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キティ、マイメロ、ポムポムプリンが戦争反対、護憲を訴え! サンリオいちご新聞の反戦特集がアツい!

あのキャラたちが涙ながらに反戦を!(サンリオ公式サイト/キャラクターより)
世界で愛されるキティちゃんやピンク頭巾を被ったうさぎのマイメロディ、今年のキャラクター大賞で1位に輝いたポムポムプリンに、人気急上昇中の鮭の切り身を擬人化したKIRIMIちゃん……。こうしたキャラクターを生み出し、日本のファンシー界を発展させてきた企業といえば、みなさんご存じのサンリオだ。
だが、そんなカワイイの象徴のようなキャラたちが、涙を流しながら「反戦」を訴えている。
今月10日に発売されたサンリオ発行の「月刊いちご新聞」で組まれているのは、「平和のためにできること、考えよう。」という特集だ。
このなかでポムポムプリンは、「ぼくは、戦争を経験したおじいちゃん、おばあちゃんや、教科書や本、テレビから、見たり聞いたり、勉強して知ったよ」と言う(言う、というか、吹き出しが出ている)。さらに、「あんなことが起きたら、毎日ずっと泣いてると思う。お出かけもできないし、おなかもすくし、いつ死んじゃうかわからないなんて、想像もできないほどこわいよ」と、戦争が起こるとどうなるかを考えている。
また、マイメロディは「今この瞬間も何人もの命がうばわれているの」と過激派組織による戦闘を挙げ、ハンギョドンも大きな目を潤ませながら「戦闘に巻きこまれて、ケガをしたり、命を失う場合だってあるから、命があるだけでもありがたいと感じて、つらい生活の中でもがんばって生きているんだ」と語る。
そして、「私たちは戦争をしないという約束を守らないと!」「そのためには…みんななかよくすること。なかよくして助け合って生きていくことが大切だよ」とまとめている。
失礼ながら、彼や彼女たち(?)はたんなるカワイイお飾りだと思ってきたが、どうやら違うらしい。命の大切さ、争いの不毛さ、平和の尊さをしっかりと理解し、子どもたちに一生懸命伝えようとしているのだ。
じつは、こうした「平和」「反戦」を訴える紙面は「いちご新聞」創刊当時からつづくもの。いまから40年前、1975年に発行された第2号目の紙面には、「いつ戦争はやむの」という大きなタイトルのもとにベトナム戦争の問題をピックアップ。憲法記念日についての記事では、悲惨な戦争の反省のもとに平和憲法が生まれたことを解説しながら、「私たちは、私たち自身の国の憲法をほこりに思います」とその大切さを説く。この記事を再録した今年発行の5月号でも、キティちゃんの絵とともに「暴力や武力は絶対ダメ。自分がされていやなことは、相手にしない」と重ねて強調している。
こうした「いちご新聞」の方針は、〈いちごの王さま〉が打ち出しているらしい。いちごの王さまとは、頭が巨大ないちごでできているサンリオのキャラクターだ。王さまは長きにわたっていちご新聞紙上で「いちごの王さまからのメッセージ」を発信しているが、“中の人”は、創業者である辻信太郎社長。経営者でありながら童話などの児童文学作品も数多く発表している作家でもある。
前述した「いちご新聞」8月号で、いちごの王さまは〈王さまにとって、8月は1年の中で、最も想い入れの深い月です〉といい、このような言葉を綴っている。
〈戦争は多くの人の命を失い、多くの人が傷つき、その傷跡は何年、何十年、何百年経っても消えることはありません。 その時、大学1年生だった王さまは、この戦争で同級生を数人失いました。
この経験から、心に深く刻み込まれたのは「争いからは何も生まれない。国と国、民族と民族、人と人は如何なることがあってもお互いに争うことなく、仲良く助け合って行くことが本当に大切なことだ」ということです。
王さまはこのことをたくさんの人に伝えたくて、今から55年前の8月10日にこのサンリオを設立しました〉
戦争の経験と平和を祈る気持ちからサンリオは生まれた──。そう考えると、ポムポムプリンやマイメロディたちが涙を流しながら反戦を訴えるのも、当然の話なのかもしれない。
辻社長は、自身が執筆したビジネス書『これがサンリオの秘密です』(扶桑社)でも戦争体験に触れている。辻社長は山梨県の〈五〇〇年つづく旧家〉という裕福な家庭に生まれたが、13歳のときに母を亡くし、伯母に預けられることに。しかし、そこで〈いまでいういじめ〉に遭い、さらには社会も戦争が激化していく暗い少年時代を送ったという。疎開先では「飯を食いすぎる」「糞をしすぎる」となじられる日々……そうした〈つらく悲しい思いが、私をギリシャ神話の世界、詩や文学への強い憧れへと誘ってくれたのかもしれません〉と振り返っている。
「人間の幸せ、それは友達がいることだ」「サンリオは友情を育むビジネス」と語る辻社長。サンリオには〈絶対侵すべからずふたつの規則〉があるというが、それは「他人のものを盗むな」ということと「暴力をふるうな」ということだ。
もしかするとサンリオが世界で愛される理由は、このゆるがない“暴力を憎み、平和を愛する”という思想がキャラクターたちにあたたかみを必然的に与えているからなのかもしれない。平和を希求する思いが“カワイイ”を生む──これこそ日本が世界に誇るべき文化ではないだろうか。
もちろん、いちごの王さまはいまの状況に不安を隠さない。今年4月号のメッセージで、王さまは〈世界は悲しくなるくらい全く改善されないまま時間だけが経過し、夢見ていた平和な世の中は、まだまだ、ほど遠いことに驚きと怒りを感じます〉と嘆く。だが、王さまは力強く宣言する。〈王さまは決してあきらめません〉と。
戦争とは何か、平和とは何かをちっとも考えようとしない安倍晋三首相には、ぜひ、いちごの王さまの爪の垢を煎じて飲んでほしいものだ。
(大方 草)
最終更新:2015.07.27 08:31
この記事に関する本・雑誌
サンリオデイズ いちご新聞篇 ー 「いちご新聞」から生まれたキャラクターのヒミツがいっぱい (Sweet Design Memories)

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