官邸の前川証言潰し恫喝に屈したメディア、踏ん張ったメディアが鮮明に! 日テレ、とくダネは無視、田崎はトンデモ解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
abe_01_170513.jpg
自由民主党HPより


 元文科省事務次官である前川喜平氏のインタビューを、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が掲載したことを受けて、今朝の朝日新聞朝刊も前川氏のインタビューを一面トップほか大々的に掲載。毎日新聞も社会面で大きく取り上げ、そのなかで「文書は本物」とする前川証言を紹介した。また、昨晩の『NEWS23』(TBS)は、前川氏のインタビューを今晩放送することを予告した。

 本サイトは昨日、前川氏の自宅前にマスコミが殺到している一方で、官邸が上層部から官邸記者にいたるまで恫喝をかけまくっていることを伝えたが、その圧力をこれらのメディアは撥ね返したといえよう。

 だが、今回の前川証言に対する安倍首相はじめ官邸の焦りと怒りは凄まじいものだ。安倍首相は昨晩、赤坂の日本料理店「古母里」でテレビ朝日の早河洋会長と篠塚浩報道局長と会食。報道局長まで呼びつけていることからも、報道に対する牽制があったことはあきらかだ。

 剥き出しの圧力をかけられたテレ朝だが、しかし、今朝の『羽鳥慎一モーニングショー』では、「週刊文春」に掲載された前川証言と、「週刊新潮」の報道を取り上げた。

 番組ではまず、前川氏の「出会い系バー通い」を紹介した上で、「週刊新潮」による「官邸は前川前次官の醜聞情報を集めさせ、友好的なメディアを使って取材させた」「“報復”するとともに口封じに動いた」という内容に踏み込んだ。司会の羽鳥が「これはどうなんですか?」と尋ねると、ゲスト出演したテレ朝の細川隆三・政治部デスクは歯切れ悪くこのように述べた。

「官邸にはいろんな人がいて、この問題にふれるととにかくカリカリしちゃって、興奮する方もいらっしゃるし、逆にこの問題は触ってはいかんと、触らないようにシカトしようとする人もいますし、とにかくこれは内閣の問題じゃなくて個人の問題、とんでもない人がやっているんですよとさらけ出すのがいいんじゃないかっていう人もいるんです」

「官邸による報復なのか?」という羽鳥の問いに対する答えにまったくなっていないが、いかに官邸が記者にプレッシャーをかけているのかが垣間見えるコメントではあるだろう。

 だが、ここでレギュラーコメンテーターの玉川徹が、読売新聞の報道に言及。「現役の官僚でもない前の事務次官の、違法でもない話を一面にもってくるバリューが、加計学園にかかわらないんだとしたらどこにあるのか」「ものすごく疑問」と言い、こう畳みかけた。

「安倍総理は自分が語る代わりに『読売新聞を熟読してくれ』っていう関係ですしね。やっぱり権力に対して批判的な目を向けるっていうのがジャーナリズムだと私はずっと思っていままで仕事してきたんですけど、こういう一連の読売新聞のあり方って、政治部的な感覚から見て、細川さん、これどうなんですかね?」

 ごくごく真っ当な指摘だが、これに細川政治部デスクは「いや、だから、(読売の今回の報道は)めずらしいですよね」と返すのが精一杯。だが、テレ朝は『モーニングショー』だけではなく、『ワイド!スクランブル』でも番組トップと第2部で報道し、前川氏の下半身スキャンダルについて“官邸のイメージ操作では”と言及。前川証言と下半身スキャンダルという“両論併記”の報道ながら、しかも総理直々に“圧力”がくわえられたなかで、官邸の読売を使った報復と、読売の姿勢に論及した点は、勇気あるものだったと言えるだろう。

 また、朝の『とくダネ!』と昼の『バイキング』では前川証言を無視したフジテレビも、『直撃LIVE グッディ!』ではしっかり取り上げた。

 しかも、菅義偉官房長官が会見で「(前川氏は)地位に恋々としがみついていた」などと人格攻撃したことに対し、ゲストの「尾木ママ」こと尾木直樹は「ぼくら教育関係者はみなさん信頼しているし、絶大な人気者。気さくで威張らないし、官僚的ではない。慕っている人も多いですね」と反論。元文科省官僚である寺脇研も「(菅官房長官の言葉とは)全然別の話を省内で聞いている。『みんな残って下さい』と下の者は思っていたけど、(前川氏は)『自分は最高責任者として全責任は自分にあるんだから辞めなくちゃいけない』と言っていた」「(前川氏が)辞めた日、省内には涙を流した者も相当数いたみたいですね」と、菅義偉官房の発言は官邸お得意の印象操作である見方を示した。

 さらに、『グッディ!』でも、一連の文書の出所が前川氏だと官邸が睨み、出会い系バー通い報道をリークしたとする「週刊新潮」の記事にふれ、問題の出会い系バーを取材。だが、コメンテーターの編集者・軍地彩弓は「(前川氏は)脇が甘いと言われてもしょうがないけど、人格否定と今回のことを一緒にするのはやめてほしい。わたしたちが見てても、この話がくることによって撹乱されているように思っちゃうので、分けて話をしたい」と指摘。尾木も「(出会い系バー通いは)まずかった」としながらも、「このことで文書の問題をチャラにしてほしくない。分けて考えないと」と語った。MCの安藤優子も「前川さんの人間性と証言の信憑性を混同させようという動きがあるが、別の話」と番組冒頭から、何度も繰り返していた。

 このように、官邸から恫喝を受けながら踏ん張ったメディアがある一方、露骨に避けた番組もある。たとえば、すでに前川氏にインタビューを行い、本日夜の『NEWS23』でその模様を流す予定のTBSは、朝の『あさチャン!』や昼前の『JNNニュース』で「怪文書じゃない」という前川氏の証言映像を大きく取り上げたが、『ビビット』ではほんのわずかでスタジオ受けもなく終了。『ひるおび!』でも11時台の新聞チェックのコーナーで扱っただけだった。

 また、NHKと日本テレビも露骨だ。朝のニュース・情報番組では前述したTBSの『あさチャン』のほか、『グッド!モーニング』(テレ朝)『めざましテレビ』(フジテレビ)も朝日新聞を紹介するかたちで前川氏の証言を取り上げたが、NHK『おはよう日本』と日テレの『ZIP!』は一切ふれず。NHKは12時からのニュースで、国会で松野博一文科相が「すでに辞職した方の発言なので、コメントする立場にない」と答弁したことをさらっと伝えたのみで、日テレも『スッキリ!!』では無視、昼前の『NNNストレイトニュース』と『情報ライブ ミヤネ屋』のニュース枠で少しふれただけだ。

 いや、露骨といえば、ご存じ“安倍政権応援団”である田崎史郎の解説だろう。昨晩の『ユアタイム』(フジ)に出演した田崎は、前川氏について「“ミスター文科省”と表現するけど官邸の見方はまったく違っていて、“最悪の次官だった”っていう認識なんですよ」と前川氏をバッシング。挙げ句、「文書を持ち出したとしたら、これ自体が国家公務員違法になるんじゃないかと言う方もいて。当面無視していくスタンスですね」と、またも官邸の方針を垂れ流した。この詭弁には、番組キャスターの市川紗椰も呆れ果てたように「え、無視って後ろ向きの態度を取られると、やっぱり何かあるんじゃないかなと思いますし、政府から調査するべきだと思うんですけどね」とコメント。田崎はやや狼狽えつつも、「文科省の役人が勝手につくったメモ」と断言したのだった。

 官邸の恫喝に負けなかったメディアと、官邸の言いなりになったメディアが鮮明になった、今回の前川証言。しかし、きょうの報道だけで、加計学園問題は終わりではない。本日夕方16時より前川氏が記者会見を行い、証人喚問の要請があれば応じる意志を表明した。安倍政権の「行政文書じゃない」などというごまかしで済まされる話ではない。政権の下部組織と化したNHKと読売系以外のマスコミには、官邸の圧力に負けることなくさらなる追及を期待したい。

最終更新:2017.12.04 03:21

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

官邸の前川証言潰し恫喝に屈したメディア、踏ん張ったメディアが鮮明に! 日テレ、とくダネは無視、田崎はトンデモ解説のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。NEWS23前川喜平田崎史郎編集部読売新聞週刊文春の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 池袋暴走事故の容疑者逮捕なしに批判、元検察幹部も
2 安倍の吉本新喜劇出演をウーマン村本と星田英利が批判!
3 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
4 萩生田発言が大阪12区補選に影響!安倍首相が窮地に
5 週刊誌の秋篠宮バッシングは官邸が発信源か?
6 ブラックホール会見でNHK記者“日本スゴイ”質問に世界が失笑
7 ウーマン村本がよしもと社長からの圧力を激白!
8 上野千鶴子「東大祝辞」へのワイドショーコメントが酷い!
9 美智子皇后が誕生日談話で安倍にカウンター
10 つんく♂が秋元のメンバー差別に
11 秋元康の東京五輪に椎名林檎が危機感
12 橋下徹が岩上安身リツイート裁判で矛盾を追及され逆ギレ!
13 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
14 東電が福島原発の廃炉作業を外国人労働者に押しつけ
15 自衛隊スパイ事件、官邸が解禁の理由
16 萩生田光一の問題は消費税延期論でなく「ワイルド改憲」発言
17 岩城滉一騒動で「在日」差別激化
18 松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
19 ゴーン逮捕“国策捜査説”を裏付ける経産省メール
20 維新応援団・野村弁護士が懲戒、橋下徹にも請求が
1 国民健康保険料が大幅値上げ、年間10万円増額も
2 安倍首相と省庁幹部の面談記録ゼロ!安倍政権“公文書破壊”の実態
3 石野卓球がワイドショーに勝利した理由
4 忖度道路めぐり安倍の直接指示の新事実が
5 安倍首相が「桜を見る会」に『虎ノ門ニュース』一行を堂々招待
6 安倍が“忖度道路”の要望書を提出、山陰自動車道でも利益誘導
7 上野千鶴子「東大祝辞」へのワイドショーコメントが酷い!
8 塚田「忖度」発言は事実! 麻生利益誘導の疑惑
9 イチローに国民栄誉賞を断られ安倍政権が赤っ恥
10 野党議員をデマ攻撃「政治知新」の兄・自民党県議を直撃!
11 NHKで国谷裕子を降板に追い込んだ人物が専務理事に復帰
12 維新勝利で橋下徹が「反対した年配の人が死んじゃった」
13 中村文則が安倍政権批判に踏み込む理由
14 『あさイチ』の「中高生に韓国が人気」企画炎上の異常
15 安倍首相「桜を見る会」招待状が8万円で売買との報道!
16 菅官房長官「令和おじさん」人気の正体!
17 ゴーン逮捕“国策捜査説”を裏付ける経産省メール
18 「あつまれ!げんしりょくむら」以外も…原子力ムラの醜悪SNS戦略
19 衆院補選で安倍自民党が大惨敗の予想が!
20 ピエール瀧出演の『麻雀放浪記2020』に“安倍政権への皮肉”

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄