎良樹事務総長しか分かりません」と言って名刺を見せてくれたのだ(名刺の写真参照)。

 小池代表と同じように引責辞任をしても不思議ではない“A級戦犯”の尾崎氏が、党内を仕切ることが可能な事務局トップであり続けていたことは、まさに「小池院政」への移行を意味するものだろう。ちなみに尾崎氏は産経新聞時代、現在でも安倍政権擁護記事を多数書き続けている阿比留瑠比記者と一緒に、安倍昭恵氏にインタビューをしていた(2007年4月3日の「首相婦人へのインタビュー」)。

 この尾崎氏が匿名で登場するのが「側近が事務方トップに 小池都知事“死んだふり”で虎視眈々」と題する11月10日付「日刊ゲンダイ」。小池知事に近い永田町関係者のコメントでこう紹介されていた。

「実は、希望の党の事務方トップに小池さんの側近が就いているのです。都知事の政務担当特別秘書・宮地美陽子氏の夫で元新聞記者」

 この元新聞記者が尾崎事務総長なのだが、「小池百合子『死んだふり辞任』で『橋下新代表計画』が動き出す!?」と銘打った「週刊ポスト」(小学館)12月1日号にも、「国会議員時代からの小池氏側近」のコメント中に登場していた。

「(小池氏は)完全に国政政党から身を退いたわけではない。希望の事務局長は小池氏の特別秘書を務める女性の夫が就任するとみられ、希望の運営に間接的に影響力を残す仕組みができている」

 2つの記事を合体させて具体的かつ正確に言えば、「総選挙の時から希望の事務総長は、小池氏の特別秘書・宮地美陽子氏の夫で産経新聞出身の尾崎氏が務めていて、小池氏は今後も党運営に小池氏側近を介して影響力を及ぼすことが可能」となる。見事な代表交代劇としか言いようがない。“雇われ社長”のような玉木代表に禅譲するのと引き換えのような形で親小池の新執行部がスタートし、党本部には側近の事務総長が居座り続ける。”死んだふり代表辞任”で「小池院政」に移行というのが実態なのだ。かつて自民党都連を牛耳っていたドンの内田茂都議と小池氏が二重写しになってくる。小池氏は“女帝創業者”として神輿に担がれた“雇われ社長”のような玉木代表を“遠隔操作”し続けるのは間違いないと思えるのだ。

最終更新:2017.12.06 11:05

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