オヤジ週刊誌が「ベッキー叩きは不倫したくてもできない人妻の嫉妬」と…ベッキー叩きもゲスだがこれも性差別!

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ベッキーオフィシャルウェブサイトより


 ベッキー不倫騒動は性差別──。今月8日付けのイギリス・ガーディアン紙(電子版)に掲載された記事が話題を呼んでいる。

 この記事では、ベッキーが番組降板やCM打ち切りが相次ぎ休業に追い込まれた一方で、ゲスの極み乙女。の川谷絵音の音楽活動に支障が出ていないことを報道。さらに、女性アイドルの恋愛禁止やAKB48・峯岸みなみの“丸坊主謝罪”などを取り上げながら、ベッキー問題を「日本の芸能界にはびこる性差別」だと紹介したのだ。

 バーニングやジャニーズといったコワモテの大手事務所所属のタレントが不倫をしても知らんぷりするのに、個人事務所や独立系、弱小事務所のタレントと見るや大挙して大バッシングする。しかも、男性タレントとは違い、女性タレントの性スキャンダルはケタ違いで嫌われる……。本サイトでもそうした歪な芸能マスコミの構造や日本に蔓延る性差別の問題を追及、孤立無援のベッキーを全面擁護することを宣言してきたが、やはり海外から見るとベッキーバッシングは異常な光景であるようだ。

 しかも、そうした“性差別”は一見、ベッキーバッシング批判にみえるような記事にも潜んでいる。

 その典型は小学館発行の男性週刊誌「週刊ポスト」(小学館)号に掲載された「ベッキー&ゲスを異常バッシングする『不倫したい人妻たち』の素顔」という特集だ。

 この記事では、ベッキーをバッシングする人の多くが“人妻”だとして、その心理を赤裸々に解読しよう、という試みらしい。

 まず、ベッキーが出演したテレビに抗議をしてきたのは「20〜40代の主婦層」だといい、ここにバッシングの背景があるという。というのも、この記事によれば、8割もの人妻が夫以外の男性に“トキメキたい”と考えていて、夫に抱かれながら別の男性を思い浮かべる人妻は50%以上にのぼるらしい。しかし、かといって通常はなかなか一線を超えられない。いざ浮気がバレたときの生活、経済的リスクが大きいからだ。欲望はある、でも抑えなきゃ……多くの人妻の心境は、このように複雑なのだと「ポスト」は解説する。

 妻が夫以外の男性にときめきたい、恋をしたい、と考えること自体は何の不思議もない。夫である既婚男性のほうが浮気をしている割合は女性よりも高く、むかしから「浮気は男の甲斐性」などと肯定されてきたが、一方の女性は「妻の操を守れ」と言われ、倫理的にも社会的にも貞操観念をもつことが“教育”されてきた。つまり、妻にとって不倫はあらゆる面でハードルが高いのは事実だろう。

 しかし、問題はここから。「ポスト」はことから、人妻によるベッキーバッシングの動機を「嫉妬ややっかみ」だと解説するのだ。

 たとえば、記事中で39歳の人妻はバッシングの理由をこう語っている。

「不倫って感情のまま行動するベッキーを羨ましいと思う自分がいて、それがいっそう彼女に対する嫌悪を深くさせる」

 自分には不倫願望があるものの、それをひとりカラオケや韓流ドラマで我慢している。だからベッキーの開き直った態度が気にいらない──。ほかにも登場する人妻は、夫とはセックスレスのため女性としての人生に焦りを感じており、不倫する勇気がない。そうしたことから不倫をしたベッキーに「罪を感じてほしい」と願っているのだという。

 女が女への嫉妬からベッキーを猛バッシングしている。女ってやっぱり業の深い、コワイ存在ですね! ……結局、ベッキーを擁護するかのようにみせかけて、この「ポスト」の記事から滲み出てしまっているのは、「女vs.女」の対立を煽って高みの見物をするセクハラ中年男性的なメンタリティだ。まあ、オヤジたちの尽きせぬ欲望に付け入って“死ぬまでセックス”路線を敷く「ポスト」らしい記事といえばその通りだが、これこそ“ゲスの極み”ではないだろうか。

 不倫といえば、いま、イクメン議員で売っていた自民党の宮崎謙介議員による、妻で同じく自民党議員の金子恵美氏の出産直前に不倫をしていた件が世間を賑わせているが、圧倒的にゲスなこの不倫騒動も、「ポスト」的切り口だと「妻が妊娠・出産中の男の性欲は抑えがたいもの、女にはわからないだろうけど!」のような調理法になってしまう気がしてならないのだが。
(田岡 尼)

最終更新:2016.02.10 12:28

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