保育園問題でも暴言、安倍首相の肝煎り参院選候補・山田宏の“愛人・隠し子”と冷酷な父親ぶりを妻が告白

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山田宏 公式ホームページより


 夏の参院選で自民党から立候補予定の安倍首相の“お友達”がまたもやってくれた。本日発売の「週刊文春」(外部リンク)4月28日号が山田宏比例区代表候補の愛人&隠し子&泥沼離婚裁判のトリプルスキャンダルを報じたのだ。

 山田氏といえば、東京都議や杉並区長、衆院議員を経て、現在は浪人中で自民党公認として参院選に立候補予定だが、先月大きな反響を呼んだ「保育園落ちた」ブログに対し、「まぁ、落書きですね」「生んだのはあなたでしょう」「親の責任でしょ、まずは」などの暴言で注目を浴びている。そんな人物に愛人と隠し子がいたことも驚きだが、それ以上に驚くのは今回の記事が山田氏の妻による“告発”だったことだ。記事には、山田議員の暴言をもじった妻のこんなセリフがサブタイトルとしてついていた。

「愛人に子供を産ませたのはあなたです」

 実は山田氏の不倫が報じられたのは今回が初めてではない。2005年には現在厚生労働副大臣の要職にある自民党の渡嘉敷奈緒美衆議院議員との不倫が報じられ、また6年前には「週刊朝日」(朝日新聞出版)10年6月11日号で当時日本創新党党首だった山田氏に六本木のピアノバーで働いていた愛人の存在がスッパ抜かれている。しかもこの際、山田氏には女性との間に子どもがいること、また妻と3人の息子が住む自宅には月2、3回しか帰っていないことなどが報じられたのだ。

 今回、「週刊文春」は6年前の愛人・隠し子問題を山田氏に再び質しているのだが、その際、山田氏は突然妻と離婚訴訟中であり、「私が一方的に悪いことをして家内から訴えられているのとは違う」と主張、そのため妻・祐子さんにも話を聞いたところ、山田氏の父親としてあるまじき“実像”があらわになったのだ。

 祐子さんは山田氏の女性問題は今に始まったものではなく、またお金にだらしないと断言した上でこう証言している。

「特にバブル時代はひどくて、後援会や支援者からの資金でかなり遊んでいました」

 また「週刊朝日」に報じられた愛人に関しても、産まれた子どもを「知り合いの子供」だとウソをつき、それがバレると今度は子どもとの養子縁組を提案してきたとう。結局認知するという形で落ち着いたが、しかし注目すべきは山田氏の“父親”としてのあまりに無責任で冷徹な態度だ。

「授業参観や父親の会、卒業式などにも来ませんし、息子のサッカー教室のコーチをやっても『面白くないから』と一回きりでどこかに行ってしまう。長男の高校の入学式には参加しましたが、地元の高校で杉並区長として政治の力になるから受けたんです。(略)つい先日、二男が都内で結婚式を挙げたんです。でも山田は欠席し、手紙を送ってきただけでした」

 3人の息子たちの子育てに関わる事もなく、妻に丸投げしていた山田氏。これで「親の責任」などといけしゃあしゃあと言えるものだと呆れるが、祐子さんもそれは同様のようで、待機児童問題への山田氏の発言をこう切り捨てた。

「私たちの三人の息子も保育園でお世話になりました。(略)八〇年代当時も保育園に入れるのは難しかった。兄弟別々の保育園でしたけれど、選挙前の個別訪問の際は、お迎えの時間を融通してもらったり、すごく助けられました。夫にはそういう実体験がないから、違和感のある発言をするんでしょう」

 しかも山田氏と祐子さんの離婚裁判は、山田氏側から一方的に提案されたもので、祐子さんの落ち度を強調するものだという。

 隠し子まで作っておきながらなんとも身勝手としか言いようがないが、しかし、こうした体質こそが安倍首相の“お友達”たる所以かもしれない。

 そもそも、山田氏はウルトラ右派政治家で、外務省のHPから従軍慰安婦に関する記述を削除させるなど極右クレーマーとしても有名。また、歴史認識に関しても筋金入りのリビジョニストだ。たとえば先の戦争について雑誌でこんな持論を展開している。

「日本は蒋介石の中華民国とは戦ったが、ほかのアジアの国々とは戦っていなない。アジアの諸地域を植民地にしていた欧米と戦ったのである。『あの戦争が侵略だと規定することは自虐でしかない』と言った石原慎太郎(当時・日本維新の会)共同代表の指摘こそ正論であると、私は思っている」(「正論」2013年8月号/産経新聞出版)

 ほかにも、14年の解散総選挙では、石原慎太郎元都知事や田母神俊雄容疑者などが名を連ねた極右政党・次世代の党(現・日本のこころを大切にする党)の幹事長として出馬(落選)したが、その際も、“最高裁が「生活保護費を外国人に支給することは違憲」という判決を出した”というデマを拡散している。

 かように極右ヘイト政治家としか言いようがない山田氏だが、その山田氏が極右政党を離れて自民党に復帰した背景には、安倍首相のツルの一声があったという。

「山田氏は日本会議の議連である『日本会議国会議員懇談会』のメンバーで、改憲、安保、愛国心教育など、思想的にも安倍首相と非常に近い。また京大法学部卒で松下政経塾出身ということもあり、京大・松下政経塾関連の保守系与野党議員などとも太いパイプを持っています。安倍首相もその発言力やコネクションを買って、いち早く自民党の公認と参議院全国区支部長というポストを与えました。実際、山田氏自身、日本会議の集会など様々なところで、14年衆院選での落選直後、安倍首相から直接電話がかかってきて『改憲には山田さんの力が必要だ。自民党にきてくれ』と熱心に口説かれたというエピソードを吹聴しています」(政治部記者)

 ようするに、安倍首相は“お友達”である山田氏のような極右人材を国会に送り込んで、改憲扇動のデマゴーグになってくれることを期待しているのだろう。しかし、自民党は常々「家庭のきずな」や「伝統的家族制度の復活」などと喧伝し、12年の憲法改正草案でも“家族の尊重・相互扶助”などを謳っているが、むしろ山田氏は、「週刊文春」で妻が語ったように、家庭を顧みない自分勝手な“女性蔑視オヤジ”だ。

 しかも、これは山田氏だけの問題ではない。自民党には不倫したあげくそれが発覚すると愛人や妻を非情に切り捨てるような議員や、明らかに女性を蔑視している議員がゴロゴロいる。たとえば最近も、菅原一秀衆議院議員の元愛人が、「女は25歳以下がいい。25歳以上は女じゃない」「子供を産んだら女じゃない」という女性蔑視発言を受けたことを「週刊文春」4月7日号で告白している。

 結局、自民党が声を大にする「伝統的家族」というのは、女性を都合のいいように振り回す男性本位の社会像を意味している。そして、それを党是として憲法のなかに組み込もうという意図は、実のところ「家族」という道徳観念を悪用して国民を国家への奉仕の体系、全体主義に絡め取ろうとしているにすぎないのだ。

 自民党が、山田氏や菅原議員のような女性蔑視を“党是”としていることを、われわれは決して忘れてはならない。
(宮島みつや)

最終更新:2016.04.21 03:25

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