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吉田羊と7連泊のHey! Say! JUMP中島裕翔が痴漢行為で警察沙汰に! でもジャニーズタブーで芸能マスコミは沈黙
弱い事務所のタレントが起こした不倫はまるで犯罪行為のように叩くが、事務所タブーのあるタレントが起こした警察沙汰はスルーする芸能マスコミの歪んだ構造
先月、20歳近く年上である吉田羊との「7連泊」熱愛報道でマスコミを賑わせたHey! Say! JUMPの中島裕翔が、今度は泥酔して痴漢行為をはたらき警察沙汰になるという騒動を起こしたと、昨日発売された「週刊文春」(文藝春秋)5月26日号が報じた(外部リンク)。
中島といえば、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子副社長が目下イチオシのグループHey! Say! JUMPのメンバーで、7月からはフジテレビのゴールデン帯連ドラで初の単独主演も決まるなど、グループとしても個人としても現在ジャニーズ事務所から猛プッシュされている。そんな売り出し中のアイドルが痴漢騒動を起こしたとは、いったいどういうことなのか。
「文春」によると、「路上で男性に抱きつかれるなどした」と30代の女性会社員から110番通報があり警察が駆けつけたところ、現場にいたのは泥酔状態の中島だった。中島は通報した女性の上半身を触るなどした疑いで任意の事情聴取を受けたという。犯行を裏付ける証拠が見つかっておらず、女性から被害届が出ていないため、「事件化する可能性はほぼない」ということだった。
しかしこの件に関して、ジャニーズ事務所も「文春」の取材に対して「泥酔下とはいえ、このような事態になりました点について、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。本人も深く反省しております」と回答しており、事務所側も痴漢行為で警察沙汰になったことは事実だと認めている。
被害届が出されなかったため事件化していないとはいえ、酔っぱらって見知らぬ女性に抱きつくとは立派な痴漢行為だが、それにも関わらず、これを報じたのは今年に入ってスクープラッシュを続けている「文春」のみ。スポーツ紙もワイドショーも後追い報道するメディアはまったくない。「文春」のスクープラッシュの発端ともいえるベッキーとゲスの極み乙女。川谷絵音の不倫騒動などはワイドショーがこぞって後追い報道をしていたが、今回の中島の痴漢騒動に関しては、どのワイドショーでも1秒たりとも取り上げることはなかったのだ。
ベッキーの不倫を人でも殺したかのようにあれだけ血祭りにしておきながら、なぜ一方で刑事事件の可能性もあった中島の痴漢騒動をスルーするのか。もちろんそこには、やはり大手芸能マスコミの”ジャニーズタブー”があるからだろう。これまでだって、マスコミはジャニーズの起こした数々の不祥事を黙殺してきた。
まず、泥酔騒動と聞いて思い出すのは、2009年にSMAPの草なぎ剛が起こした問題だろう。深夜の公園で酔っぱらって全裸で騒ぎ、現行犯で逮捕された草なぎだが、メディアはジャニーズ事務所の顔色をうかがい、「草なぎ容疑者」でなく「草なぎメンバー」なる珍妙な呼称を連呼する気の遣いようだった。
同じ飲酒騒動でも、関ジャニ∞とNEWSのメンバーだった内博貴が仙台市内の公園で暴れ、警察に補導されたときは、内が未成年だったため、同席していたフジテレビの菊間千乃アナウンサーがバッシングの標的となった。マスコミは一方的に彼女だけを悪者に仕立て上げることで、事態を収束させようとしたのだ。
14年10月には、山下智久が六本木で一般人グループとトラブルを起こし、それを携帯で撮影していた女性からその携帯を奪って逃走したため、器物損壊の疑いで書類送検された。しかし、マスコミは「書類送検」という言葉を使わず、同じ現場にいた赤西仁や錦戸亮の名前を伏せて「歌手仲間2人」と報じるなど、どうにかジャニーズの怒りを買わず、世間へのマイナスイメージも最小限に留めようとする配慮が見られた。
さらに、SMAPの木村拓哉がスピード違反で取り締まられていたことを12年に「文春」が報じた際には、ジャニーズ事務所から木村がこのほかにもスピード違反を起こし、免許停止処分を受けていることが公表された。当時、木村はトヨタ自動車のCMに出演していたが、トヨタ自動車広報部は各スポーツ紙に対して「2度とも代理店を通じて報告をいただいております」と、木村の過失を知っていながら黙認し、「文春」で報じられた後も「今の時点では放送中止や契約打ち切りなどは考えていない。継続します」と回答。つまり、ジャニーズは「文春」で報じられなければトヨタとグルになって隠し続けていたということだろう。
08年に「週刊現代」(講談社)が報じた嵐・大野智の“大麻3P疑惑”に至っては、これが発覚した際も、この疑惑の告白者である女性が自殺し、彼女が相葉雅紀や二宮和也、松本潤といったほかのメンバーとも関係があったと告白していたことを「文春」が記事にしても、大手芸能マスコミはスルーし続けた。
かつて中島とともに活動していた元Hey! Say! JUMPの森本龍太郎が未成年で喫煙騒動を起こしたときも、ジャニーズJr.の水越大介が「ヤラカシ」と呼ばれるマナーの悪いファンから逃れるため、石や砂利を投げて怪我を負わせ、警察に連行された際も、同じくJr.の岩本照が13年11月に20代の女性ファンの顔面を殴り、手術するほどの大怪我を負わせたときもそうだ。
今回の中島の痴漢騒動も、芸能マスコミはすべて“なかったこと”にしてしまうのだろう。先に触れたように、中島は、ジュリー副社長お気に入りのHey! Say! JUMPに所属しているうえ、東山紀之や二宮和也といった先輩との共演も多く、NEWSの加藤シゲアキが書いた小説『ピンクとグレー』の実写映画で映画初主演を果たすなど、現在役者としても売り出し中。V6の岡田准一も、以前エンタメ情報サイト「ORICON STYLE」のインタビューで「中島(裕翔)とかがいまぐんぐん成長しているのには期待しています」と語っており、ジャニーズが事務所をあげて大プッシュしている。7月からはフジテレビドラマ『HOPE~期待ゼロの新入社員~』でゴールデン連ドラ初の単独主演を飾ることも決まっている。きっと何事もなかったかのように主演を務め、番宣などであちこちのメディアに登場するだろうが、この事件についてツッコめる記者など皆無だろう。
SMAP騒動以降、ジャニーズ事務所の体制は大きく揺らいでおり、これまでマスコミに睨みをきかせスキャンダルや不祥事報道を抑えこんできたベテラン広報の白波瀬傑取締役がこの春に一線を退いたことから、ジャニーズタブーにも綻びが見えるという見方もある。中島と吉田羊との熱愛報道を抑えきれなかったのもそのためといわれるが、しかし綻びが見えるといっても、せいぜい恋愛スキャンダルが好意的に報じられる程度のこと。今回のような不祥事には、相変わらず一切触ることができない。
「酔っぱらっていたから」「お酒を飲んで多少ハメをはずしただけ」「事件化していない」などと擁護するファンもいるかもしれないが、数年前市川海老蔵が暴行を受け大ケガを負った事件のときは、海老蔵は被害者だったにもかかわらず、単なる酒席での悪態や酒癖の悪さなどを連日のように糾弾されていた。
弱小事務所のタレントなら、たかだか酒席のマナーや二股、不倫を犯罪者のごとく追及し、大手芸能事務所のタレントは犯罪行為すらなかったことにする。
その結果、ただ不倫をしただけのベッキーのテレビ出演や矢口真里の日清食品・カップヌードルのCMは放送中止に追い込まれるほど批判や苦情が殺到するのに、ジャニーズならば犯罪まがいの行為をはたらいても何事もなかったかのように起用され続ける。
あらためて浮き彫りになったこの歪な芸能マスコミの構造、なんとかならないものだろうか。
(島原らん)
最終更新:2016.05.20 06:46
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